ぶいすぽっ!がひとつの“マイルストーン”を刻んだ日——『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポ

『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポート

スーパープレイの数々で“ぶいすぽっ!”らしさが存分に発揮される

 つづく第2戦の対決タイトルは『AVA』。ぶいすぽっ!チームは橘ひなの、兎咲ミミ、八雲べに、小森めと、紡木こかげ、ライバルチームはSHAKA、恭一郎、ファン太、蛇足、Zerostという布陣での対戦となった。

 対戦ルールは爆破モード。これは7本先取、使用マップ4つのうち3マップを選択・対戦し、マップ勝利数で勝敗を決めるという内容だ。

 ぶいすぽっ!チームは橘、小森、紡木の3人が同作をプレイしていたことがあり、なかでも紡木は高ランク帯でプレイしていたとデビュー時に語っていた。そのため、事前練習では前述の3人が初心者である兎咲と八雲の2人を引っ張っていく形が多く見られた。

 一方、ライバルチームには“伝説的戦地之王狙撃手”SHAKAがいるうえに、過去に同作をプレイしていた恭一郎やZerostらもチームでの練習を通して当時の感覚を取り戻しており、ぶいすぽっ!チームが苦戦するのでないかと予想されていた。

 ライバルチームはステージへの入場シーンがあったわけだが、入場シーン・対戦前コメントに臨むSHAKAのオーラに思わず観客らが「カッコイイ」と漏らすほどになにか殺気立ったオーラを纏っていた。

 試合開始前には練習配信のなかで煽られていたZerostとぶいすぽっ!チームが舌戦を繰り広げ、会場を笑わせつつ、大事な1戦目へと突入していった。

 つよい緊張感が漂う序盤で会場を驚かせたのは、やはりSHAKA……ではなく、ぶいすぽっ!チームのスナイパー役を務めていた小森めとだった。試合序盤の重要な場面、特にラウンド2で彼女が3人連続でキルすると、会場が大いに盛りあがることに。

 大会前日、大好きなキャラと公言している『ハイキュー』月島蛍のセリフをオマージュした投稿を小森がしていたが、まさに有言実行の動きを見せつけたのだ。

 その後ぶいすぽっ!チームがプレッシャーに負けることなく圧力を強めていくと、早い展開を仕掛けてうまく各個撃破できる流れがつづき、1マップ目を先取。

 つづく2マップ目は、より連携が良くなったぶいすぽっ!チームがライバルチームをうまくいなし、ダブルキルやトリプルキルを決めるなど打ち合いを制した結果、見事に勝利をおさめる。この時点でぶいすぽっ!チームが2本を先取し、勝利となった。

 この後に行なわれた3マップ目では、SHAKAが往年の実力をみせ、「どうしてそのアングルで構えてる?」「どうやってそこまで速く反応してキルできる?」といった驚きのプレイングを次々に見せ、会場を釘付けに。スコアとしてはぶいすぽっ!チームの勝利に終わったものの、衰えぬ実力を見せつけた。

VSPO! SHOWDOWNでのAVA対戦を振り返るSHAKA

現役プロ相手に白星獲得も “格ゲー最強メンバー”が揃った『スト6』

 初日の最終戦としてスタートしたのは『STREET FIGHTER 6』。ぶいすぽっ!メンバーは胡桃のあ、蝶屋はなび、如月れん、甘結もかの4人だ。

 2023年6月にリリースされた同作品は、格ゲープロのみならず多くのストリーマーやVTuberらにも広まったことにより、現在では「配信でよくプレイされるゲームタイトル」と捉えられるようになってきた。

 そういった影響もあってか、ぶいすぽっ!からは蝶屋はなびと甘結もかという、格ゲーに強みを持ったタレント2名がデビューすることとなった。2024年11月2日にデビューを果たした2人、特に甘結は同作品における最高ランクである“レジェンド”クラスの実力を持っており、初めての『STREET FIGHTER 6』配信では約5万人レベルの視聴者が視聴、その後もその実力をいかんなく発揮してきていた。

 そんな2人に加え、同作品で本格的に格ゲーにふれるようになった如月れんと胡桃のあをくわえ、ぶいすぽっ!内の“格ゲー最強メンバー”が顔を揃えることになった。

 特に胡桃のあは、この企画がスタートすると発表された段階では“プラチナ”ランクであり、当初はかなり格上プレイヤーとの対戦を予定されていた。

 一連の流れを知ったプロプレイヤーのあきらやコーチ役のかずのこなどが「さすがに難しいのでは?」と声をかけていたが、「胡桃さんなら、マスターランクもいけるのでは?」というスタッフからの一声もあり、あれよあれよという間にランクを駆け上がり、大会直前にマスターランクへと到達してしまった。

 大会本番で彼女と対戦予定であったゆふな・じゃすぱーの両名からは、「自分が格上だと思って戦うつもりだったのに、立場が逆転してしまった」「こちらが格下だとおもい、格上の人と対戦するつもり」と試合前にコメントがでてくるほどであった。

 チーム1・チーム2と2チーム計8人と対戦したわけだが、結果は1勝1敗。それぞれに見どころを生み出した。

 胡桃のあは、先述した“格下”から“格上”へと成り上がった勢いそのままに、じゃすぱーとゆふな両名をシャットダウン。次鋒としてでてきた蝶屋はなびは、大型サーバー企画「VCR GTA」のなかで自分と甘結とを間違えて話しかけた因縁の相手・ファン太と勝負し、見事に勝利を飾ってみせた。

 副将の如月れんは、チーム1・よしなまとの対戦ではガード・ジャストパリィや絶妙な間合い管理能力の高さを活かし、ダメージを極力喰らわずに迎撃するという“超絶ディフェンス”で会場にどよめきを起こし、彼女自身から対戦相手として希望したtakeraとの勝負では、まさに死闘ともいえる勝負をみせ、大きな拍手を生み出した。

【スト6】「この人投げ抜け知らないんじゃない?」VSPO!SHOWDOWNをアーカイブ観ながら振り返る如月れんとtakera【takera/如月れん/切り抜き】

 そして大将を務めた甘結の対戦相手は立川とガチくん。ふたりとも一線級で活躍するプロプレイヤーだ。しかもガチくんは、数週前に両国国技館で開催された『Street Fighter League: World Championship 2024』にてGood 8 Squadの一員としてチーム世界一に輝いており、まさに“脂の乗った状態”でのとの一戦となったのだ。

 対する甘結も、この対戦との対戦に備えて2人が使用する舞/ラシードを相手に2週間近くも特訓を続け、「このゲームには豪鬼と舞とラシードしかいない」などと口走るほどに研ぎ澄まされていた。

 結果、立川相手にフルラウンド・フルセットの末に勝利を収めたのだが、勝利した瞬間の会場は大歓声と拍手に包まれ、これが音楽ライブならこのままテープが発射されて美しきクライマックスを迎えているような瞬間だった。

 その強烈な光景と事実に心揺さぶられたひとは多く、この日の試合を同時視聴していたぶいすぽっ!メンバーも大きな反応を見せていた。とくに猫汰つなと夢野あかりは、「人のゲームプレイみてて初めて泣いちゃった」と大いに感動していたほど。

 一方、ガチくんとの対戦では、パーフェクトでラウンド勝利を収めるなどしたものの完封され、敗北を喫してしまった。「VTuberがその道のプロに勝利を収める/完封される」という夢と現実をどちらも目の当たりにしたなか、コーチとして彼女を支えたボンちゃんが彼女の今後に期待を寄せるコメントを残していたのは、とても印象的なワンシーンであった。

 2日目には『VALORANT』『League of Legends』の対戦が行なわれ、両対戦で勝利を収めたことで、2日合わせてぶいすぽっ!チームがライバルチームから大勝を収めることとなった。

 苦戦必至とみられていた『League of Legends』では、連日の練習でぶいすぽっ!メンバーが精神的に参ってしまうシーンが見られ、ファンも不安な気持ちが募るなかでの対戦だったのだが、プレッシャーや不安をはねのけて見事2-1で勝利をもぎとった。

 ちなみに、当日はk4senによるマイクパフォーマンスが注目を一気に集め、SNSのトレンドワードへと駆け上がっていった。そもそもk4senによる企画『The k4sen』がなければぶいすぽっ!メンバーの多くは『League of Legends』をプレイする機会もなかっただろうし、k4senが自身の企画でシーンを盛り上げていたタイミングを考えれば、今回ぶいすぽっ!チームのリーダーを務めていた千燈ゆうひがぶいすぽっ!からデビューするチャンスもなかったかもしれない。

 そんなことを思えば、同タイトルが2日目のトリとして採用されたのも納得だ。しかも、熱戦のすえに勝利を収めたことでよりドラマティックな締めくくりとなった。

 すでにぶいすぽっ!メンバーや参加したストリーマーらが振り返りの配信を行なっているが、ライバルチームの面々からは「ぶいすぽっ!メンバーの仕上がり方」への称賛と悔しさが次々にとびだし、ぶいすぽっ!メンバーは「大会場でも物怖じしないメンタル」について触れていた。

VSPO! SHOWDOWN"甘結もか戦"を振り返り、お互いにギリギリだった最終局面の裏側について語る立川【甘結もか/ぶいすぽ】【立川/切り抜き】【スト6/不知火舞/豪鬼】
VSPO! SHOWDOWNにてぶいすぽっ!チームの強さに驚愕させられたSHAKAたち

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