AIを出し抜いて“人間だけに伝わる絵”は描けるのか? 人気配信者もハマる『デヴィエーション・ゲーム』の魅力

 『デヴィエーション・ゲーム』は、AIと人間の対決をテーマにした協力型パーティーゲームだ。2025年12月12日にSteamで配信が開始され、すでに複数の実況動画や視聴者参加型配信が確認されている。

 本作の基本ルールはシンプルで、2~6人のプレイヤーが協力し「人間には伝わるがAIには分からない絵」を描く。描き手には秘密のお題が与えられ、それをもとに絵を描写。その後、AIと他のプレイヤーが回答し、AIが正解できなければ人間側の勝利となる。勝敗条件が「AIに当てさせない」点にあるのが、本作最大の特徴だ。ゲームはホストがSteam版を起動し、他の参加者はスマートフォンのWebブラウザから参加できる設計になっている。この仕組みにより、プレイヤー同士が同じ画面を見ながらリアルタイムでやり取りでき、配信や動画制作との相性も高い。

 実際にYouTube上では、視聴者参加型で『デヴィエーション・ゲーム』を遊ぶ動画や、AIの回答に一喜一憂する実況コンテンツが投稿されている。たとえば人気ストリーマーであるk4senは、配信中に視聴者を募って本作に挑戦。最初は高精度なAIに苦戦しつつも、視聴者とともに協力して独自の攻略法を編み出し勝利を獲得していた。プレイした後には「めっちゃ良いゲームだったねこれ」と高い評価を口にしている。

リスナーたちと結託して最先端のAIを騙しにかかるk4sen【Deviation Game】

 k4sen以外にも、MSSPやおにやといった人気実況者たちがAIとの戦いを繰り広げている。ストリーマーにとって魅力となるのは、プレイヤー同士の会話や発想の違いがそのままコンテンツになる点だろう。誰の絵がどこまでAIに通じてしまうのか、あるいは人間同士でどこまで共通認識を持てるのかといった過程そのものが、視聴者の楽しみにつながる。くわえて、スマートフォン参加型という仕様は、視聴者を巻き込んだ企画を組みやすい。

 現時点で配信数や視聴者数は限定的で、爆発的なブームが起きている段階ではない。とはいえ「AIを騙す」という分かりやすいテーマと予測不能な回答結果は、映像コンテンツとしての見どころを生みやすい。『デヴィエーション・ゲーム』は、今後のアップデートや配信事例の増加によってさらに高い評価を獲得していく可能性を秘めている。AIと人間の認識差をゲームとして可視化するこの試みが、今後どのように展開していくのか。公式情報や実際の配信動向を追いながら注目したいタイトルだ。

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