『Beast of Reincarnation』は転換点になるか? 実は“ポケモン以外”も手掛けてきたゲームフリーク

すっかり「ポケモンを作っている会社」というイメージが定着しているゲームフリークだが、実はそれ以外のタイトルも数多く手掛けている。8月4日に発売された『Beast of Reincarnation』は、まさに同社にとって新たな挑戦となる完全新作ゲームだ。本稿ではその作品としての位置づけについて考えてみたい。
“ゲーフリが作ったソウルライク”は、難しさだけを目指さない
同作は、ざっくり分類すると『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のような剣戟アクションにコマンドバトルの要素をミックスさせたアクションRPGとなっている。プレイヤーはいわゆる“弾き”で敵の攻撃をいなし、それによって溜まったゲージをリソースとして使い、相棒の犬「クゥ」に指示を出しながら戦っていく。実際にプレイしたユーザーからは、「ゲーフリが作ったソウルライク」といった感想がよく上がっているようだ。
ソウルライクとはフロム・ソフトウェアの『DARK SOULS』シリーズを代表とする高難易度アクションゲームを指すが、実のところ『Beast of Reincarnation』はそれほど難易度の高さを売りにした作品ではない。むしろソウルライクなアクションゲームを、より広い層が遊びやすい難易度に最適化させていると言うべきだろう。
“ポケモン以外”を生んできた「ギアプロジェクト」の系譜
そんな同作はディレクターの古島康太氏によると、ゲームフリークの代表取締役である田尻智氏が主催する社内の企画コンテスト発のプロジェクトなのだという。
ゲームフリークは以前からボトムアップ型の新規タイトル開発制度「ギアプロジェクト」を行っており、新しい発想力を取り入れた多くの作品を世に送り出してきた。『Beast of Reincarnation』も、そうしたボトムアップ制度の一環として開発されたゲームとして位置づけられるだろう。
これまでにゲームフリークが開発してきた“ポケモン以外”のゲームは、ほとんどこの「ギアプロジェクト」によるものだ。たとえば2012年には、音ゲーと横スクロールアクションゲームを組み合わせた『リズムハンター ハーモナイト』をニンテンドー3DS用ゲームとして発売。そして2013年には、ソリティアと競馬を合体させた『ソリティ馬』をリリースしている。
そのほか、セガとのコラボ作品となった横スクロールアクション『TEMBO THE BADASS ELEPHANT』や、瓦礫を操作して道を切り拓く物理パズルアクション『GIGA WRECKER』、TCG(トレーディングカードゲーム)のようなコマンドバトルを楽しめるRPG『リトルタウンヒーロー』などが、「ギアプロジェクト」発のタイトル。いずれも実験的なゲームシステムを採用しており、なおかつ作品を貫くコンセプトの部分を重視したゲームとなっている。
新規IPの創出より、「作りたいゲームを作る」
こうした「ギアプロジェクト」作品の系譜に『Beast of Reincarnation』を当てはめるなら、同作の目的は新規IPの創出というより、「作りたいゲームを作る」ことに重きが置かれているのかもしれない。ディレクターの古島氏はインタビューなどで自分の「感覚」を大事にしたことを語っているが、その「感覚」を表現するためにこそ剣戟アクション×コマンドバトルというアイデアや、「1人と1匹」というコンセプトが要請されたと考えられるからだ。(※)
つまり『Beast of Reincarnation』はゲームフリークにとって新たな挑戦でありつつ、ゲーム作りの姿勢という部分では“ゲーフリらしさ”を貫いた作品なのではないだろうか。
『Beast of Reincarnation』の挑戦は何を残すのか
とはいえ『Beast of Reincarnation』には、ゲーム内カメラがキャラクターと近すぎるなど、粗削りな面があることも指摘されているようだ。ただ、ゲーム全体としてはシステム・ストーリー共に完成度が高く、ユーザーからの不満点についても継続的なアップデートで改善していくことを表明している。たとえば現在多くのプレイヤーから寄せられている「カメラの距離」や「文字のサイズ」などについては、1週間以内を予定にパッチを当てることがゲームフリークの公式Xなどでアナウンスされた。
こうしたボトムアップ制度から生まれた挑戦的な作品は、後のゲームフリークのゲーム開発にどのように反映されるのだろうか。『Beast of Reincarnation』の評価次第では、同作が他のシリーズに影響を及ぼすこともあるのかもしれない。
参照
※ https://blog.ja.playstation.com/2026/07/24/20260724-bor-interview-feature-s/



























