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BorisのAtsuoが語る海外ライブ事情と、日本のバンド界の課題(後編)

「お客さんの耳がちぎれて床に…」Borisが明かす海外ツアー仰天体験と、“言葉の壁”突破法

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藤谷千明
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 海外でのライブ活動を精力的に行う一方、映画『告白』(2010年)への楽曲提供や「銀座ジュエリーマキ(2012年)」のCMソングにも起用されるなど、国内外を縦横無尽に活動するBorisのAtsuo氏(Drums/Vocal)が、海外でのライブの現状及び国内の音楽シーンついて語る集中連載、後編。

前編:日本ツアーよりも海外ツアーのほうが儲かる!? BorisのAtsuoが語る、日本のライブ環境の特殊性

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――前編では、海外と日本では音楽活動がどう違ってくるか、ということをお聞きしました。そういう話は日本のミュージシャンとはされないんですか?

Atsuo:みんな「行きたいんですけど」って言ってるけど、やっぱりやりあぐねているというか。国内でバンド活動するだけでギリギリになっちゃうよね、この国のシステムだと。

――どこをとっかかりにしていいか分からないのでは。

Atsuo:そうですよねえ。僕らはアンダーグラウンドシーンから始まっていったんで、自分の好きなバンドや好きなレーベルに手紙送ったりして一緒に作品つくったりする中で、ツアー組んでくれたりとか。それも音楽の力ですよね。好きもの同士というか。お互いサポートしあって。そこには音楽が好きな人のコミュニティがあったり、情報の流通経路がしっかりあったりね。

――言葉の壁は大丈夫だったんですか。

Atsuo:英語は今もダメですよ(笑)。意味を知らないで使ってる単語とかあるし。こういう時にはこうやっていうんだー。とか、感覚で。「YOU KNOW?」と言っておけば次の文章に進んでいいんだなとか(笑)。

 言ってしまえば僕らは演奏するのが仕事なんで、基本的に音楽の話が中心になりますし、それだったら全然問題はないかなあ。伝えたい事は要求だけになるので。「I Want~」で大体通します。いつもでも命令口調と思われたりもしますけど。各場面でこちらが中心となってルールを提示していかなきゃならないので、シンプルにストレート伝えていきます。もう少しね、英語を勉強したほうがいいのかもしれないけど……。甘えてますね。

 ツアーマネージャーは毎回チェコから呼んでいて、ドライバーもテックも一人何役もやってもらってるんですけど、チェコとアメリカの物価の違いがあって僕らにとってもすごく安く雇えたり。そういう事情も含めてスタッフ周りも恵まれてると思いますね。

――国ごとにお客さんの反応や雰囲気は違ったりするんでしょうか。

Atsuo:一概に言えない部分もあるんでですが、アメリカはすごく盛り上がるし。ロンドンとかは馬鹿騒ぎ的なノリもあるんですけど、ヨーロッパはストイックというか、シリアスムードな感じかなあ。アメリカと比べると直接的なリアクションは薄いです。オーストラリアはヨーロッパとアメリカの間くらいな感じがするかなあ。この間初めて台湾のフェスに呼ばれて行ったんですけど、そのフェスを仕切ってるトップが33歳くらいで、みんなメロコア以降のパンクしか知らないんじゃないか?っていうくらい、90年代以降の音楽の影響しか無いところで作られてるシーンというか、ちょっと奇妙な感じですよね。

――海外ツアーの中で身の危険を感じたことは。

Atsuo:何年か前に、お客さんの耳がちぎれて床に落ちてた話が向こうのいろんなメディアで取り上げられましたね。「ピッチフォーク」にも載ったのかな? テキサスでのライブ中にずっと暴れてるやつがいて、それを止めに入ったやつがボコボコにされちゃって。それで、ライブ終わったら会場の人から「なんか耳が落ちてるんだけど」って。「こんな所もう二度と来ねえ!」と思ってホテルに帰ったら救急車が来てて、血だらけの男が喚き叫んでるんですよ。「サインくれ!」って(笑)。そこはすごい田舎の会場だったんで、泊まるホテルも数が少なく、その遠方から来たお客さんと同じだったんですよね。

 その人とは後々仲良くなって、連絡とるようになったんですけど。その後結局耳は繋げないで、ホルマリン漬けにして自分で経営してるBARに飾っている(笑)。

 他には音漏れがすごいとか、スモークのせいで火災報知機が鳴って警察や消防車が来ちゃったりというのは頻繁にありますね。あと、台湾ではスタッフ4人中3人が食中毒になったとかはありますけど(笑)。

     
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