デビュー即100時間配信&社畜エピソードが大バズりの新人VTuber イリクス学園・千影丸と早乙女燈真が語る「意外な共通点」

千影丸と早乙女燈真が語る「意外な共通点」

 UUUMとAKA Virtualが共同で立ち上げた新VTuberプロジェクト『イリクス学園』から、瑞木ゆき、早乙女燈真、久遠星那、千影丸の4人が2025年9月25日にデビューを果たした。

 2024年10月にオーディション募集の一報が流れた際には、HIKAKIN、はじめしゃちょー、フィッシャーズを擁するUUUMが、ついにVTuber事業を展開するということで話題を呼ぶことになった。

 2025年3月より公開選抜試験を行なうなどし、デビューへとたどり着いた彼ら。今回、まだ活動スタートから1カ月ほどである4人にインタビューを行った。

 本記事では、千影丸と早乙女燈真の2人に話を聞いた。自身のプロフィールを中心に、男泣きしてしまったというエピソードから3Dを使った活動や展望について、それぞれに語ってもらった。(草野虹)

お互いに不安を慰め合ったり、逆に言い合うみたいなことをしていた

ーーお二人は『イリクス学園』のオーディションをどのようなきっかけで知ったのでしょうか?

早乙女燈真(以下、早乙女):昨年の秋くらいなのですが「自分自身の今までのバックグラウンドをすべて使って何か面白い活動をしてみたい」と考えるようになり、ある日「VTuberになろう!」と思ったんです。そこでネットで色々と検索したときに『イリクス学園』のオーディションと出会って応募しました。

千影丸:VTuberは当然昔から知っていて、見たりしていました。自分は歌やゲームも好きで、個人的にXRやVRといった分野にも少し興味があったので、技術的な部分が今後出来上がった時にリアルとかけ合わせて面白いことができるんじゃないか? と感じたんです。『イリクス学園』としてもそこがメインどころだったみたいで、自分も受けてみようと思いました。

ーーオーディション開始から最終選考8人に絞られ、その後は公開選抜試験としてUUUMの人気動画クリエイターの方々と一緒に配信するなどし、9月25日にデビューしました。期間としては約1年ほどありましたが、どういった心境で生活されていましたか?

早乙女:オーディション中は気が気じゃなかったですね。こういうのを受けること自体が初めてだったので、選考が進むごとに「オーディションってこういう風にやるんだ!」という新たな発見があったくらいで(笑)。それでいて本当に良い結果が出るのかと気が気じゃなかったです。

 オーディションを終えてからは、デビューに向けて準備をしていきましたが、改めてデビュー後の自分の姿を思い描きながら、自分の得意なことやできることはなんだろうかと考えながら過ごしてました。

千影丸:実はデビューが決まったのが春頃の話で、こうしてデビューするまでに半年ほど時間が空いていたんです。その間、動画を制作したり、歌の練習をしたりしていたのですが、色々と動いているうちにあっという間に時間が過ぎてしまい、気づけばデビュー直前まで過ごしてまして。思ったよりも一瞬で過ぎていった感じでしたね。

ーー選考が進んでいる間や最終選考を終えた後などで、選考を受けている面々で交流はあったんでしょうか?

早乙女:合格が伝えられて数時間後には会ってなかったっけ?

千影丸:会ってたね。

早乙女:俺と千影(千影丸の愛称)は本当に、合格発表まで気が気じゃなかったですよ。お互いに不安を慰め合ったり、逆に言い合うみたいなことをしていました。

千影丸:そうそう。「ここダメだったんじゃね?」みたいなことをあえて言い合ったりね。

早乙女:そうしているうちに「いやでもこんだけやったから! お前はこれだけおもろいんだから大丈夫! オーディションも進むよ!」って言ったり(笑)。

ーーまさに支え合いながらオーディションを進行していったわけですね。もしも自分だったらちょっと泣いてしまうかもしれません。

千影丸:実際泣きましたよ、早乙女。

早乙女:おい! 言うなって!(笑)。合格発表でUUUMの人と話している時に号泣した話すんなって!(笑)。

ーーそこも踏まえて、早乙女さんと千影丸さんのお互いの第一印象を教えていただきたいです。

早乙女:俺から見た千影は、まず面白いというのが一つ。あと、自分と近そうだなという感覚が第一印象でしたね。お互いの持っている感覚やバックグラウンドからくるものなのか、すごく近い雰囲気を感じていました。「どこかで会ったことがあったっけ?」というくらいの感覚だったんです。

 今でもその印象は変わらなくて、むしろ強くなったくらいです。やっぱこの人めちゃくちゃ面白いと思ったし、お互いの素性を知っていく中で、どんどんその印象が強くなりました。

千影丸:自分もまさに同じ感覚で、笑いの感覚や面白いと思うポイントが結構似ていたり、物事に対して抱く感情が似ているなとは前々から思っていました。

 選抜期間中も密にコミュニケーションを取ったりしていたのはあると思いますけど、特に活動を始めてから、リスナーさんからも似ていると言われることが多いです。

 あと、この間わかってビックリしたのですが、小学校の時にネジを集めていたというのが共通点だったんですよ。「ネジってカッコいいし、集めていた時期があったんだよね」って話をしたら「俺も!」と言われて(笑)。こういうところがお互い似ているなと思います。

早乙女:ネジってかっこいいんですよ(笑)。

ーーメンバー4人それぞれマンガ、アニメ、ゲームがお好きだと思うんですが、お好きなマンガやアニメなどはありますか?

早乙女:アニメはめちゃくちゃ見ていて、小さい時に影響を受けたのは『NARUTO -ナルト-』『家庭教師ヒットマンREBORN!』『BLEACH』『HUNTER×HUNTER』です。その後は深夜アニメを見るようになって、一番最初に影響を受けたのが『デュラララ!!』でした。その後『Angel Beats!』『STEINS;GATE』に、『Fate』や『〈物語〉』シリーズも好きでしたし、『ガンダム』シリーズは10年以上ずっと作品を追いかけています。

千影丸:俺は早乙女とは反対で、アニメはあまり見ていなくて、その頃は運動やスポーツに熱中していました。ただ、マンガやゲームにはかなりハマっていましたね。早乙女と同じくジャンプ系のマンガを読んでいましたし、ゲームだと『ウイニングイレブン』(現『eFootball』)をよくプレイしていました。あとはFPSゲームもちょっと触ったりはしていましたが、最近は「なんだこりゃ!?」となるようなゲームをわざとプレイしています。

ーーインディーゲームでもソロメインでやるようなゲームですか?

千影丸:そうです! 本気でやったら20分で終わるくらいのシンプルなゲームですね。いずれ配信でもプレイしてみたいです。

ーー千影丸さんはスポーツがお好きで、特にアメリカンフットボールやサッカーについて記されていました。好きなスポーツはなんでしょうか?

千影丸:実は今までの人生でスポーツをやっていない時期がないくらい、色々なスポーツをやってまして。アメフトは実際にやっていましたけど、ほかには器械体操やハンドボールもやっていました。自分がやるのはアメフトが一番面白かったですし、観戦するならサッカーが一番好きです。

ーー器械体操ということは当然バク転もできるんですよね?

千影丸:もちろん。昔は体操教室に通っていて、そこから大会にも出場していました。

ーー一般の方から考えればとんでもないくらいのフィジカルエリートですよ。そんな千影丸さんはお酒や飲み会がお好きだそうですね。お酒の席で起こったエピソードでキャッチーなものはありますか?

千影丸:なにかあるかな……飲み会の帰りでタクシーに乗りたくなって、相乗りする人を探して一緒に乗って帰ったんですけど、会社の近くで相乗りをしてしまったんですよ。その時、会社の関係者を捕まえて勝手に相乗りしていたみたいで、後日それに気づいてすごく気まずいということがありましたね(笑)。

早乙女燈真と千影丸、異なる道を歩んできた二人がそれぞれ目指す夢

ーー一初配信してからすぐに「100時間3D生活」と題した100時間の連続配信、そして3Dビジュアルも初披露しました。とんでもないくらいに濃い内容になっていましたが、配信を終えたときはどのようなことを感じましたか?

千影丸:この言葉が正しいかはわからないですが、俺はもう満腹感でいっぱいという気持ちでした。デビューしてすぐに100時間やる配信者さんなんて俺は見たことなかったし、しかも実際に100時間やっている中で飽きるとかそういう気持ちは一切なかったです。一種の満足感、やりきったという気持ちでした。

ーー続いて、早乙女さんにお話を伺いたいです。お菓子・スイーツ作りが得意と伺いましたが、これまでにご自身で作った一番豪華なスイーツはなんでしょうか?

早乙女:自分で作るのは好き勝手できるので、かなり無茶なスイーツを作りましたよ。すごく大きなタルトを作って、フルーツを意味がわからないくらいドカ盛りにしたり。もしもこれを外で買うことになったらいくらになるんだろう? って思っちゃいましたね。

ーー早乙女さんのショート動画は社畜時代のエピソードを話題にしているものも多くて面白かったですが、実際にどのように働いていたのでしょうか?

早乙女:新人の頃に配属された部署が、もう本当にすべてうまくいっていないという部署だったんです。配属されたばかりの新人に対して、仕事の内容や流れについて話が普通あると思うんですが、その部署に配属されたときは部署そのものの悲惨さから説明が始まり、最後には「こういった環境に耐えられる人材だと判断されたので、みなさんはこの部署に配属されました」とハッキリ言われました。あのショート動画になっているような社畜時代は、そういうところから始まったんです。

ーーすごい環境ですね……。

早乙女:それに加えて体力があるというのも大きかったみたいです(笑)。でも、俺自身はあれが悲惨だったり変わったりしているとは思っていなかったんです。『イリクス学園』のスタッフや面々と話していて「それはやばいよ」と言われ、最近になってようやく知ったという。ただそれもまた面白いし、ショート動画にして投稿しています。

ーーそんな早乙女さんですが、初配信を1秒で閉じてしまうという大事件を起こしてしまいました。あの瞬間の心境を教えてもらえますか。

早乙女:1秒で配信を閉じた瞬間は、「あ、終わった……」と思いましたね。ここから先の活動は何をやってもダメになるかもなと。

 でもそこからは頭をフル回転させました。配信枠をもう一回作って、SNSにもいくつかポストしないといけないですし、その間に事務所のスタッフへ連絡して……。あの後にスタッフさんと話して「逆にそれがあったからこそ振り切れたんじゃない?」と話をされて、確かにそうかもと思いました。

 後で振り返ったとき、「こんなことしちゃったから、後の配信30分は振り切ってやろう」という気持ちだったかもしれないです。ここまでデカイ失敗をしたら、その後に何かミスをしてしまってもそれよりは軽いだろって思えるくらいの。そういう気持ちでした。

ーー活動はまだ始まったばかりですが、今後やってみたい配信などはありますか?

早乙女:配信に関しては、3Dビジュアルが出たらお料理配信やお菓子を作る配信とか、そういうのはやってみたいです。千影も話してましたが、リアルとバーチャルをシームレスに融合させていくことにも繋がるかと思いますし。それができるのが『イリクス学園』の強みになるのかなと思うし、そこには挑戦していきたいです。

千影丸:自分は3Dを初めから使わせてもらったので、例えばライブだったり、同じ熱量をリスナーと共有できる場所とかで、配信ができれば嬉しいなと思います。普段の配信で言えば、個人で開発しているインディーゲームにはすごく面白いものが多いので、誰も気づいていないようなゲームを見つけてプレイし、広めることができればすごく楽しいなと思います。

ーーいま現時点で成し遂げたい夢やゴールなどはありますか?

早乙女:大きな影響力がついてきたら、"早乙女燈真"ブランドのお菓子を全国で流通させたいですね。自分の好きなことや楽しいという気持ちを多くの人に届けたり、俺の場合は「美味しい」というところも、みんなと共有できれば嬉しい。そこは夢として頑張っていきたいと思っています。

ーーそれは単なるコラボグッズとして売るというよりも、大きな事業としてということでしょうか?

早乙女:そうです!そういうスケール感でやってみたいです。そのためにはここからかなり頑張らないとたどり着けないと思うので、頑張っていきたいと思います。

千影丸:バーチャルとリアルの絡みみたいなところはすごくやりたいところなので、技術的に超えなければいけないところも全然たくさんあってすごく時間がかかるとは思うんですが、リアルの生活の中で自分を頻繁に鑑賞してもらうみたいな、そういう大きなイメージは持っています。

 それはリスナーさんのスマホでもいいですし、リスナーさんがいらっしゃるバーチャル空間に自分が入ってみるというのもあるのかなと。もしも今後VRChatなどが普及すればそういったこともできるだろうし、大きなイベントを通してではなく、バーチャル空間で自分に常に会える環境を持っていたい。それは自分にとって一つの目標になっています。

資格取りまくり&タロット占いができる異色のVTuberたち……イリクス学園・瑞木ゆき&久遠星那が語る「デビューの裏側」

UUUMとAKA Virtualが共同で立ち上げた新VTuberプロジェクト『イリクス学園』。本記事では自身のプロフィールを中心…

■イベント情報
イリクス学園、初のリアルイベント開催が決定。
日程:2025年11月25日(火)
場所:RED° TOKYO TOWER
チケット情報などの詳細は、イリクス学園公式X(@irixacademy) にて順次お知らせします。

■関連リンク
《イリクス学園(公式)》
X:https://x.com/irixacademy
YouTube:https://www.youtube.com/@irixacademy
note:https://note.com/irixacademy/n/n427fa4cded83

《早乙女燈真》
X:https://x.com/SaotomeTouma
YouTube:https://www.youtube.com/@saotometouma
Twitch:https://www.twitch.tv/saotome_touma

《千影丸》
X:https://x.com/ChikageMaru0
YouTube:https://www.youtube.com/@ChikageMaru
Twitch:https://www.twitch.tv/chikage_maru

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる