発売6日で100万本突破の『Big Walk』とは? 友達と歩いて話す“チル”ゲームの新しさ

発売6日で100万本突破の『Big Walk』とは

 現在、新作インディーゲーム『Big Walk』が世界中で大ヒットを記録中だ。パブリッシャー・Panicの公式Xによると、発売からわずか6日間で100万本の売り上げを達成したという。

 派手なアクションがあるわけではなく、対戦要素もない作品が、なぜこれほどの話題を呼んでいるのだろうか。その理由について考えてみたい。

『Big Walk』本日発売!

『Big Walk』とは? 声とジェスチャーで挑む協力型アドベンチャー

 同作は2人から12人までの人数で一緒に楽しめる協力型マルチプレイヤーアドベンチャー。『Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た! ~』で知られるゲームスタジオ・House Houseが開発を担当しており、プラットフォームはPC(Steam)やPlayStation 5、Nintendo Switch 2に対応している。

 プレイヤーはオープンワールドの広大な無人島に降り立ち、さまざまなギミックを駆使して、パズルをクリアしていく。マルチプレイ前提の作りとなっているため、複数人で上手く連携しないと解けない謎も数多く立ちはだかる。

 またゲーム内の意思伝達は、お互いの距離に応じて声の大きさが変わる“近接ボイスチャット”が基本。壁越しには声が聞こえなかったり、山に反響した声がやまびことして響いたりと、リアルな作り込みが印象的だ。

 操作方法は至ってシンプルで、物を掴んだり放擲したりするだけ。さらに長い腕を使い、ジェスチャーを行ってコミュニケーションを取ることも重要だ。その一方で道中では双眼鏡やレーザーポインター、メガホンなど、さまざまな便利アイテムも手に入る。

大ヒットの鍵は、目的に追われない“チル”な時間

 簡単にまとめると『Big Walk』は、フレンド同士でボイスチャットやジェスチャーによる連携を取りながらパズルに挑んでいくゲームと言える。とはいえこれだけでは、同作が大ヒットしている理由の説明にはならないだろう。むしろ重要なのは、“チル”な要素にある。

 まず同作ならではの大きな特徴は、フィールドが広大なオープンワールドとなっていること。砂浜や山道といった美しい自然の風景のなかに、パズルやギミックが点在させられている。

 そのなかでプレイヤーはユーモラスなアイテムやジェスチャーで笑いあったり、パズルに頭を悩ませたりしながら、フィールド上をぶらぶらと歩きまわっていく。なんなら他のプレイヤーが謎を解こうとしているところを、妨害することも可能だ。

 つまりゲーム内に用意されたミッションを淡々とこなしていくのではなく、友達と一緒に野外テーマパークやフィールドアスレチックを遊ぶような気持ちを味わえるのだ。良い意味で“ゆるい”設計ということだが、パブリッシャーは同作のテーマを「talking and walking」(会話と散歩)と説明しており、意図的にそうしたコンセプトを目指していることが分かる。(※)

 刺激的な要素を詰め込んだドーパミン重視のコンテンツが話題になりがちな昨今。遊んでいるだけでセロトニンが出るような“チル”ゲームは、それだけで存在感が際立って見える。

“フレンドスロップ”の本質をゲーム化した『Big Walk』

 また最近のゲーム界隈では、友達と一緒に手軽に楽しめる「フレンドスロップ」というジャンルが流行中。『R.E.P.O.』や『PEAK』、『Lethal Company』が代表的な作品だが、『Chained Together』や『めっちゃカメレオン』などを含めても良いだろう。

 おそらくフレンドスロップの流行を生み出しているのは、「友達と会話や寄り道を楽しみながら、気ままな時間を過ごしたい」という需要だ。『Big Walk』が大ヒットしたのは、こうしたジャンルの本質を的確にゲーム化したことが一番大きな要因ではないだろうか。

 今年のゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY)候補とも言われている同作だが、どこまでブームが広がっていくのか注目したい。

参照

※ https://x.com/panic/status/2086861004252790931

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