まるで魔法の望遠カメラ? ファーウェイの最新スマホ『Pura 80 Ultra』のカメラは異次元級

数年前まではアップルやサムスンと並ぶハイエンドなスマートフォンを世界中で販売していたファーウェイ。今では日本でもあまり知られない存在になっているが、実は海外ではものすごいカメラを搭載したモデルを販売している。今回紹介する『Pura 80 Ultra』は世界初の望遠カメラ機構を搭載、本格的なデジカメを凌ぐ写真や動画の撮影もできる製品だ。
一度見たら忘れられない「トライアングル・デザイン」
『Pura 80 Ultra』はアップルなら『iPhone 16 Pro Max』、サムスンなら『Galaxy S25 Ultra』のように、最高性能を搭載したファーウェイのスマートフォンだ。6.8インチのディスプレイは3000nitsと輝度も高く、屋外での視野性にも優れている。なおアジアやヨーロッパなどではグローバルモデル、中国では中国モデルが発売される。両者の違いはOSとバッテリー容量。グローバルモデルはAndroidベースのEMUIを搭載、グーグルサービスもアプリ経由で使うことができる。

本体カラーも特徴的で、代表色はゴールド。いかにも中国メーカーらしい色合いだが、意外にも派手さよりも高級感を感じさせる仕上がりとなっている。そして他のスマートフォンと大きく異なるのがカメラ周りのデザインだ。3つのカメラを三角形の頂点に配置する「トライアングルデザイン」を採用し、一目見れば「これはどこのスマホだろう?」と誰もが気になる外観に仕上げられている。

横から見るとカメラ部分は数段階に出っ張っていることがわかる。高性能なカメラを搭載していることがここからもわかるだろう。またグローバルモデルは5170mAh、中国モデルは5700mmAhのバッテリーを内蔵する。バッテリーそのもののサイズは同一なので、本体の大きさは変わらない。サイズは163 x 76.1 x 8.3mm、235gだ。

本体のカラーバリエーションには、もう1色としてブラックも用意されている。光沢感のある表面仕上げが施され、カメラレンズの周囲にはゴールドの装飾があしらわれている。落ち着いた色合いながらも、上質で高級感あふれる外観に仕上がっている。

『Pura 80 Ultra』という製品名からわかるように、Ultra以外のモデルもラインナップされている。カメラ性能を若干落とした『Pura 80 Pro』と、ベーシックな性能に押さえた『Pura 80』の2モデルも同時に発表された。このうち『Pura 80 Pro』のレッドモデルは、『Pura 80 Ultra』とデザインテイストや本体仕上げを同等にしており、これもまた中国らしい色合いかつ高級さを感じさせる。ファーウェイのフラッグシップモデルは本体性能だけではなく外観にも力を入れているのだ。

このようにトライアングル・デザインを重視する姿勢は、発表会でも確認できた。2025年7月にバンコクで開催された発表会会場では、天井など随所に三角形のライティングが配置され、トライアングル=Pura 80というブランドのアイコニックなデザインコンセプトを強調していた。

異次元カメラを使ってみた
『Pura 80 Ultra』のカメラが異次元クラスであるのにはしっかりとした理由がある。3つのカメラどれもが高性能なのだ。広角カメラは5000万画素で、センサーサイズは1インチ。スマートフォンとして最高クラスの性能だ。またデジタルカメラのレンズのように、絞りを手動で変更できる可変絞りも搭載する。また高度なAIとマルチスペクトルセンサーが色再現とホワイトバランスを自動調整し、複雑な照明環境でも自然な色味を表現できる。

超広角カメラも4000万画素と画質が高く、暗所などでも美しい撮影が可能だ。そして5000万画素の望遠カメラは世界初の機構を持つ。レンズ部分をよく見ると、2つのレンズに分かれていることがわかるだろう。1つのカメラセンサー上で、プリズムがスライドすることで3.7倍と9.4倍の2つの望遠を切り替えて使えるのだ。これによりポートレートから遠距離撮影までを全てカバーできる。

複雑な証明環境の代表例と言えば、ライブ会場やナイトショーなど、全体が暗い中でステージに立つ演者のみにスポットライトが当てられるシーンがある。『Pura 80 Ultra』を使えば1倍だけではなく、10倍程度までの中距離望遠でもステージ上の人物をしっかりと撮影してくれる。フラッシュも不要であり、デジタルカメラでも難しいシチュエーションでも『Pura 80 Ultra』は苦もなく撮影できるのだ。

実際にカメラを切り替えて撮影してみた。場所はタイ・バンコクのショッピングモールだ。あいにくの小雨模様だったが、超広角カメラを使っても風景全体がどんよりとしてしまうことも無く、明るく撮影できる。

広角カメラ、1倍での撮影は、曇り空の中でも雲の状態を表現できている。また円形の建物の窓などもシャープな仕上がりだ。

望遠に切り替えてみた。3.7倍での撮影もボケやゆがみがなく、葉の緑色の表現も美しい。

望遠の切り替えは実際は3.7倍の上は10倍となる。デジタルズームではないためこちらもディテールの表現は十分だ。

ではさらなる高倍率はどうだろうか? 10倍から上はデジタルズームとなる。またAI補正も10倍以上ではより強くなる。遠くにある垂れ幕を撮影してみたが、細かい文字はつぶれずしっかりと撮れていることがわかる。スマートフォンの高倍率撮影はあまり見られない絵が撮れることがあるが、これなら十分実用的だ。

そして一気に100倍で撮ってみた。さすがに文字のエッジ形状がやや不自然であり、AIがかなりの補正をしていることがわかるものの、スマートフォンの画面で見る分には十分だろう。データ記録用として撮影する場合も使えそうだ。

ファーウェイは日本ではスマートウォッチなどウェアラブルデバイスのみを販売中で、スマートフォンの展開予定はいまのところない。そのためこの『Pura 80 Ultra』も日本で販売されることはないようだ。しかし今後状況が変われば日本でスマートフォンを出すことがあるかもしれない。『Pura 80 Ultra』のような高性能なカメラを搭載するスマートフォンを今でも送り出すことができるほどの高い技術力を持つファーウェイ、今後の展開に期待したい。
























