エモいアイコンを背面表示、生まれ変わったデザインスマホ『Nothing Phone (3)』に触れて分かったこと

生まれ変わった『Nothing Phone (3)』

 コンシューマー・テクノロジー・ブランドのNothingは7月1日(現地時間)にロンドンで『Nothing Phone (3)』と『headphone (1)』を発表した。デザインにフォーカスした製品を送り出すNothingの最新スマホはちょっとしたレトロ感も感じさせる、新しい機能を搭載している。

美しさに磨きをかけた『Nothing Phone (3)』

 「Nothing Phone」の名前を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。クリア素材で内部が見える構造に縦横の等間隔なクロスラインを施した背面は、他のスマートフォンにはない独自性と美的完成度を感じさせる仕上がりとなっている。また所々に配置された円形のパーツはカメラやボタンであり、不規則にも見える並びが遊び心を感じさせてくれる。

美しいデザインが大きな特徴。

 本体カラーはホワイトとブラック。同じ透明素材のボディーながら、外観の印象は大きく異なっている。シンプルなモノトーン仕上げのボディーの中に見えるネジやパーツは、「Nothing Phone」がIT製品であることを強く印象づけてくれる。

こちらはブラックモデル。

 OSはAndroid 15をベースにした独自ユーザーインターフェースを持つNothing OS 3.5を搭載する。タイル状のウィジェットは実用性と見た目の良さを両立しており、毎日使うことが楽しくなるだろう。アイコン表示が標準でモノクロなど細部にまでシンプルさが追求されており、こうしたデザインがミニマルな美学を表現している。

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独特なユーザーインターフェースのNothing OS。

 ギャラリーアプリは写真を「作品」として見せる工夫がされている。Nothing Phoneはこれまでのモデル全てに背面ライトが搭載されており、「光るスマホ」としても知られてきた。しかし外観だけではなくNothing OSの使い勝手もまた、日々の利用を快適で飽きのこないものにしているのだ。

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OS全体の使い勝手も高い。

 ここまでデザインやOSの話をしてきたが、『Nothing Phone (3)』はスマートフォンとしての性能もすぐれている。チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 8s Gen 4」を搭載、性能はフラッグシップクラスだ。またカメラは5000万画素を3つと、贅沢な組み合わせになっている。広角、超広角、3倍望遠、いずれのカメラでも高画質な写真や動画が撮影できるのだ。それに加えてフロントカメラも5000万画素と画質は高い。バッテリーは5150mAhで65Wの急速充電対応、またワイヤレス充電も可能だ。

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5000万画素カメラを3つも搭載している。

ミニマルデザインの中に遊び心、ドットディスプレイ「Glyph Matrix」が楽しい

 『Nothing Phone (3)』はパーツ類の並びに法則性も見られる。底面にはUSB端子やSIMカードスロットの中心線が横に揃っている。背面のラインは等間隔に並んでおり、一方でカメラなどのパーツは円形に揃えられている。

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美しくそろえられたデザイン。

 さて、『Nothing Phone (3)』の背面を見て、ちょっと気になる点がないだろうか? 本体の右上の丸い部分に何かしらドット絵のようなものが表示されている場合がある。これは『Nothing Phone (3)』から搭載された「Glyph  Matrix」と呼ばれるドット表示のディスプレイだ。ここには通知などを表示できるほか、「Glyph Toys」と呼ばれるドット表示のウィジェットや簡単なゲームが利用できる。背面の右端、中央部あたりに見える丸いパーツが実は「Glyph Button」というタッチボタンで、これを指先でタッチすると円形ディスプレイに表示されるGlyph Toysが本体にインストールされている順番に入れ替わる。

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右上のドットディスプレイが「Glyph  Matrix」、右下に見える丸いボタンが「Glyph Button」。

 標準では時計、ストップウォッチ、日時計など実用的なものから、瓶回し、じゃんけんなど仲間内で楽しめる簡単なゲームが内蔵されている。またソフトウェア開発キットも無料で公開されているため、個人でGlyph Toysのアプリを作ることも可能だ。

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じゃんけんゲーム。シンプルなのに楽しい。

 ミラーアプリでは自分の顔をドット絵で表示もできる。意外とそれっぽく見えるのも面白い。昭和的なレトロ感を最新のデザイン端末で味わえるミスマッチが新鮮な感覚だ。

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顔をドット絵で表示。

 前述したように「Nothing Phone」はこれまで背面にLEDライトを内蔵し、通知などでライトが光る「Glyph Interface」を製品の最大の特徴としていた。しかし『Nothing Phone (3)』ではライトが廃止され、このGlyphマトリックス=ドットアイコンを新たなシンボルにしようとしている。

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ドットアイコンが『Nothing Phone (3)』のシンボルだ。

 なお『Nothing Phone (3)』を持っていなくても、Nothingが公開している「Glyph Mirror」というWEBサービスを使えば、スマートフォンやPCのカメラを使って自分の顔をドット化できる。どんな具合になるか、試してみるのもいいだろう。ちなみに下の写真は筆者の顔写真。拡大するとよくわからないが、小さな表示だとそれなりに見える。

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自分の顔をドット表示できる。

操作もしやすいヘッドフォン、『headphone (1)』

 もうひとつの新製品は、クローズド型のヘッドフォン『headphone (1)』だ。クローズド型のヘッドフォンはそれこそ多くの製品が販売されているが、Nothingはこのヘッドフォンにもミニマルなデザインを採用し、クリア素材の下に見えるパーツが独自のモダンさを強調している。本体カラーはホワイトとブラックだ。

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透明パーツなど『Nothing Phone (3)』と共通のデザインテイスト。

 本体操作はボタンだけで、タッチパネルは搭載していない。タッチ操作は操作ミスや動作不良などが多発し、音楽を聴いている最中にイライラしてしまうこともある。物理的なボタンなら指先で確実に操作できるため、音量調節などもストレスなく扱える。

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ボタン操作は誤操作がない。

 Nothingはこれまでスマートフォンを6機種販売してきた。そのうち1機種はハイエンドモデルだったが、今回の『Nothing Phone (3)』はそれを上回る高スペックな製品だ。そして『headphone (1)』はクローズド型かつAI呼び出しボタンを備えるなど、こちらも歴代のNothingのヘッドフォン製品の中で最上位に位置するモデルとなる。高性能+高デザインの両製品、Nothingによると今年の夏には日本での展開に関する情報がアナウンスされるとのことだ。

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Nothing新時代を予感させる製品となっている。

 

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