商業施設「ハラカド」TikTokを見て来た人が約3.25倍に! その秘密をキーパーソンに聞く
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ユーザーの興味や属性を元におすすめの動画が表示されるTikTokは、認知の拡大やファンを作るために欠かせないプラットフォームになりつつある。
2024年春にオープンした商業施設である東急プラザ原宿「ハラカド」はTikTok公式アカウント開設から1年で集客につなげることに成功した。
施設が開業する前に開設した公式アカウントのフォロワー数は1万人を超え、同じ規模のアカウントの約9倍に相当するエンゲージメント率を獲得している。認知だけではなくファンに支持されるアカウントをどのように作り上げたのだろうか。
TikTokの運用を担う株式会社Leading Communicationの水野新之助氏、「ハラカド」のSNSを担当する東急不動産株式会社の田澤光希氏にインタビューを実施。アカウント運営の裏側を聞いた。
ハラカドのTikTokアカウントが軌道に乗るまで
ーー今回、「ハラカド」のオープンにあたり、TikTok公式アカウントを開設した背景について教えてください。
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田澤光希(以下、田澤):TikTokは10代から30代までの若い人たちへの影響力が高いので、東急不動産の商業施設でもTikTok公式アカウント運用に力を入れ始めています。そのため、2023年から東急プラザ銀座店の公式アカウント運用をLeading Communicationさんにお願いしていました。Leading Communicationさんは、制作してきたコンテンツの実績が多いですし、インフルエンサーさんも所属しています。取り組みの幅が広い点に魅力を感じていました。
さらに、一緒に仕事をさせていただくのに心強かったのが、「ハラカド」の6階に「ハオハオチー」というカジュアル中華ダイニングの出店が決まっていたことです。テナントさんとしての目線でも、施設の魅力や改善点を考えていただけるかなと期待して依頼しました。
ーー商業施設としてのブランディングを考える際に同じ方向を向いて戦略を練れそうですね。Leading Communicationさんは、どのようにTikTokのアカウントを作ろうと考えたのでしょうか?
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水野新之助(以下、水野):20代後半から30代前半をターゲットとして施設を作っていると聞いたので、その店に行きたくなるユーザーを考えるところから打ち合わせを始めました。結果、原宿で働いている人、カップル、クリエイター、インバウンド観光客の4つのグループがメインの客層だと仮説を立てました。また、彼らは、映像作品にも厳しい目を持つユーザーだと想定し、動画のクオリティも意識しました。
たとえば、動画は一眼レフで撮影していますし、テロップのフォントには明朝体を使用して、さらに文字も小さくしています。テナントさんはそれぞれインパクトがあるので、そのままの迫力や魅力を伝えられるような演出と編集を行なうように心がけています。
田澤:水野さんのチームに作っていただく動画はわかりやすくてリッチなんですよね。最近投稿した「23時までやってるよ ハラカドで夜飲み」という動画があります。
この動画は、原宿には遅くまで飲める飲食店が少ないという困りごとの解決策として、ハラカドの5階と6階の飲食店フロアの利用を呼びかけることが目的です。28秒で伝わりやすい映像に仕上がっていて、すごいなと思いました。