東出昌大がYouTube休止を発表 “前向きな休止”が動画クリエイターに必要なワケ
2025年2月28日、俳優の東出昌大が3月をもってYouTubeを一時休止することを発表した。2024年に1本目の動画を投稿して以降、登録者数59.7万人を抱えるまでになった東出のチャンネルは、ネットニュースで取り上げられるなど話題になった動画がラインナップ(数字は3月7日時点)。動画でみせる姿が好評だった東出は、なぜYouTubeでの活動を休止するに至ったのか。今回は東出の事例から、制作者たちが活動を続けるために必要な“前向きな休止”について考えてみたい。
2024年3月2日に公開された1本目の動画で東出は、YouTubeをはじめた理由について、真鴨を解体しながら「収入の足しにはなるよっていう誘い文句」と笑いながら説明。「動物の命を獲るってこれ以上無い忌避感を抱く人はいると思う。ただ、それも僕の生活」と続け、動物の命が懸かっていることから、「YouTuberさんのような企画ありきのために撮影はやっちゃいけない」と、あくまで自身の生活を発信するとしていた。
東出はそれ以降、知人から引き取った猟犬・しーちゃんとの山小屋での生活や狩猟、止め刺し、食肉解体など、貴重なコンテンツを投稿。これまで“俳優・東出昌大”しか知らなかった視聴者からは、いきいきとした東出の様子に「幸せの価値観が変わります」「俳優として働いて時間を無駄にしないで命を感じる生活を送っててすごい」など、大きな反響が寄せられていた。言葉の端々にみえる人柄や料理上手な一面など、これまでみたことがない魅力が詰まったコンテンツにより、新たなファンを獲得していた東出。そのようななかで突然発表されたのが、YouTubeの一時休止だ。
東出昌大YouTube
休止します。↓↓ 以下、本人より ↓↓
こんにちは、東出です。
さて、いきなりですが3月いっぱいをもってYouTubeの投稿が一旦ストップします。
いつもこのYouTubeを楽しみにして下さっていた画面の向こうのあなた様、ありがとうございます。…
— 坂上祐生🎥ディレクター (@arya_director) February 28, 2025
東出は2月28日、自身のYouTubeチャンネルでディレクターを務める坂上祐生氏のSNSアカウントを通し、3月いっぱいでYouTubeの投稿を休止することを発表。「私の生活の一風景が誰かの癒しや楽しみになるのなら、これ以上意義のある日常もないのではないか」と思い込むよう、自身に言い聞かせながら撮影していたことを明かし、「ここ最近は撮影が楽しくない状態にまでなってしまいました」と、現在の心境を告白している。東出曰く、純粋に楽しんでいた山での暮らしが動画を通して大きな反響を集めたことにより、徐々にYouTubeが仕事になってしまった結果、「私の好きな田舎暮らしと違うものになってきちゃったな〜」と気持ちに変化があった、ということなのだ。
さらに文面のなかには、「私は動植物が好きで、川や雨や星が好きで、だからもっと自然にまつわるあらゆることを勉強したいし、観察したいし、思考したいし、分かりたい」という真摯な気持ちに加え、「それなのに、動画中で現時点での中途半端な考えや知識を口にするのがどこか気持ち悪く、自分の振る舞いが酷く軽薄に感じられる瞬間が増えて来てしまいました」という文もあり、自身の考えとYouTubeでの活動にジレンマが生じていることが読み取れる。要は今回の休止は、勉強や経験を重ね、より力を蓄える、いわばインプットの時間が欲しいということのよう。気になるチャンネルの今後については、東出が「一旦お休みし、またいつか更新できる日を迎えられればと思います」と綴っており、再開時期は不明なものの、いつかパワーアップした東出の姿がみられる可能性も十分に模様。
衝撃的なYouTubeデビューからわずか1年での休止となったが、東出の言葉からは、動画クリエイターが長く活動を続けていくために、時には“前向きな休止”が必要であるというメッセージが読み取れる。今回の事例はYouTubeでの活動にあたり、自身の考えと求められるものの間に生じるジレンマや、心が健全な状態で動画の制作を続けることがいかに難しいかを考えさせられる、貴重な事例といえるだろう。






















