折りたたみスマホの概念を変える『Galaxy Z Flip7』&『Galaxy Z Fold7』の実力を専門家がレビュー

『Galaxy Z Flip7』『Galaxy Z Fold7』評

 サムスンの最新スマートフォン『Galaxy Z Flip7』と『Galaxy Z Fold7』は画面を折りたたむことのできるタイプのスマートフォン。これまでの折りたたみスマートフォンの常識を覆す激薄サイズの筐体をニューヨークで開催された新製品発表会「Galaxy Unpacked」でチェック。ブルックリンの街でカメラテストもおこなったのでレポートをお届けしよう。

閉じたまま「手のひらスマホ」になる『Galaxy Z Flip7』

 『Galaxy Z Flip7』は本体を縦に折りたたむタイプで、カラーはジェットブラック、ブルーシャドウ、コーラルレッド、ミントの4色。今回はミントカラーはサムスンのオンライン限定販売色となる。今回はこのミントカラーのモデルを使って気になるポイントをご紹介したい。

『Galaxy Z Flip7』の4色カラー

 『Galaxy Z Flip7』本体をたたむと85.5 x 75.2 x 13.7mmと手の平に収まる大きさになる。この厚みは縦折りスマートフォンとしては現在、最薄サイズ。なお、縦に折りたたむスマートフォンは最近は「フリップ型」と呼ぶことも多い。閉じた状態でも使える4.1インチの外画面を搭載しており、本体のヒンジはある程度好みの位置で止めておくことができる。そのためデスク時計のような使い方も可能だ。

閉じても使える外画面(カバー画面)を搭載

 この外画面から電話をかけたりカメラを使うこともできるなど、『Galaxy Z Flip』は本体を閉じたままでもある程度の操作が可能となっている。電話がかかってきてもカバンから取り出してそのまま通話。またSNSや動画アプリも動くため、本体をL字型、あるいは逆向きの「ハ」の字型に置いて動画視聴もできる。

外画面ではアプリも動く

 ちょっとした調べ物があれば、最近流行りのAIサービスを使って「この付近に1000円以下で食べられるランチのお店を教えて」なんて質問もできる。お店を検索したらそのまま地図を開いてもいい。最近のスマートフォンはとにかくサイズが大型化しているが、『Galaxy Z Flip7』ならコンパクトサイズのミニスマートフォンとして十分使えるのである。

本体を開かずとも多彩な機能が使用可能だ

 カメラは5000万画素の広角と1200万画素の超広角を搭載している。一般的なスマートフォンと異なり『Galaxy Z Flip7』はこの高画質なカメラで自撮りも他撮りもできるのだ。先ほど書いたようにL字型、ハの字型どちらの向きに置いてもカメラが使えるので三脚は不要。さらに画面に向かって手のひらを向けるとセルフタイマーシャッターで写真や動画が撮れる。カメラの使い勝手も『Galaxy Z Flip7』は優れている。

カメラの使い勝手はかなり良好だ

 フリップ型スマートフォンならではの楽しいカメラがムービーモードと呼ばれる使い方。本体をL字にして横向きに持てば、昔のハンディーカムレコーダーのような感覚で撮影ができる。なお写真を見ればわかるように、外画面にも撮影プレビューを表示できるので、被写体の人が自分がどんな姿で写っているかを確認しながら撮影もできるのだ。

ハンディムービー風に動画撮影で使える

 本体を開けば6.9インチの画面が現れる。この状態では普通のスマートフォンとして使えるわけだ。画面上部には1000万画素のフロントカメラがあるが、自撮りするなら本体を閉じて外側のメインカメラを使ったほうがいいだろう。

本体を開いたところ

 画面の縦横比は21:9で、普通のスマートフォンよりもワイドサイズだ。そのため動画とSNSを同時に表示して、感想をタイムラインに書き込む、といった2つのアプリの同時利用も楽にできる。

2種のアプリの同時展開も可能

 本体を開いたときのサイズは166.7 x 75.2 x 6.5mm、重量は187g。ヒンジの開閉はスムーズで、海外のSNSを見ると本体をクリップのようにして洋服のポケットに挟む、なんて持ち方をしている人もいる模様。普通のスマートフォンはどれも似たようなデザインの製品が多い中、フリップ型スマートフォンで人とは違うスタイルに挑戦してみるのもいいだろう。もちろん見た目だけではなく使い勝手も高い。

もちろんノーマルなスマートフォンとして使っていてもOKだ

革命的な薄さの『Galaxy Z Fold7』

 もうひとつの『Galaxy Z Fold7』は本体を横向きに開くスマートフォン。写真を見てほしいがこの外観から折りたたみスマートフォンであると分かる人はいるだろうか? 本体を閉じたときの大きさは158.4 x 72.8 x 8.9mm、重量は215g。このサイズ感は普通のスマートフォンと変わらない。

一見すると折りたたみスマートフォンには見えない『Galaxy Z Fold7』

 本体カラーはブルーシャドウ。ジェットブラック、シルバーシャドウ、ミントの4色。『Galaxy Z Flip7』同様、ミントカラーはサムスンオンライン販売限定色。

4色のカラーバリエーション

 本体を開いたときの大きさは158.4 x 143.2 x 4.2mm。4mmほどの厚みとなると、本体下部のUSB端子がギリギリ収まるほどだ。折りたたみスマートフォンのことをなんとなく聞いたことがある人も、ここまで薄い製品は見たことないだろう。

開くと4.2mmしか厚みはない

 本体を開くと8インチのほぼ正方形の画面が現れる。この大きな画面は写真や動画を見るのにも適している。ちなみにカメラは広角が2億画素と超高画質であり、細かい部分もしっかり描写してくれる。それに加えて1200万画素の超広角、1000万画素の3倍望遠カメラを搭載する。画面サイズが大きいため写真や動画の編集も楽に行えるので、最近のスマートフォンでは一般的な機能になりつつある写真の不要物を消す操作も簡単だ。『Galaxy Z Fold7』、『Galaxy Z Flip7』はAIが不要物をワンタッチで選んでくれるので写真加工も楽に行える。他にもショート動画の編集も大きな画面ならやりやすい。

写真の加工も大画面で楽に操作できる

 2種のアプリを並べて使うこともできる。2つのスマートフォンを並べたようなサイズになるので、地図と検索、写真とSNSなどなど、複数操作を同時にしたいときにも便利だ。

2つのスマホを並べたようにアプリを同時利用可能

『Galaxy Z Fold7』でブルックリンの街を撮影

 発表会はニューヨーク・ブリックリンのとあるイベント会場で行われた。発表会後は『Galaxy Z Fold7』を手にブルックリンの街を歩くことができたので、いくつか撮影してみた。

発表会直後、パーティーが開かれた会場
発表会会場からイースト川を望む
上の写真の遠くにある橋をデジタル30倍望遠で。SNSにアップする用途なら十分か
会場を出てブルックリンの街中を歩く
古い建物を使った雰囲気のいいお店も美麗に
ボケ味を利かせた写真も美しい
スーパーに整然と並ぶ調味料
夕食に食べたサーモン。シズル感ある写真も手軽に
夜のライトもつぶれず綺麗に写せるので夜景撮影にもピッタリ

折りたたみスマホの理想形か、割り切りの産物か『Galaxy Z Fold7』をどう見る?

Samsungの最新フォルダブルスマートフォン『Galaxy Z Fold7(SIMフリーモデル)』が、2025年8月1日に発売…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる