乃木坂46・井上和、ボカロに救われた学生時代 「綺麗事だけじゃないところにすごく惹かれる」

乃木坂46・井上和、ボカロに救われた学生時代

「『綺麗事だけじゃないところ』にすごく惹かれる」 ボカロに救われた中学時代

(撮影=上山陽介)

ーーそもそも、井上さんがボカロ曲に興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。

井上和:ボカロ曲自体は、私にとって幼少期から身近な存在でした。黒うさPさんの「千本桜」が世代を超えて何度も流行っていたり、給食の時間に流れたりもしていましたし。

 「ボカロが好きだ」と自覚してはっきり言えるようになったのは、中学生になってからでした。中学1年生のとき、隣の席の子がボカロ好きで、その子と仲良くなりたくて、カラオケで一緒に歌えるように、と聴き始めたのがきっかけでした。

ーー今まで聴いてきた中で、特に好きなボカロ曲はありますか?

井上和:ユリイ・カノンさんの「だれかの心臓になれたなら」という楽曲がすごく好きです。

 中学2年生くらいのときに、人との関わり方が分からなかったり、うまく人と話せなかったりして、しんどいなと感じる時期があったんです。当時はこの曲にすごく助けられました。

 ボカロの良さって、人によって感じ方が違うと思うんですけど、私は「綺麗事だけじゃないところ」にすごく惹かれるんです。現実では、しんどいときに「大丈夫」とか「頑張れ」って励まされることが多いじゃないですか。でも、それがかえって苦しく感じることもあって。そんなときに、「辛いよね」「しんどいよね」って共感してくれる言葉に出会うと、前には進んでいないかもしれないけど、「こんな自分でもいいんだな」って心が軽くなるというか。

ーー「本音の音楽」という姿は、まさにボカロ曲の醍醐味ですね。

井上和:そうですね。それから、ボカロ楽曲には、「画面を通してのVOCALOID」と「対・人間」という二つの視点が描かれているものがたくさんあると思うんです。私はこれまで、そういうテーマの楽曲をたくさん聴いてきたし、すごく好きだったんです。

 人って、いい意味でも悪い意味でも変わっていくものだし、環境や好きなものも変わっていきますよね。でも、画面の向こうにいるVOCALOIDは、“変わらない存在”でいてくれる。いつまでも同じ思いを届け続けてくれる。そんな良さがあるなと思っていて。この楽曲も、その中の一つのような気がしていたので、「リレイアウター」も個人的に大好きな曲になりました。

ーー今回の井上さんの歌を聴いて、ボカロ曲に興味を持つリスナーさんもいるでしょう。リスナーさんにとって、井上さんは新たな音楽の扉を開いてくれる存在になっているように感じます。

井上和:もしそうなれていたら、すごく幸せな世界だなと思うんですよ。自分自身にとっても、グループにとってもプラスになることだと思うので。もし私の歌をきっかけに「ボカロ曲を聴いてみよう」と思ってくれる方が一人でもいてくださったら、うれしいです!

(撮影=田中聖太郎)

■関連リンク
MTV VMAJ 公式WEBサイト:https://www.vmaj.jp/
乃木坂46 公式WEBサイト:https://www.nogizaka46.com/
井上和 公式Instagram:https://www.instagram.com/nagi.i_official/

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(サムネイル撮影=田中聖太郎)

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