ぶいすぽっ!がひとつの“マイルストーン”を刻んだ日——『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポ

次世代Virtual esports Project・ぶいすぽっ!によるリアルイベント『VSPO! SHOWDOWN powered by RAGE』が、3月22日と23日の2日間にわたり東京・両国国技館にて開催された。同イベントでは総勢23人のぶいすぽっ!メンバーたちが、eスポーツの現役プロ選手・元プロ選手・ストリーマーらによる「ライバル」チームと真剣勝負をするという内容で、ファンを大いに楽しませた。
今回筆者は3月22日におこなわれたイベント初日の会場へ足を運び、現地の熱狂を取材することができた。この日に至るまでの流れにくわえ、当日の盛り上がりや結果、そしてこの企画が成し遂げたことまでを筆者の視点からまとめてみようと思う。
意外なゲームもチョイスされ、高い注目を集めた『VSPO! SHOWDOWN』
『VSPO! SHOWDOWN powered by RAGE』は2025年1月1日に開催が発表され、2月15日におこなわれた「詳細情報配信」を通してさまざまな情報が公になり、ファンを驚かせることとなった。
特に注目を集めたのが、本イベントでプレイされるタイトル。『VALORANT』『League of Legends(LoL)』という、メンバーやファンにとってもおなじみのゲームタイトルが並んだ2日目に対し、初日にプレイすると発表されたのは『STREET FIGHTER 6(スト6)』『Call of Duty: Black Ops 6(CoD:BO6)』『Alliance of Valiant Arms(AVA)』の3タイトルだった。
総勢23人のぶいすぽっ!メンバーがいるなかで、他ストリーマーやVTuberシーンの盛り上がりもあって『STREET FIGHTER 6』をプレイしているメンバーはいたものの、「Call of Duty」シリーズや『Alliance of Valiant Arms』を配信上でプレイしたメンバーはほとんどいなかった。
驚きをもって選ばれたゲームチョイスだったが、そこに拍車をかけたのが相手となるライバルチームの面々であった。
『CoD:BO6』には同作品シリーズを長くプレイしてきたストリーマー・ボドカ、『スト6』にはプロシーンで一線級の活躍を続ける立川とガチくん、『AVA』では日本最強チーム・DeToNatorの一員として幾度も国際大会に出場した“伝説的戦地之王狙撃手”ことSHAKAと、それぞれの作品における第一人者とも呼べる面々が出場すると発表されたのだ。
デビューして間もない甘結もかの相手として現役プロ2人が出場することや、古のFPSゲームともいえる『AVA』をプレイタイトルに起用し、しかもライバルチームとしてSHAKAが登場するというのは大きな話題となり、ぶいすぽっ!リスナーのみならず各タイトルのファンからも注目を浴びることとなった。
発表直後から各出演者の配信では同大会についてのコメントが相次ぎ、ぶいすぽっ!メンバーを筆頭に「どう備えていこうか」という話しをしつつ、それぞれが徐々に練習へと移っていった。「練習期間」として設けた時期に入ってからはさらに集中して練習を進めていくこととなり、ファンにとっては配信を追いかけるのが大変な時期だったのは言うまでもない。
一例を挙げると、『AVA』では、橘ひなの、兎咲ミミ、八雲べに、小森めと、紡木こかげと出場する5人のなかで兎咲と八雲の2人が全くの初心者であったこともあり、練習配信がかなり多くおこなわれることになった。
同作品の元プロとして活動したこともあるストリーマー・kamitoをコーチ役にして様々な指南を受けることになった5人だが、じつは現在の『AVA』は「配信外で練習しようにも人がいなさすぎてマッチしない」というほどにプレイ人口が減少しており、“練習相手を募集するために配信をつける”という流れとなっていたのも配信が増えた遠因だったといえよう。
そんなぶいすぽっ!メンバーに対するストリーマーやプロ選手らも、練習を重ねるにつれて熱を帯びるようになり、「やるなら徹底的にやる」「会場が冷えるくらいボコボコにして終わろうと思ってる」「プロとして負けるわけにはいかない」と、イベント全体がプライドをかけた“真剣勝負の場”へと変わっていった。