ぶいすぽっ!がひとつの“マイルストーン”を刻んだ日——『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポ

『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポート

たしかなマイルストーンを刻んだぶいすぽっ!

 ぶいすぽっ!のなかでも所属歴の長いメンバーのひとりである花芽なずなは、振り返り配信の中で印象的な言葉を残している。

「2週間みんなで練習をたくさんすると、ぶいすぽっ!ってチーム連携力がめっちゃ上がるんだなって思った」「みんな意外と協調性があるんだなって思った」「あたしあんまり今までメンバーに協調性を感じたことがなかったんだけど、何日も一緒にいっぱいやったら協調性が芽生えてくるんだなぁって」

「女子だけで長時間ゲームやったら、確かにギスることが多いかもしれないけど、『CoD』はギスらなかった。ぶいすぽっ!は女子特有のギスりとかがあんまりない」

「みんなそれぞれゲームがうまいし、負けたときに“自分が悪い”というのがちゃんと分かるから、人のせいにしない。だからギスらないのはあるかもね。みんな仲良くチーム力を高めて強くなれたところが、自慢だったし、誇らしかったかも」

【食べる&雑談】VSPO!SHOWDOWNお疲れさまでした会☆【ぶいすぽ/花芽なずな】

 ぶいすぽっ!はVTuber~バーチャルタレントシーンのなかにおいて、にじさんじ・ホロライブに次ぐ規模と勢いをもつプロダクションとして見られているが、現況は両事務所とはまったく別の盛り上がりを生み出しており、その魅力は大いに異なっている。

 2つの事務所に比べてメンバー個々・全体のイベントはかなり少ないうえに、今回のような「メンバー全員が参加したうえでゲームプレイをメインにしたeスポーツに寄せたリアルイベント」は、じつは初めての試みである。

 今回おこなわれた試合の実況・解説には、プロシーンの試合でおなじみの面々がそれぞれ担当しており、こうしたキャスティングからも、より本格的な試合観戦を楽しめるハイグレードな内容を求めていたのが伝わってくる。

 過去に開催したことがないという点ではチャレンジングな内容であるものの、今回の企画内容や狙いは、「eスポーツの良さを広げていく」というプロジェクト理念に照らし合わせても理想的かつイメージ通りの企画だったのは間違いない。

 花芽姉妹がデビューしてから約7年が経過した2025年、ぶいすぽっ!はこのイベントを通じてひとつのマイルストーンを刻んだといえるだろう。

 そんなチャレンジを試みた『VSPO! SHOWDOWN powered by RAGE』は、結果的に両日ともに大きな注目を集めた。初日・二日目ともにSNSでハッシュタグ「#VSPO_SHOWDOWN」や関連ワードが、1位もしくは上位へと食い込むこととなった。

 特に『STREET FIGHTER 6』の対戦が行なわれていた時間帯では、無料本配信やぶいすぽっ!メンバーによる同時視聴枠、コーチ役として出演したストリーマーらの同時視聴枠に多くのリスナーが集まり、最大で約20万人もの視聴者を集めていた。

 筆者が見ている限り、会場の両国国技館も空席はあまり見られず、インターネットで大いに注目を集めただけでなく、“大会場に観客を集めきった”という点で、コンテンツとしての力も見せたともいえるだろう。

 同企画を終えたぶいすぽっ!メンバーは、ふたたび別々の配信活動へと移っていった。連日の練習をうけてすこし長めの休日を取る者もいれば、次なる目標にふたたび練習の日々へと戻る者、別の森、別の街、別の大会へと足を運ぶ者など、メンバー23人がバラバラの日々を送り始めた。如月れんが勢いそのままに見事優勝を果たし、蝶屋はなびが準優勝、千燈ゆうひが日韓戦のメンバーとして出場するなど、華々しい活動をみせていた。

 ぶいすぽっ!メンバーらが、一同にその力を結集し、これまでにないイベントと興奮を生み出すことに成功した。もしも次に開催されるとすれば、どんなゲームタイトルでどんなメンバーが活躍するのか? いまから“第二回”にも期待したい。

ぶいすぽっ!の隠れた努力家・八雲べに&白波らむね 『RAGE VALORANT』に挑むメンバーたちを掘り下げる

現在のVTuberシーンにおいて、タレントの活躍する分野は日々拡がっている。そのなかで年々支持を強めているのがBrave gro…

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