亀梨、紗栄子、セイキン……大物の家電爆買い動画はなぜ急増？　社会的状況から背景を紐解く

　3月から4月に立て続けに公開されたビックカメラでの買い物動画はどれも反響がよかったようだが、なぜこの時期なのか。実はこの時期、家電量販店では決算セールや新生活を迎える人びとに向けた新生活応援セールを打ち出していることがあり、お得に買い物ができるタイミング。そのため、普段は3組の動画をみていない視聴者が参考に動画をみにくる可能性があり、再生回数アップを狙えるという側面がある。事実、亀梨は動画のなかでビックカメラのスタッフに向け、「なにかいいものがあれば教えて、ね！　新生活の方もきっと多いでしょうから」と、視聴者に向けていまイチ押しの商品を紹介してもらえるようお願いしている姿があり、視聴者からは「ちょうど引越しで家電を買い替える予定だったので、亀ちゃんの動画見て参考にします」というコメントが書き込まれている。このタイミングでの家電爆買いは、コメントをみてわかる通り、まさに需要と供給がピッタリ合った事例といえるだろう。

　さらに今回3組が訪れた有楽町店は、紗栄子の言葉を借りると「日本で1番大きい店舗」。品揃えはさることながら、この店舗だけで300名ほどの従業員がおり、そのなかには各分野のスペシャリスト「マイスター」が含まれている。紗栄子は動画のなかで、「ビックカメラの店員さんに機能を紹介されると、替えどきかもしれないって思っちゃうあるあるない？」と話しているが、商品を熟知したスタッフや、セイキンの動画に登場したマイスターの接客もまた見もの。彼ら、彼女らの買いたくなる気持ちにさせるような接客は、爆買いのポイントになっているように感じられる。

　個人や法人で活動をしていると、家電の購入も一部経費で計上できるものがあり、家電爆買いは確定申告周りの税金対策といった側面もあるかもしれない。しかし約3週間という短期間に家電爆買い動画があがったのには、新生活がスタートする時期やセールの時期、家電購入動画を参考にしたいという視聴者、消費者のニーズがあることは間違いない。そこに、爆買いを成立させるビックカメラの手腕が加わった結果、人気者たちがビックカメラに吸い寄せられ、ビックカメラでの爆買い動画が誕生したといえるだろう。