ぶいすぽっ!がひとつの“マイルストーン”を刻んだ日——『VSPO! SHOWDOWN』DAY1観戦レポ

春日和に両国国技館で繰り広げられた“熱い戦い”
イベント当日、筆者は開場前に現地へ到着したが、はやくもこれまで販売されていたグッズを身にまとったファンたちがグッズやフードを楽しみ、和やかな雰囲気に包まれていた。両国国技館近くにはぶいすぽっ!メンバーを描いた約5メートルもの特別なのぼり旗が掲げられ、多くのファンが写真撮影をしていた。
しかもこの日は、数日前までの肌寒さから一転、柔らかい日光と心地よい風が吹くほがらかな春日和。イベントを心待ちにするには最高の天気であった。
13時となりイベントが開幕。オープニングトークもそこそこにさっそく最初のタイトル『CoD:BO6』へと移っていった。
ぶいすぽっ!チームの参加メンバーは花芽なずな、小雀とと、神成きゅぴ、藍沢エマの4人。彼女らはこれまでの配信活動で「Call of Duty」シリーズに触れていたものの、今回の対戦形式であるハードポイント/サーチアンドデストロイ/コントロールの3つのモードをプレイする機会がほとんどなかった。そのため、最初の練習配信ではルール理解から始めていた。
また今回の対決は「Call of Duty」の世界大会『Call of Duty League』にある程度準拠したルールでおこなわれる。それぞれ3つのモードが特定エリアの占拠/ボム設置&解除/拠点占拠or敵殲滅と、それぞれまったく別々の勝利条件が設定されており、同作品独特のスピード感・試合展開の速さも重なって、最初の練習ではそもそもゲームの展開についていくのにも必死な様子であった。配信者として長時間のゲームプレイを苦にしない4人であっても、練習配信を始めて3時間ほどでヘトヘトになってしまうほどだ。
対するライバルチームはボドカ、ありけん、ととみっくす、ごっちゃんマイキーを擁し、4vs4チーム戦を当初予定していたが、リーダーであるボドカが前日夜の時点で体調不良であることをSNSに報告、イベント当日に病院で診断を受けたところコロナの陽性判定が出てしまい、あえなく出演をキャンセルする運びとなっていた。
急な欠席となったボドカに代わって急遽出演が決まった人物が、2日目『League of Legends』に出演予定だったZETA DIVISIONの鈴木ノリアキだった。
ご存知でない方も多くいたかと思うが、鈴木ノリアキは元々「CoD」シリーズのプロプレイヤーであり、2015年に日本のeスポーツチーム・SCARZに加入した際「『CoD』初のプロチームになったら何か起こるかもしれません」とオーナーに直談判。これがキッカケとなり、『CoD』のプロチーム創設・プロリーグ開催へと繋がった……という逸話を持つ、伝説的なプレイヤーといえる人物だ。
ファンの間では「CoDの父」として語り草になっている彼が、旧友の病欠にあわせて急遽参加するというのも、どこか運命的なものを感じてしまう。そんな鈴木ノリアキを筆頭にしたライバルチームに対し、約2週間ほどの練習を通して練度を高めたぶいすぽっ!チームがどこまで戦えるのか。ファンの期待も大いに高まっていた。
【出演者変更のご案内】
本日、Call of Duty: Black Ops 6に出演予定だったボドカ様について、誠に残念ではございますが、本イベントへの出演は見送りとする運びとなりました。… pic.twitter.com/vwb1gh4HqP
— ぶいすぽっ!【公式】 (@Vspo77) March 22, 2025
10時に決まって今ここ pic.twitter.com/plgAD9elWC
— 鈴木ノリアキ (@NORIAKIISGOOD) March 22, 2025
「ボドカのケツ拭けるのはオレしかいねぇだろう!?」と鈴木は気合い充分なコメントを残す一方、ぶいすぽっ!チームのリーダー・花芽は「魔王が魔王に変わっただけ」と気の緩みなど一切感じさせない。コーチ役となっていたハセシンは「ぶいすぽっ!チームの動きを見て、その凄さを楽しんでほしい!」と声を掛ける。
いざ試合が開始すると、ぶいすぽっ!チームは1戦目から絶好調。ハードポイント/サーチ&デストロイの2戦を連取した。神成と花芽の2人が前線に出てキルを取りつづけ、小雀と藍沢が要所を守りつつサポートをこなすというチームの形ができあがっており、練度もバッチリだ。
3戦目以降はライバルチームも徐々に流れをつかみ、ぶいすぽっ!チームの動きへ見事に対応していく。4戦目・2度目となったハードポイントの試合では最終盤までどちらが勝利するか分からないほどの熱戦となった。
優勢・劣勢がコロコロと変わっていく試合内容に会場も大歓声をあげて盛り上がる。結果的には、思わぬ形で急造チームとなってしまったライバルチームを相手に、ぶいすぽっ!チーム5-0で完全勝利を収めたのだった。