ゲーム音楽のその先へ――『スマブラ』メインテーマでも知られる坂本英城が辿った“野良育ち”からのクロニクル、そして語られる驚愕のイヤホンとの出会い

『龍が如く』に『討鬼伝』、『ポケモン不思議のダンジョン』に『文豪とアルケミスト』。そして『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』……。作曲家でありサウンドプロデューサーでもある坂本英城は、ハードやジャンル、さらにはゲーム会社の垣根を越えてラブコールを受け続けている。直近では『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』(2024年11月7日発売)のサウンドも制作しており、昨今のゲーム音楽を語る上で欠かせない人物のひとりだ。
今回のインタビューでは、同氏のこれまでの歩みを振り返るとともに、これからのクリエイティビティについて話を聞いた。ゲーム音楽の、そしてその作家性が秘めるポテンシャルとは。様々なカルチャーからヒントを得る坂本氏だからこそ見えるコンポーザーの景色に迫る。
また、イヤホンメーカー『qdc(キューディーシー)』の大人気モデル『SUPERIOR(スーペリア)』、およびドイツのヘッドホンブランド・ULTRASONEの最新モデル『Signature FUSION Open Back』の使用感についてもレビューしてもらった。(Yuki Kawasaki)
クラシックを入口に、『E.T.』サントラに衝撃を受けた少年時代の音楽体験
――Siliconeraの『龍が如く2』のインタビューで、坂本さんはご自身について「和声やメロディを重視する傾向にあります」と仰っています。その一方、同作の「Slyboots」などを聴くとリズムにも多彩なアイデアをお持ちなのではと感じます。これらの着想はどこから来ているのでしょう?「Tracker」はちょっとThe Prodigyっぽい印象を受けました。
坂本英城(以下、坂本):そのへんはもう昔から大好きですね。The Chemical Brothersとかも聴いてました。20代〜30代ぐらいの頃は、特にその手の音楽が好きでしたね。レイヴミュージックだけでなく、90年代の音楽が特に好みなんですよ。作りは今でも参考にしていて、サンプリングのやり方などは彼らから学んだところが大きいです。ドラムを録っておいて、あとでメチャクチャに組み合わせて面白い曲を作るっていう。
―― 『龍が如く2』は2006年12月リリースなので、90年代の音楽はインスピレーションとしてある程度の時を越えたことになります。本作でなぜこの手のジャンルを採用しようと考えたのでしょう?
坂本:僕は「龍が如く」シリーズに2作目から参加したので、1作目の流れを汲みたかったんです。シリーズの最初期から関わってらっしゃる庄司英徳さんがロックが得意なコンポーザーで、バトルBGMなんかは激しめなギターが鳴らされています。その世界観を崩さないように、なおかつ自分の強みをいかそうと考えた結果、The Chemical BrothersとかThe Prodigyっぽくなったんだと思います。

――『龍が如く2』で武骨なサウンドを制作された一方、続く『龍が如く3』では「きっとChange myself ~Starring☆遥~」でアイドルポップを実践されています。このレンジの広さこそ、坂本さんの凄みかと感じます。
坂本:僕の場合、作曲家を目指してフリーランスになり、そのまま会社を立ち上げたんですね。どこかの名のある会社に属していたわけでもなく、音大出身でもない。野良育ちなもので、「この仕事はできません」とか言ってる場合じゃなかった。ロックにもジャズにも対応しなければなりませんでしたし、僕はそもそもジャンルに関わらずいろいろな音楽が好きでした。自分の芯がしっかり表現できればジャンルに固執しなくていいんじゃないかと思っていて。むしろ変に色が付いちゃうと、そういう曲の依頼しか来なくなるんじゃないかという懸念もあります。自然体でいろいろな楽曲を作り分けたいとも考えてるんですが、ある程度戦略的に何でもやっているところはあると思います。
――リスナーとしても幅広くいろいろな音楽を聴かれていたのですか?
坂本:そうですね。最初の入り口はクラシックでしたが、その後に映画音楽にハマるんですよ。親と映画館へ『E.T.』を観に行ったんですけど、子供ながらに“とんでもない音楽を聴いてしまった……!”と思いました。そこからレンタルでジョン・ウィリアムズの作品を聴くようになります。彼が作ったサウンドトラックを辿りながら、逐一衝撃を受けてましたね。それまでクラシックしか聴いてなかった自分にとって、驚きの連続でした。こんなに音がぶつかってるのに成立していて、なおかつそれがカッコイイっていう。

――その特徴は坂本さんが作る楽曲にも言えるように思います。『討鬼伝 極』(2014年発売)の楽曲では、「ウタカタ・秋艶」が個人的には一番好きです。あの曲にはピアノや尺八、あるいは箏が同時に鳴らされるパートがあって、まさにメロディがぶつかっているようにも感じます。
坂本:レコーディングのとき、演奏者の方から本当によく言われるのが「楽譜が間違っています」ということでして(笑)。その都度「いや合ってます」と説明するのですが、遠くでぶつかっていようが近くでぶつかっていようが、僕としては心地よければそれでいいと思っています。音大や音楽の教科書的な理論ではそういうのは全部NGとされるんですが、むしろそういうルールから外れることもできるのが音楽の良さだとも思うんですね。だから最近は、最初の段階で「安心してください。楽譜は合ってます」とお伝えすることにしました(笑)。
坂本:もちろん限度というか、ルールから外れることが目的にはなりませんけどね。外れ方を具体的に説明すると、基本和声でいう「ドミソ」があったら「ド」と「ソ」は固定で「ミ」だけ半音ずらすとか。そうするとメロディとぶつかったり、メロディに当たらなくてもハモリとかち合ったりするんです。基本としてはそれを回避しようとするんですが、直さないほうがいい場合もある。これはやはり感覚の世界であって理論ではないので、ケースバイケースですね。
――やってみないと分からないと。現場の苦労が多そうですね。
坂本:『討鬼伝』は特に難しかったんです。僕が苦労するのはそういう整合性をどう取るかよりも、曲調をいかに作品に合わせるかなんですね。本作の舞台は日本なので、音楽の世界観もそれに倣わないといけない。しかし当時、僕なりに曲だけで日本を表現しようとしたのですが、どうしてもオーケストラ、すなわち西洋っぽくなってしまっていると言われたんですね。なので解決策として、『討鬼伝』の音楽では楽器を固定しようという話になりました。琴や尺八、琵琶などの和楽器をすべての楽曲で使うことによって日本を表現しようと。ケルト音楽などの場合はスケール(音階)だけで表現できたりするんですけど。
――たしかに! バグパイプのようなケルト系の楽器が使われてなくともそれと分かるような気がします。スケールで世界観を表現するというのは、ゲーム音楽の作家さんならではのセンスのように感じます。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(2018年発売)のメインテーマ「命の灯火」もスケールが印象的でした。
坂本:あんまり乱暴なことを言うと怒られるかもしれませんが、ゲーム音楽が好きな人は基本的にスケールが好きな傾向にあると思うんです(笑)。
――仰る通りではないでしょうか(笑)。あの“王道感”は最高ですよ。「命の灯火」のアレンジはメインメニューでも流れますが、プレーヤーとしてのスイッチが入る感覚があります。
坂本:メインテーマが難しいのは、発注がどれも結構似てるところなんです。必ず言われるのが、まさに「王道感があって、多くの人が一度聴いたら忘れないメロディ」ということ。その作り分けが非常に難しいので、プロットや設定を読み込むのがすごく大事なんですね。
――そういえば、「スマブラ」シリーズでディレクターを務める桜井政博さんも『討鬼伝』の音楽がお好きだと聞いたことがあります。
坂本:そうなんですよ。『討鬼伝』の音楽を気に入ってもらえて、当時最も格式の高かったゲーム音楽のコンサート『PRESS START』に呼んでいただいたんです。2006年から2015年にかけて毎年1回開催されていたコンサートで、全10公演の9回目に『討鬼伝』の音楽を採用してくださって。『PRESS START』にはずっと出たかったので、本当にうれしかったですね。「スマブラ」シリーズに関しては『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』(2014年発売)でもステージBGMの編曲をやらせてもらったりと、「SPECIAL」の前からシリーズには関わらせていただいておりました。
――桜井さんから具体的に「坂本さんが作る音楽のここが好き!」的なことって言われたことはありますか?
坂本:どこなんでしょうね……。そういった言葉でいただいたことはないかもしれません(笑)。しかしそれに異論があるかというとそうでもなく、桜井さんの中には明確なビジョンがあるんですよ。そこから外れるものに「違う」と言えるのが、素晴らしいディレクターだと思います。何曲か聴いて判断するのでなく、極力ミニマルな修正で済むような指示をくれます。作者としてもそのほうがありがたくて、桜井さんが構えるキャッチャーミットのど真ん中にボールを投げられるかどうか。その確実なイメージをキャッチアップできるかが重要ですね。そこにボールがハマったときはめちゃくちゃ褒めてくれます。

――坂本さんのこれまでを振り返ると、オルタナティブと王道を同時に追求されていたように思います。そのうえで、オリエンタルやケルトのような異なるカルチャーからヒントを得て作品として成立させる。これはゲーム音楽だけでなく、昨今のクリエイティビティにとって非常に重要なのではないかという実感があります。
坂本:実際その通りで、最近はゲームのサウンドを作る技術にいろいろな方が注目してくださっているんです。ゲーム業界ではない企業、たとえば自動車とか医療とか、建築を生業としている会社さんからたくさん問い合わせがあって、そういった方々にサウンドを提供するのがめちゃくちゃ楽しいんですよ。少し前までのゲーム音楽って、映画音楽などに比べるとやや下に見られることが多かったのですが、認識が変わってきていると感じます。他にも没入型の体験イベントなどで自分が立っている位置に応じて鳥があとを付いてくるとか、インタラクティブなサウンドデザインってゲーム音楽が得意なことなんですね。自分がこれまでやってきたことが広く受け入れられるというのは本当にうれしいですし、50歳を過ぎてもチャレンジできる場があるのは運が良かったとも思います。ゲームってプレイヤーを喜ばせるっていう枠をなかなか越えられなかったんですけど、その技術を活かせるなら世界中のより多くの人を幸せにできるかもしれない。医療と協業できれば、人の命を救うことだってあり得るわけですからね。
坂本英城が驚いた「とんでもないイヤホン」との出会い

――さて、ここからはオーディオ機器についてお聞きできればと思います。まずはドイツのヘッドホンブランド・ULTRASONEの最新モデル『Signature FUSION Open Back』についてお伺いしたいです。低音に強みがある製品ですが、ローの感触などいかがでしょうか?
坂本:いろいろなジャンルの音楽を聴かせてもらいました。まず前提として、オーケストラで演奏された音楽を忠実に再現するオーディオ機器が優れた製品かというと、必ずしもそうでもない。ライブがヘッドホンと最も異なるのは、お腹を震わせるとか肉体的に著しい干渉をしてくることだと思います。その点をヘッドホンでは再現できない。アーティストの収録をしていても、そのシンガーから発せられる歌声がマイクを介してフィルタリングされ、そのあとにエンジニアによって加工される。だから自分が好きな音楽を求めるときには、自分が作り手じゃないと難しいんですね。その点で、リスナーとしてはクリエイターかそうでないかで大きく評価が分かれる場合がある。このヘッドホンは個性が強く、低域に音が寄っているので、作り手としてモニタリングする際にはやや不向きかなと感じました。

――曲を作る際にはもっとフラットさが必要ということですね。
坂本:そうですね。一方で、このヘッドホンはリスナーの楽しさを引き出してくれる製品だと思います。個人的に、一番聴いていて気持ち良かったのはオーケストラですね。特に映画音楽のように派手なもの。低域もシンバルもガッシャンガッシャン鳴るので、迫力が凄いです。なかなか聴き分けられない低い音・低い弦、トロンボーンやコントラバス、ティンパニなどの分離も良く、楽器の少ない編成で聴くよりも、オーケストラのような大勢が関わる音楽の魅力を引き出してくれそうな印象を持ちました。

――「qdc(キューディーシー)」のイヤホン『SUPERIOR(スーペリア)』の使用感についてもお伺いしたいです。
坂本:これは以前このインタビューシリーズに出てらっしゃった光田(康典)さんも仰ってたことですけど、とんでもないイヤホンですよね。本当に素晴らしい製品だと思います。先ほど「作り手かそうでないかで評価が分かれる場合がある」と言いましたが、このイヤホンはどちらの観点からも非常に優れているように感じました。変な癖もなく、イコライザも過度なものがない。あまりにも完成度が高いので価格を見て不安になりましたよ……。むしろそういう層もいるから値段を上げたほうが売れるんじゃないですかね(笑)。それぐらいビックリしました。

――自分も使っておりますが、人に説明する時に凄さを実感する製品ですよね。あらためて「こいつ凄いな……」と内心思うといいますか(笑)。
坂本:本当ですよね。耳に装着したときのフィット感もいいですし。個人差があるので一概には言えないかもしれませんが、長時間装着していても疲れないです。遮音性能も高いですし、個人的にはちゃんとオーダーメイドまでしたいぐらいです。制作にも使えると思いますので。

――たしかにこのストレスの少なさは作業にも向いているかもしれません。
坂本:楽曲制作って1日に数時間、ものによっては十時間以上も同じ場所で向き合い続けなくてはならないので、外すのを忘れるぐらいのフィット感だとむしろうれしいんですよね。基本的に、制作用のイヤホンはすべての帯域をフラットに出力してくれないと、完成品を聴いたときにどこかの音域が膨らんでしまう場合があるんです。そのバランスもこの製品は優れているので、同業者にも薦めたいぐらいですよ。制作もリスニングも両方いけるオールラウンダーというのは本当に珍しいと思います。
――リスナー側からの質問として、強いて言えばどういったジャンルが得意そうですか?
坂本:先ほどのヘッドホンはビッグバンドやオーケストラと申し上げたのですが、こちらは逆ですかね。少人数の編成だと、演奏が“見える”んじゃないかと思います。ジャズとか……。でも、強いて言うのも難しいぐらい何でもイケる気がしますね。ひねり出して申し上げると、さらに安心感のあるケーブルだとうれしいです。そうなれば本当にもっと値段を上げてもいいと思います(笑)。

■製品情報
ULTRASONE『Signature FUSION Open Back』
ドライバー:45mmチタンプレイテッドマイラーン
型式:開放ダイナミック型ヘッドホン
再生周波数帯域:8 – 40,000 Hz
出力音圧レベル:98dB
インピーダンス:32Ω
コネクター:3.5mm 4極スクリューロック式
付属品:3m着脱式ストレートケーブル6.3mmプラグ(ストレート)、1.2m着脱式ストレートケーブル3.5mmプラグ(ストレート)、1.4m着脱式ストレートケーブル4.4mmバランスプラグ(ストレート)、イヤーパッド(装着済み)、Signatureキャリングケース
生産国:ドイツ
保証期間:2年
[ULT-SIG-FUSION-OB]
価格:税込み55,000円
ULTRASONE 製品ページhttps://www.aiuto-jp.co.jp/products/maker_65.php
■製品情報
qdc『SUPERIOR』
ドライバー:ダイナミック型(10mm径シングルフルレンジ)
ドライバー数:1DD / 1ドライバー(片側)
形式:密閉型
周波数応答範囲:10 – 40,000Hz
入力感度:100dB SPL/mW
インピーダンス:16Ω外音遮断:26dB
ケーブル/プラグ:高純度無酸素銅4芯ケーブル(約120cm)※ブラックカラーPVC被膜使用。
コネクター:カスタムIEM 2pin、プラグ(金属スリーブ使用ストレート):3.5mm3極
付属品:SUPERIOR Cable 3.5mm3極アンバランス、ソフトフィットシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)、 ダブルフランジシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)、クリーニングツール、オリジナルキャリングケース
生産国:中国
メーカー保証:本体1年 / ケーブル・付属品6ヶ月
〈品名・JAN・型番・希望小売価格〉
『SUPERIOR Piano Black』
JAN:4549325070078
型番:QDC-SUPERIOR-BK
希望小売価格:税込14,300円
『SUPERIOR Vermilion Red』
JAN:4549325070450
型番:QDC-SUPERIOR-RD
希望小売価格:税込14,300円
『SUPERIOR Azure Blue』
JAN:4549325070085
型番:QDC-SUPERIOR-BL
希望小売価格:税込14,300円
『SUPERIOR Rondo Purple』
JAN:4549325077985
型番:QDC-SUPERIOR-RP
希望小売価格:税込14,300円
SUPERIOR 製品ページ:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_4660.php
▼坂本英城さんのサイン入り『SUPERIOR Vermilion Red』をプレゼント

外装に坂本英城さんのサインが入った『SUPERIOR Vermilion Red』を1名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。
<X(旧Twitter)からの応募>
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<応募締切>
2025年8月1日(金)終日
![ULTRASONE Signature FUSION Open Back [開放 ダイナミック型 45mmチタンプレイテッドマイラードライバー搭載モニターヘッドホン] バランス接続対応 S-Logic 3/LE/FGCテクノロジー搭載 キャリングケース付属 2年保証 レコーディング/ミキシング/DTM【ULT-SIG-FUSION-OB】の商品画像](https://m.media-amazon.com/images/I/41NRBN5w8rL._SL500_.jpg)
![キューディーシー(qdc) SUPERIOR Vermilion Red [10mmシングルフルレンジダイナミックドライバー搭載イヤホン] 同軸デュアル磁気回路&デュアルキャビティ構造 IEM2pinコネクター採用 ハイレゾ リスニング/モニター/ライブ/ゲーム【QDC-SUPERIOR-RD】の商品画像](https://m.media-amazon.com/images/I/312pX9As9mL._SL500_.jpg)




















