都市拡張音楽ライブ『Hyper Music Venue』特集
渋谷のスクランブル交差点にでんぱ組.incを“召喚”する 一度は見ておきたい、スマホひとつで体験できる最新エンタメ
AR(Aaugmented Reality:拡張現実)とは現実世界に仮想空間を重ね合わせて表示する技術のことだ。『Apple Vision Pro』を装着すると、自身のいる部屋の中心にアプリケーションのアイコン群が並ぶが、これはまさにARである。こうしたVRグラスでの体験はもちろん、スマートフォンのカメラを使ったARコンテンツも数多い。家具メーカーのアプリでは家の中を撮影しながら、家具の3Dモデルを画面上に配置できるなど、さまざまな活用例が現れ始めている。
そんなAR技術を用いた音楽ライブプロジェクトの試みが、現在東京・渋谷で行われていることをご存知だろうか。『Hyper Music Venue powered by STYLY feat.でんぱ組.inc on Shibuya(以下・Hyper Music Venue)』がそれだ。
株式会社STYLY、株式会社パルコ、株式会社ロフトワークによる共同プロジェクト「NEWVIEW」の一環として行われるプロジェクトであり、クリエイターはでんぱ組.incメンバーのボリュメトリック・データを用いたXR作品を制作・公開できる(作品の応募期間はすでに終了)。クリエイターたちの作ったXR作品は株式会社STYLYが提供するAR・VRコンテンツのプラットフォームアプリ『STYLY』上に公開され、ユーザーはこのXRコンテンツを自由に楽しめる。
要は、『STYLY』アプリをスマートフォンにインストールして渋谷のスクランブル交差点でアプリを起動すれば、誰もがでんぱ組.incのXRライブを楽しめるというプロジェクトなのだ。
ぜひこの機会に渋谷を訪れ、気鋭のクリエイターたちによる最新のXRクリエイティブを体験してほしい。本稿では、このライブを楽しむ方法と、実際に体験したレポートをお届けする。体験の手順は以下の通り。
1.STYLYのアプリをダウンロードする
2.渋谷スクランブル交差点に移動する
ハチ公広場前付近が比較的閲覧に適しているが、さまざまな角度から楽しめる。
3.下記の全作品一覧ページより、体験したい作品を選ぶ
4.作品データのダウンロードが始まり、体験が開始される
作品を選んで体験を開始すると、代表曲「Future Diver」のワンフレーズを踊るメンバーのライブと、その空間を彩るAR演出を合わせて体験できる。出現するメンバーはランダムなので、同じ作品でも異なるメンバーのライブを楽しめる。
ちなみに、本プロジェクトでは作品の再生回数に応じて、後日クリエイターに収益が還元される。金額はおどろきの1再生あたり100円。『Hyper Music Venue』プロデューサーのChujo氏によれば、こうした施策を「作って終わり」にするのではなく、クリエイターを継続的に支援していく方法を考えた結果、今回実験的にこうした還元を実施することになったという。
また、今回作られた作品は、STYLYがパルコ・ロフトワークと共に運営するグローバルXRアワード『NEWVIEW AWARDS 2024』にもそのまま応募が可能になっている。クリエイターに向けて、金額面だけではなく、創作機会や表彰・展示の場を増やすことで、クリエイターのモチベーションに繋がったらうれしいとのことだ。