Apple「ボイスメモ」で「レイヤーのある録音機能」を提供開始 iPhone 16 Pro&Pro Maxユーザーが対象
Appleは12月12日、自社が提供するアプリの「ボイスメモ」で、iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxのユーザーがヘッドフォンを必要とせず、録音した既存の楽曲にボーカルトラックを重ねることができるようになるアップデートを行った。
iOS 18.2では、ユーザーはiPhoneのスピーカーでオリジナル楽曲のアイデアを再生しながら、同時にiPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxのマイクを使ってボーカルを録音することが可能に。これらの機種は「A18 Proチップ」を搭載しており、先進的な処理能力と機械学習を活用してボーカルの録音を分離することで、2つの個別のトラックを作成できる。これにより、ユーザーはLogic Proなどのプロ向けアプリで追加のミキシングや制作を行うことができ、Macでボイスメモを使うと、レイヤーのある録音がデバイス間で同期。Mac上でLogicのセッションにドラッグ&ドロップできるという。
Logic Proでは、アーティストとプロデューサーは楽曲のミックスを圧縮したオーディオファイルとしてボイスメモに直接送信することもでき、ひらめいた時に、いつでもどこでも簡単に、ボーカルレイヤーを重ねて録音できます。
今回の発表にあわせ、マルチプラチナを獲得したエンターテイナーのマイケル・ブーブレ、カントリーミュージックスターのCarly Pearce、レコードプロデューサーのグレッグ・ウェルズのグラミー賞受賞者3人がチームを組んで、iPhone 16 Proのボイスメモを使った新曲「Maybe This Christmas」を制作。舞台裏を撮影したビデオでは、アーティストたちがこのパワフルなホリデーソングを生み出したインスピレーションについて語り、新しいボイスメモの機能を使ってiPhone 16 Proだけでボーカルを録音した方法について細かく説明している。
ブーブレは今回のアップデートについて「ミュージシャンの音楽制作の工程でiPhoneのボイスメモがどれだけ重要な役割を果たしているか、みなさんは気付いていないと思います。レイヤーのある録音が登場したことで、アーティストがひらめいた瞬間、従来のスタジオ体験に縛られていないことが、制約ではなく利点になります。私たちが必要だったと気づいていなかったものを作るのは、とてもAppleらしいですね。今では、ないと困るものになっています」と述べている。
同楽曲はApple Musicで、空間オーディオでストリーミングで視聴できる。ボイスメモのレイヤーのある録音機能はiOS 18.2を搭載したiPhone 16 ProおよびiPhone 16 Pro Maxで利用狩野。ボイスメモとの共有とレイヤーのある録音の取り込みは、MacのためのLogic Pro 11.1(macOS Sequoia 15.2搭載のMac)およびiPadのためのLogic Pro 2.1(iPadOS 18.2搭載のiPad)で利用できる。