手書きとデジタルの良いとこ取り 会議や取材に欠かせない“AIレコーダー×メモ帳”なマルチガジェットに驚愕

AIレコーダー×メモ帳

 PCなどのデジタル製品はビジネスにおいて欠かせないツールだが、かといって紙とペンを使ったアナログな体験がなくなることはない。むしろ、デジタルの不便な点を解消するためにアナログなツールを使い続けてる人も少なくないだろう。

 デジタルとアナログ。相反する2つの要素の融合を目指すガジェットは数多存在するが、iFLYTEK社の電子メモパッド『iFLYTEK AINOTE Air 2』もそのひとつだ。

 筆者も様々なデジタル&アナログな製品を試してきたが、結論から言うと『iFLYTEK AINOTE Air 2』は実践レベルで使えるガジェットだと感じた。デジタルの便利な部分を活かしつつ、アナログならではの使い心地もしっかり備えている。

 海外ではすでに発売中だが、2025年1月23日より国内のクラウドファンディングサイトMakuakeにてキャンペーンが始まる。クラファンに先駆けて製品を触らせてもらったので、そのレビューをお届けしよう。

E-inkが美しい、高品質なメモパッド

 『iFLYTEK AINOTE Air 2』を一言で紹介すると、手書きに対応した電子メモパッドだ。しかしその中身は音声の録音やカメラ撮影、AIによる議事録作成、Officeソフトや電子書籍の閲覧など、極めて多彩な機能を備えている。

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 こちらが『iFLYTEK AINOTE Air 』の本体と専用のスタイラスペン、それから専用のカバーとなる。ディスプレイのサイズは8.2インチで、E-ink(電子ペーパー)を採用している。

 E-inkとはモノクロ表示に長けた表示技術で多くの電子書籍端末が対応している。紙の印刷物のように見えるため、スマホやタブレットのようなバックライト表示とは異なり、自然な見え方となるのが特徴だ。目にも優しい。

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 専用のスタイラスペンは静電容量式で、充電不要。パッドの側面にマグネットで吸着するため、持ち運びも容易だ。

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 パッドの上部にはUSB Type-C端子と、指紋認証対応の電源ボタンが搭載。本体の材質はCNC加工のアルミ合金製で、薄型ながらガッシリとしている。重量は約230gで、タブレットと比べても圧倒的に軽量だ。

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 専用のケースを装着するとこのような見た目になる。画面の保護やホールド感のアップなどを考えると、ケースは装着したほうが良さそうだ。ちなみにケース重量の実測値は約97gだった。

タブレットペンの老舗と提携した、妥協のない書き味

 『iFLYTEK AINOTE Air 2』の基本的な使い方は、ノートの作成やスケジュール・タスクの管理。紙のメモ帳を使う感覚で、「何か筆記したいな」と思ったタイミングで気軽に使うことができる。

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 こうなると重要になってくるのがペンの書き心地だが、ワコムという日本の会社をご存知だろうか? ペンタブレットや液晶タブレットの大手メーカーで、デジタルの描き心地について35年間も追求し続けている老舗だ。

 iFLYTEKはワコムと技術提携をしており、ペン先や液晶画面のフィルムにおいて技術サポートや部品提供を受けている。つまり、ワコム監修の描き味を実現してるというわけだ。

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 実際、描き味の良さには驚かされた。本物の紙に近い程よい摩擦感があり、タブレットにありがちなツルっとした描き味になっていない。ペンの種類も鉛筆やボールペン、万年筆と豊富で、字を書きたい気持ちを後押ししてくれる。

 描き味が良いから、書きたくなる、自然と筆が走る。この体験はかなりアナログ的で、まさしく紙とペンに求めているものだろう。『iFLYTEK AINOTE Air 2』は、指先を動かす根源的な刺激を高いレベルで実現している。

更にメモパッド以上の存在にする、便利な機能たち

 ガジェットとしての使い勝手は抜群でさらに注目の機能が目白押し。機能面で筆者が特に感動したのが、「録音とリアルタイム文字起こし」機能だ。録音ボタンを押すと新たなノートが即座に作成され、同時に録音が始まる。

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 しかも、話し声はリアルタイムで文字起こしされ、なおかつ下画面では手書きのメモを取ることもできる。これはもはや、メモ帳とICレコーダーが合体したようなものじゃあないか! 例えば取材現場ではPCやスマホを操作するのが難しい場面もありえるが(座れなかったり狭かったりする)、この機能があれば録音しつつ手書きのメモも取れてしまう。

 また、録音後は文字起こしされた部分をペンでタッチすれば、該当箇所の音声をプレイバックしてくれる。こちらも便利な機能で、録音状況が不明瞭な箇所であっても簡単に聞き直せる。インタビューが多い人にとっては神ともいえる機能だろう。

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 筆記した文字のテキスト化(OCR)も容易に行ってくれる。OCR化された文書はPDFとしてエクスポートでき、デジタルの資料として取り回しやすい状態にしてくれる。

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 専用アプリ「AINOTE」と連携すれば、「iFLYTEK AINOTE Air 2」内にまとめたノートを一覧することも。

 また、多言語翻訳機能にも対応しており日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の7言語の相互翻訳も可能(※オンライン接続が必要)となっており、そしてさらなる便利機能として、Chat GPTによる議事録のまとめ機能も搭載している。手書きしたメモの要約はもちろん、文字起こしされた録音の内容をAIでまとめれば、さらなる業務の効率化が期待できる。取材→記事化の速度も大幅にアップするだろう。

電子書籍端末として使うことも可能な万能さも魅力

 ここまではメモパッドやAI機能を中心に見てきたが、『iFLYTEK AINOTE Air 2』は閲覧端末としても使うことができる。

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 まずはワード、エクセル、パワーポイントといったOfficeソフトの閲覧(WPS Officeを使用)。PC内のデータを『iFLYTEK AINOTE Air 2』に渡しておけば、このようにデータの閲覧ができる。ペンで注釈を入れることもでき、スキマ時間に資料の校正をするといった使い方ができそうだ。

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 お次は電子書籍の閲覧。mobi、epub、txt、pdf、azw3などの電子書籍データに対応しており、こちらもPCからデータを受け渡すことが可能だ。

 『iFLYTEK AINOTE Air 2』自体にもブックストアが内蔵されており、用意されている電子書籍を本棚に追加することもできる。オーディオブック機能にも対応しており、プライベートでは電子書籍端末として使い倒せそうだ。メモ帳にも、ICレコーダーにも、そして電子書籍端末にもなるとは、いやはやなんともマルチぶり。

手書き体験を持ち歩ける、冴えたやり方

 電子メモパッドはその形状から「タブレットで代用できないの?」と思われがちだ。アプリの多さやフルカラーディスプレイなど、タブレットの利点は多い。機能面の代用だけなら問題はなさそうに思える。

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  だが、『iFLYTEK AINOTE Air 2』は圧倒的にコンパクトで、なおかつ軽量だ。そもそも『iFLYTEK AINOTE Air 2』を使う場面はメモを取りたい場面であり、アプリを使いたい場面ではない。会議や取材現場、勉強などで効果的に情報を整理したいのなら『iFLYTEK AINOTE Air 2』の方が有用性は高いだろう。

 さらに『iFLYTEK AINOTE Air 2』はタブレットと同居できるガジェットでもある。手書き体験が欲しい時は『iFLYTEK AINOTE Air 2』を、メールやアプリを使いたい場面ではPCもしくはタブレットといった具合だ。ページ数が無限で、なおかつ録音やAI機能も使えるメモ帳を持ち歩けると思えば、その便利さをわかってもらえるだろう。

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 『iFLYTEK AINOTE Air 2』は、2025年1月23日よりMakuakeにてクラウドファンディングが始まる。仕事でメモ帳を使っている人はもちろん、高品質な手書き体験を味わえるガジェットを探している人は、ぜひチェックしてみて欲しい。

◯参考情報

https://www.makuake.com/project/ainote_air2/

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