2025.02.28 11:53

OMEGA × Swatchがコラボした腕時計の新作が登場　『MOONSWATCH 1965』が3月1日に発売

文＝リアルサウンドテック編集部

　OMEGAとSwatchは、二社がコラボレーションした「Bioceramic MoonSwatch」コレクションより、新作『MOONSWATCH 1965』を2025年3月1日に発売する。本モデルは、今から60年前、1965年3月1日に宇宙飛行での使用を認定されたOMEGA Speedmasterへのオマージュとして制作された腕時計だ。

『OMEGA Speedmaster』誕生秘話

　当時のNASAは、アメリカ宇宙開発計画の一環として、宇宙ミッション用に信頼性が高く、正確で、見やすく使いやすい時計を必要としていた。目標は、宇宙開発競争の中で、将来のすべての有人宇宙飛行に使用できるタイムピースを用意することだった。

　NASAは政府機関であるため、正式な入札公募を行う義務があり、時計メーカーに「提案依頼書」を出した。そこで出品された時計にはOMEGA Speedmaster（1964年のST105.003）のほか、ロンジンのヴィットナウアー235T、そしてXブランドのリファレンス6238などが並ぶこととなった。

　NASAは宇宙ミッションのための時計が満たすべき厳格な基準を定め、メーカーから寄せられたクロノグラフに11項目の試験をおこなった。テストされた3つのタイムピースのうち、1965年3月1日に行われるNASAの全有人宇宙ミッションおよび船外活動のための飛行資格を獲得したのは、『OMEGA Speedmaster』だけであったという。

　NASAは試験対象の時計に多くの要求基準を課し、計11項目の試験を行ったが、最も重要視されたのは「信頼性」だ。前提条件は24時間で5秒の精度、理想は24時間で±2秒の範囲であること。そしてストップ機能を備え、見やすく、耐磁性であることも求められた。そのほかにも高温・低音試験や真空試験、耐衝撃試験に高圧・定圧試験などさまざまな実験がおこなわれた。

　NASAのテスト員は、「卓越した精度、信頼性、視認性、使いやすさ」を備えた『OMEGA Speedmaster』を他のモデルよりも高く評価し推奨したという。そして使用許可を与えられてから約3ヶ月後の6月3日、「Gemini IV」ミッションでEd White（エド・ホワイト）が『OMEGA Speedmaster』を着用し、宇宙船外の活動を20分以上行いました。

『OMEGA Speedmaster』をオマージュした最新モデル『MOONSWATCH 1965』

　本記事の冒頭でも述べた通り、『MOONSWATCH 1965』は、60年前にNASAから宇宙飛行での使用が認定された、ユニークな時計へのオマージュだ。そのため本モデルは『OMEGA Speedmaster』の視覚的特徴をすべて再現している。

　当時使用されていたOMEGAのロゴ（ストラップとクラウンにもあしらわれている）、針、そして書体はすべて、オリジナルモデルのスタイルを反映している。くわえて、2024年3月に発表された『OMEGA Speedmaster Moonwatch Professional』の“真っ白な文字盤”へのオマージュも盛り込まれている。

　また10時と2時の位置にある2つのカウンターも、本モデルの新しいサプライズだ。10時位置のカウンターは一番上に19（通常は60）、2時位置のカウンターは一番上に65（通常は10）の数字が示され、1965年を意味する。このため、クロノグラフのカウンターは次のような合計時間に変更されている。

10時位置のカウンター：19時間
2時位置のカウンター：65分

　これにより、文字盤上の19と65が強調され、1965と読めるようになるとともに、6時位置のスモールセコンドの60（これは変更なし）も強調されている。クロノグラフの表示は少し異なり、カウンターは最初に合計65分までカウントしてから、その後初めて時間を積算する。具体的に言うと、両カウンターの針は次のように動作する。

・10時位置のカウンター（19時間）と2時位置のカウンター（65分）は、65分で1周します。
・10時位置のカウンターは1時間に1目盛り移動します。
・2時位置のカウンターは5分で1目盛り移動します。

　このようにして、2時位置の分カウンターをゼロから再スタートさせずに、時間と分を足し合わせて普通に時間を読み取ることができる。この動きは65分ごとに繰り返され、両方の針が同時に動作する。

　『MOONSWATCH 1965』のケースバックにはミッションステートメントが刻まれ、文字盤とクラウンにはOMEGA X SWATCHのロゴがあしらわれている。宇宙服に適したグレーのストラップが宇宙飛行士のシックなスタイルをパーフェクトにまとめ上げ、ケースやストラップのカラーとお揃いの対比ステッチが施されている。

　Bioceramic MoonSwatchコレクションの新しいモデルは、『MOONSWATCH 1965』3月1日より世界中の厳選されたSwatchストアで販売される。「Bioceramic MoonSwatch」コレクション全てと同様に、購入は1人につき、Swatchストア1店舗で1日1本となる。価格は40,700円。