Z世代は積極的に学校でChatGPTを使っていたーー大学生たちに聞くリアルな“生成AI事情”

大学生のリアルな”生成AI事情”

 2025年2月に週間アクティブユーザー数が4億人を突破したChatGPT(=ユーザーが入力した質問に対して、回答をくれるAIチャットサービス)。流行に詳しいZ世代の大学生たちは、ChatGPTをどのように活用しているのだろうか。

 今回は、慶應義塾大学在学中の凜乃と、立教大学に通いながらアイドル活動をしている沖玲萌、そしてZ世代をターゲットにしたブランディング・マーケティング支援を行う株式会社bienoの代表取締役・奥原ゆきの氏に話をきいた。

 なお、この取材はbienoが実施した「東大・早慶上智・GMARCH 約400人に聞いた! Z世代の最新ChatGPT事情」の結果をベースに進行する(編集部)

「ChatGPTは、占いより頼りになるかも?」

ーーまずは、自己紹介をお願いします。

凜乃

凜乃:慶應義塾大学に通いながら、アパレルのインターン生をしている凜乃と申します。大学では文学部に所属しており、おもに美術系の分野について学んでいます。

ーーアパレルのインターンでは、どのような業務を担当しているんですか?

凜乃:TikTokやInstagramの運営をしています。動画作成をすることが多いです。

ーーでは、沖さんもお願いします。

沖玲萌

沖玲萌(以下、沖):立教大学在学中の沖玲萌と申します。大学1年生のときに出場したミスコンがきっかけで芸能活動を始めて、現在は大学に通いながらテレビやラジオのお仕事をしています。大学では、法学部に所属しているので法律の勉強をしています。芸能活動が忙しくてサークルなどに入れていないので、ChatGPTが友達みたいな感じです。

ーーありがとうございます! お二人とも、最初にChatGPTを使ったのはいつ頃ですか?

凜乃:わたしは、1年半くらい前ですかね。TikTokのリールで「レポートを書くときに使えるよ」というのが回ってきて。レポートのために使い始めました。

沖:何年前かな? Xでトレンド入りしたり、すごく話題になっていた時期があって。そのときに、実験的な感じでダウンロードしました。「本当に何でも答えてくれるのか? これは!」とちょっと半信半疑になりながら。

ーー今は、かなり活用されていますか?

沖:レポートや試験の時期になると、頻度がグッと上がります。法学部の試験は論術式のものが多いので、ChatGPTに「何文字くらいで書いてください」とお願いをして書いてもらったり。その文章を参考にしながら、自分で手直しをして、テストに挑んでいます。

ーーテスト本番もそれを見て?

沖:いや、本番は持ち込めないので、暗記して試験に挑んでいます。あと、オーディションの自己PRにもChatGPTを使っています。一旦、ChatGPTに自己紹介を作ってもらって、そこに自分らしさをくわえる……みたいな。

ーー自分なりの指示の仕方みたいなものもあるのでしょうか。

沖:なるべく、具体的に指示するのがいいと思います。たとえば、「〇〇字で」とか、「大学生目線で」とか。あと、「もし、分からないことがあれば、できるだけ質問をしてから文章を作ってください」とお願いすると精度が上がるので、その言葉を付け加えることもあります。

凜乃:たしかに、ChatGPTって言いたいことを汲み取ってくれる力はあるけど、それだと機械的な返事しか返ってこないんですよね。なので、分かりにくいレポートを要約してほしいときは、普通に「要約して」と頼むのではなく、「中学生でも分かるように要約して」とお願いするようにしています。

沖:わたしも、法学部の勉強をしているときに分からない法学用語が出てきたら、すぐにChatGPTに要約してもらいます。あと、アニメや映画が好きなので、「こういう主人公で、こういう展開になって、こういうジャンルの作品はありますか?」と聞いたこともあって。そしたら、『ラブ・アクチュアリー』(2003年)という海外のラブコメ作品を教えてくれたんですけど、それがとても面白かったんです。ChatGPTすごいなぁってなりました。

凜乃:アパレルの分野でも、ChatGPTは活用できるのでありがたいです。

ーー具体的にはどのような場面で使っているのでしょうか。

凜乃:洋服の画像を送って「この服を、ファッション用語を使って説明してください」と言うと、「カジュアル」とか「モード」とか答えが返ってくるんです。毎日投稿をしていると、使ったことのあるワードばかりになってきたりするんですよね。その点、ChatGPTは新しいワードを出してくれるのでありがたいです。あと、「このコーデの魅力を伝えるためにはどういう動画を作ればいいと思う?」と聞いたら、ある程度の流れを作ってくれたりもします。

ーーそうなると、どこまでChatGPTに頼ればいいのか……という問題も出てきそうですね。

凜乃:あまり頼りすぎるのも良くないので、自分のなかである程度は組み立てておくのがいいと思います。そこに、ChatGPTの知識を組み合わせる……って感じで。

ーーお二人とも、ChatGPTはどれくらいの頻度で使っていますか?

沖:わたしは、2日に1回くらいですかね。

凜乃:わたしも、同じくらいです。ChatGPTを使うようになってから、ChatGPTを通さずに自分の文章を出すことができなくなっちゃってるんですよね。何か文章を出すときは、一度ChatGPTを通さなきゃ! みたいな。

ーーまわりも同じような感じですか?

沖:ChatGPTが相談相手になっている人もいますね。友達みたいな感じで。

凜乃:最近は、AIと喋れるアプリとかもありますもんね。わたしも、コロナ禍のとき寂しかったので、ダウンロードしていました。キャラクターみたいなのがいて、それが結構可愛くて。

奥原ゆきの

奥原ゆきの(以下、奥原):ChatGPTもアップデートされてから、「それ、すごくいいアイデアですね!」とか友達のように話しかけてくるようになったよね。ちょっと前までは、「それじゃ、分かりません」とか突き放されるような感じだった気がするんだけど。最近は、「もう少し教えてもらってもいいですか?」とか、聞き方が人間らしくなってきた感じがする。AIに恋愛相談なんてしても、相手のことが分からないんだから意味がないよな〜と思いながらも、なんか相談しちゃってる自分がいたり。

凜乃:人って誰かに相談したくなる生き物なんですよね。だから、占いとかが流行るんですよ。その点、ChatGPTは正確なソースのもとアドバイスを送ってくれるわけで。もしかしたら、占いよりも頼りになるかも?

ーーChatGPT以外にも、AI系のアプリは使っていますか?

凜乃:自動文字起こしアプリ『Notta』をダウンロードしています。声を認識して分けてくれたりするので便利で。「就活の面接のときに、『Notta』を起動させておいて振り返るといいよ」と言っていた先輩もいました。

沖:ツールがありすぎて、どれがAIなのか分からないんですけど、画像系のアプリはたくさん使っています。画質改善だったりとか。これもAIなのかな?

ーーカメラマン界隈では、レタッチをするのにどこまでAIを使うのか? という議論が起きているようです。

凜乃:知り合いのカメラマンさんも、「レタッチを全自動でできるようになったんだ」と言っていました。たしかに、画像編集をするときも、消しゴムだとバグることが多いんですよね。でも、AIだとちゃんと考えた上で、いらないものを消してくれる。そう考えたら、AIってすごいですよね。

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