[Alexandros]がライブで見せた”自由奔放”さ ブランキーなどの名曲カバーも

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 [Alexandros]が昨年9月から行っているツアー『We Don't Learn Anything Tour 2013-2014』のZepp Tokyo公演1日目。今回のツアーは、バンドにとっても、ファンにとっても印象深いものであるはずだ。3月28日の日本武道館公演ではバンド名を現在の名前へと改名し、また、ドラムの庄村聡泰がインフルエンザを発症し、Zepp Namba、Zepp Fukuokaの公演を延期するハプニングもあった。この先に延期公演を控えているが、ボーカルの川上洋平がMCで「今日がファイナルだと思って楽しみます!」と発言したように、この日の公演は開放的で自由な彼らの姿を見ることができた。

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 [Alexandros]の魅力とは、先行きが読めず、いい意味で”裏切り”が多いバンドだという点だろう。ハードロックのように重厚なギターサウンドから始まったかと思いきや、打ち込みを主体としたリズムや明るくてキャッチーなメロディへと変わっていく。転調の多用などの仕掛けが曲中に散りばめられており、予測不可能な展開を見せる音楽性をバンドの魅力として語るファンも少なくない。一方で、近年はストレートにリスナーへ歌を届けるような楽曲も増えてきたことで、徐々にファン層を拡大しつつある。実際、この日の彼らは以前のような刺のあるイメージから離れ、演奏中やMC中に笑顔を見せる場面が増えていたように感じた。

 また、今回のライブでは自身の楽曲だけでなく、ロックバンドの先達が演奏してきた名曲群を、とても楽しそうにカバーしていたことも紹介しておきたい。まだ他の公演も残っているため、詳しくは書けないが、川上が敬愛してやまないオアシスはもちろん、ベースの磯部寛之が尊敬するベーシストとして挙げるマニが所属していたプライマル・スクリーム、ギターの白井眞輝が好きなレッド・ホット・チリ・ペッパーズなどの楽曲を演奏した。そして一番目を引いたのはライブ中盤。磯部のベースアンプが予期せぬトラブルに巻き込まれ、ライブが一時中断になるも、川上が「じゃあ何かやろう!」と白井に耳打ちし、庄村に悪巧みを思いついたように無邪気な笑顔で合図した。そこで披露したのはブランキー・ジェット・シティの「ガソリンの揺れ方」。しかも白井がメインボーカルを取るという珍しい光景を目にすることができた。

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