“音楽屋”ガガガSPは今のシーンでどう戦っていく?「板の上に乗ったときに何が出来るか」

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 資料には“パンクはガキのお遊びではございません。大人の本気を見せつけるのがパンクなんです。”という気合いの入った文言が。ガガガSPの10枚目のオリジナルアルバム『ガガガを聴いたらサヨウナラ』は、30代半ばになった4人のメンバーが“本気のパンク”を真っ直ぐに体現した充実作となった。どこまでも泥臭く、自分たちの道を進み続けるガガガSP。その独特なスタイルの起源、現在のシーンに対する思い、そして、バンドを続けていくモチベーションについて、コザック前田(唄い手)、山本聡(ギター弾き手)に聞いた。

「タイトルとかコンセプトは他のジャンルから取り入れる場合が多い」(コザック前田)

――まずは「ガガガを聴いたらサヨウナラ」という強烈なタイトルについて。同名の曲が1曲目に入ってますが、これがアルバムの軸になったということですか?

コザック前田:2、3年くらい前にこのタイトルを思いついて、「このタイトルでアルバムを出したい」って思ったんですよ。なかなか形にできなかったんですけど、ようやくタイトル曲が出来たんで。まあ、もともとは一之瀬さんの本なんですけど。

――「地雷を踏んだらサヨウナラ」(報道写真家の一之瀬泰造が残した書簡などをまとめた書籍)ですか?

山本聡:そうです。

コザック前田:逆説的に使ってるというか、「ガガガの音楽を聴いたら、ほかの音楽からはサヨウナラせんとあかんぞ」っていう意味なんですけどね。じつは前回のアルバムでもこのタイトルを使おうと思ってたんですけど、山本が作ってきたのがシミッタレタ曲ばっかりだったんで…。

山本:ハハハハハ!

コザック前田:これは西村賢太やなと思って、「くだまき男の飽き足らん生活」っていうタイトルにしたんです。西村賢太の小説に“飽き足らない”って言葉がよく出てくるんですよ。

――いろんなジャンルからネタを持ってきてるんですね。

コザック前田:パロディですよね、言ってみれば。特にアルバムのタイトルは、そういうのが多いです。まずタイトルを付けてから、それをコンセプトにするっていう…。たとえばチャップリンにハマってたときは『青春狂時代』っていうアルバムを作りましたし、クレイジーキャッツをよく聴いてたときは『無責任一家総動員』だったし。

――なるほど。そういうアイデアって、ほかにもあります?

コザック前田:ありますよ。次は「ミッドナイト・イン・ジャパン」にしようと思って。

――ネタ元はウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」?

コザック前田:そうです(笑)。ちょっと洒落た恋愛の曲を多めに入れたミニアルバムもええなって思って。コメディを撮ってたときのウディ・アレンじゃなくて、最近の感じですよね。

――コザック前田さんがウディ・アレンを観てるのも衝撃ですが(笑)。

コザック前田:音楽から直接的な影響を受けるのは曲作りだけで、タイトルとかコンセプトは他のジャンルから取り入れる場合が多いんですよ。もちろん、解釈みたいなことは聴いてる人が勝手にしてくれていいんですけど。こっちが考えてるのは「いびつな言葉を入れたほうがいいやろうな」っていうことくらいですかね。

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