70代田舎暮らしYouTuber、リアルな暮らしを発信 大先輩が見せる“人生を楽しむ秘訣”とは
YouTubeが台頭してしばらく経つが、チャンネルを開設するのは若者に限った話ではなくなってきた。今回は、シニア層の動画クリエイターである2人を紹介していきたい。
まずひとり目に紹介するのは、「ウリウリばあちゃんの楽しい田舎暮らし」だ。ウリウリばあちゃんは、田舎で暮らす70代の女性。山梨から長野にかけて連なる八ヶ岳で暮らしている。
チャンネルでは食事作りや、薪ストーブの使い方、冬の準備など、自然のなかで過ごすウリウリばあちゃんの日常が写しだされている。2024年10月に投稿した「70代田舎暮らし,森のモノたちと一人を楽しむ一人を生きる」という動画では、1日のVlogを投稿。そこには人生を楽しむための秘訣が詰まっていた。
まず朝は「ほとんど自分で決めた用事しかない」ため、何時に起きてもいい。自然に囲まれた庭に「おはよ〜」と声をかけながら、ウリウリばあちゃんの1日が始まる。「自分のためだけに1日が始まる」と語り、縁側で筋トレして、庭の水やりをする。
釜でご飯を炊きながら、視聴者に向けて「人生は自分の思い描くように結局なるらしい」「知人とはそこそこの距離で、そこそこに付き合う。世間様ともそこそこに」と、人生観を語っていく。美味しそうなご飯をひとり分作って庭で食べる姿は、自由で心地よく、これがウリウリばあちゃんの幸せなのだということが伝わってくる。
そして、途中ウリウリばあちゃんは「共同生活を一度もしたことがない夫がいる」と明かした。なかなか驚きの事実だが、「少し不思議かもしれない。ま、いっか」とあっさり流すところを見ると、世間の“何か”に捉われていたのは、筆者の方かもしれないと気付かされる。
だが、ウリウリばあちゃんも過去に「気負っていた」「あのころの私はなんだったんだろう」「見えないものにけんかしているみたいだった」という時期があったという。もがいて悩んで、いまの生活に辿り着いたのだ。
2人目に紹介したいのは、「winpy-jijii」だ。winpy-jijii氏は1950年生まれの74歳。山歩きや車中泊を趣味としており、チャンネルではギアの紹介やキャンプの様子、アウトドア飯など、“趣味全開”の動画が投稿されている。概要欄には「歳をとったから 遊ばなくなったのではなく、遊ばないから歳をとるのだ」と、彼の人生観が伝わる一文も記載されている。
winpy-jijii氏は、マツダの「ボンゴ」をアウトドア仕様にカスタム。妻とともに2か月半かけて完成させたようだ。カスタムする際は、まずしかけ絵本のような設計図を作り、妻とお揃いの作業着に着替えて作業していく。妻と仲睦まじくカスタムしていく様子はとても微笑ましい。
だがカスタムの作業はかなり本格的で、内装を剥がして床も屋根も新たに貼り、ベッドは市販のものではなく、骨組みから手作りをするというこだわりぶりだ。
1から手作りした背景には「出来れば安く自分で作りたい」と節約が理由にあったようだが、それでもここまで作りこむところを見ると、本当に好きなことに没頭していることが伝わってくる。
シニア層が発信しているYouTubeチャンネルからは、いまをトキメク若者世代のクリエイターとはまた違ったエネルギーをもらうことができるのだ。悩みや挫折などを乗り越えたうえで人生を楽しんでいる姿は、多くを語らずとも説得力がある。そんな姿を動画という場を通して出会うことができるのは、現代ならではの良さだろう。せっかくいろんな人の人生を知ることができる時代ならば、ぜひ世代にとらわれずシニア世代のリアルな生活を覗いてみてほしい。
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