カナル型に迫る音質を実現したQCYのイヤーカフ型イヤホン『QCY Crossky C30S』『QCY Crossky C50』 ボーカルの再現性はピカ一で、軽快な装着感が魅力

コスパ抜群なQCYのイヤーカフ型イヤホン

スタイリッシュなデザインになり、装着感もアップ 防水機能も備え、アクティブなシーンでの使用も便利に

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『QCY Crossky C50』はブラックとホワイトの2色をラインナップ。収納ケースの表面は梨地仕上げが施されていて滑りにくくなっている

 続いて、『QCY Crossky C50』を紹介したい。7月の上旬に発売されたばかりの新製品で、価格は『QCY Crossky C30S』と同じ6580円(税込)。ただし、形状や機能は異なり、こちらはどちらかと言えば、ファッションに重きを置いたようで、ユニットを繋ぐブリッジは細くなっているし、ブリッジ左右のユニットも小さくなって、全体的にスタイリッシュさが増したデザインとなっている。それは装着感にも表れていて、耳の後ろ側に来るパーツは円柱形となり、『QCY Crossky C30S』とはまた違う方法で、装着後のイヤホンのホールドに効果を持たせている。ブリッジが細いこともあって、装着している(挟まれている)という感触もほとんどなく、軽快な着け心地が得られるようになっている。『QCY Crossky C30S』よりも装着感は軽やかな印象だった。

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『QCY Crossky C50』のイヤホン部。耳の後ろのパーツがスクエアになっており、写真のように立たせることもできる
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『QCY Crossky C30S』(左)と『QCY Crossky C50』のイヤホン部。結構形状が違うことが分かる

 夏に発売された製品だからか(笑)、防水機能も充実していて、IPX5に準拠した性能を備えているので、まだまだ汗をかくような暑さが続く季節にあって、雨や汗に強いのは心強いもの。ワークアウトなどのアクティブなシーンや、アウトドアでの行動のお供に充分な相棒となるだろう。ちなみに、収納ケースの外装はこちらも梨地仕様になっていて、見た目の高級感と、手にした時の心地よい手触り感(滑りにくいという機能性もあり)がある。

 振動板や駆動ユニットなども強化されていて、駆動力はなんと40%も向上しているそうで、再生周波数帯域の下限となる20Hz近辺の低音の量感もアップしているという。音の歪みも一般的な製品よりも低くなっているので、クリアなサウンドの再生に効果を発揮してくれるだろう。

 その他では、AIを活用した風切り音低減技術の搭載、デュアルマイクビームフォーミングによる快適な通話品質、音漏れ防止機能(指向性音響構造)、イヤホン単体で約7.5時間、ケース併用で約35時間の長時間再生、10分の充電で最大2時間使える急速充電機能、マルチポイント対応(2台まで)、ゲームモード/空間オーディオ搭載などのフィーチャーを備えている。

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上質なBGMを一日中楽しみたい! そんな要望に応えてくれる頼りになる相棒

 ではさっそく製品レビューをお届けしよう。『QCY Crossky C50』の対応コーデックはSBCとAACなので、音質チェックについては主にAACで行っている。

 一聴して感じたのは、とても素直な鳴り方をするな、というもの。『QCY Crossky C30S』ではLDACをサポートしていることもあって、“聴くぞ”と意気込んでいたのだが、こちらはちょっと聴いてみましょうか、という軽い感じでさまざまな楽曲を再生してみたところ、低域から高域まで特定の帯域が強調されることなくフラットに再現してくれるし、音空間の広さや、ボーカルのニュアンスまで自然な音色で聴かせてくれた。中でもボーカルの再現は良好で、『QCY Crossky C30S』よりも歌声が近くに感じられるので、推しのアーティストの楽曲を存分に楽しみたいというユーザーにはおススメできる。軽やかな装着感で素直な音色が楽しめることもあり、上質な音楽をBGM感覚で一日中味わう、という使い方に向いていると思う。

 『QCY Crossky C50』では、アプリの項目に一部変更があり、「空間オーディオ」が、音声モード(ロック、ポップなど)の中の一項目となっている。『QCY Crossky C30S』では切り替える度に音声(楽曲)が途切れていたが、こちらでは途切れることなくスムーズにモードの変更ができて便利。モードをちゃかちゃかと変えながら、好みや効果を選びやすくなったのは特筆できる。効果自体も『QCY Crossky C30S』よりも精度が上がっているようで、音空間が上方に拡大する様がスムーズに聴き取れるようになった。音楽、動画どちらでも効果が高く、『QCY Crossky C30S』では少しクセを感じた動画コンテンツへの適用でも、背景音が拡大する様子が分かって、よりその世界観(映像の中)に没入していけるような感覚が得られることから、『QCY Crossky C30S』よりも動画への対応力は高いように感じた。

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『QCY Crossky C50』のアプリ画面。「空間オーディオ」の項目が音声モードの中に組み込まれているのが分かる

 総じれば、音楽を上質なサウンドでじっくりと楽しみたいユーザーには『QCY Crossky C30S』を、心地よいサウンドと軽快な装着感で一日中好きな音楽を楽しみたいユーザー、そして、動画コンテンツをたくさん見るユーザーには『QCY Crossky C50』がおススメできる。

●参考情報

製品名:イヤーカフ型ワイヤレスイヤフォン
型名:『QCY Crossky C30S』
価格:6,580円(税込)

型名:『QCY Crossky C50』
価格:6,580円(税込)
https://qcyjapan.com/

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