歌広場淳のフルコンボでGO!!!
歌広場淳×千葉如水×望月うかる“格ゲーコスプレ”座談会 知られざるコスプレイヤーの世界に迫る
大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「歌広場淳のフルコンボでGO!!!」。今回は、コスプレイヤーの千葉如水、望月うかるとの座談会を行った。
巨漢キャラや“イケオジ”キャラを巧みに再現することに定評があり、アニソン歌い手ユニット「フルメタル・ストーム!」としても活動する千葉如水。合同会社SMARTPLAYの代表を務め、同社コスプレ部門のSMART Queenに所属する望月うかる。そんな両名には、『ストリートファイター6』のコスプレで話題になったという共通点も。
かねてよりコスプレイヤーの世界に関心を持ちながらも腰を据えて会話をする機会に恵まれなかったという歌広場淳が、ここぞとばかりにふたりを質問攻めにしていく。
「これだったら自分もできそう!」からコスプレ沼に
歌広場淳:本日はよろしくお願いします! 僕はおふたりのことを『ストリートファイター6』(以下、『スト6』)関連のイベントでお見かけしていて、千葉さんといえばブランカのコスプレの人、望月さんはリリーのコスプレの人という認識でした。
僕に限らず、『スト6』プレイヤーは同じような認識を持っている人が多いと思うのですが、そもそも、おふたりがコスプレイヤーとして活動を始めたきっかけについてお聞きしたいです。
千葉:私の場合は、学生時代に『ストリートファイターII』が大ヒットしていて、そのころに学校の文化祭でリュウのコスプレをしたのが始まりでしたね。
歌広場淳:きっとその当時って、コスプレというものがいまほど一般的ではなかったころですよね?
千葉:そうですね。コスプレイベントの情報を探そうと思っても、友だちの友だちくらいのつながりの人からウワサ程度に辛うじて伝わってくるという、そのくらいのアングラな界隈でした。
歌広場淳:僕もわりとゲームやアニメが好きな子どもだったのですが、小学生のころにたまたま近所の会議室のような場所に不思議な格好をした大人たちが集まっているのを目撃したことがあって。後から調べたらコスプレイヤーさんたちの交流会だったってことがありました。
千葉さんは、これまでさまざまな作品のコスプレをされてきたと思うのですが、ご自身の原点という意味でも、格闘ゲームに対する思い入れは強いわけですね。
千葉:はい。文化祭でのリュウ以降、『ストリートファイター』シリーズのコスプレを続けながらも、『餓狼伝説』をやったり『鉄拳』をやったりと、格闘ゲームのコスプレは活動の中のひとつの軸になっていますね。
歌広場淳:千葉さんのように、コスプレイヤーの分野から長年にわたって格闘ゲーム業界を盛り上げてくれている方がいるというのは、イチ格闘ゲーマーとして本当にありがたいことだなと思います。
続いて望月さんはいかがですか? コスプレを始めたきっかけというと。
望月:私は15歳からコスプレをしていて、かれこれ13年くらい続けています。当時はVOCALOIDが流行っていて、ハチさん、いまでいうところの米津玄師さんの「マトリョシカ」という曲が大好きだったんです。
その「マトリョシカ」のMVで初音ミクちゃんが着ているパーカーを見て、「これ意外と簡単そうに作れそうだよね」と、友だちといっしょに作ってみたことがあって。
その友だちはパーカーだけ作って満足してしまったんですけど、私は「パーカーができたんだから、次はウィッグも着けたいな」と、どんどん熱が高まっていって、そこからガッツリとコスプレの世界に入っていったという感じです。
歌広場淳:なるほど。千葉さんのように、いきなり文化祭でデビューしてしまうような思い切った方もいれば、望月さんのように段階を踏んでハマっていく方もいるわけですね。
望月:当時は中学生でお金もなかったんですけど、これならユニクロで買ったパーカーにフェルト生地を貼り付けるだけで簡単に作れそうだなと。そこからさっそく翌月のお小遣いでウィッグに手を出しました(笑)。
歌広場淳:「これだったら自分でもできそう!」という思いが後押しになったということですね。千葉さんに関してはリュウのコスプレということでしたけど、たまたま道着を持っていたとか?
千葉:はい。柔道部だったので。リュウのコスプレをするために、勝手に袖を切ってノースリーブ状態に加工しちゃったので、後で顧問にめちゃくちゃ怒られました(笑)。
歌広場淳:そりゃ怒られますよね(笑)。
演じる側の“愛”と、見る側の“愛”が重なる瞬間に醍醐味がある
歌広場淳:千葉さんは『ストII』ブーム直撃世代だったとのお話がありましたけど、望月さんはリリーのコスプレをするようになるまでに、どのようにして『スト6』、あるいは格闘ゲームと出会ったのでしょうか?
望月:もともとゲームは好きでいろいろやっていたんですけれど、格闘ゲームには全然触れてこなかったんです。2023年末に買った『スト6』が、私にとっての初・格ゲーでした。
歌広場淳:ええっ、望月さんってMASTERに到達されているんでしたよね!? 格闘ゲーム自体を始めてまだ1年も経っていないのに、めちゃくちゃすごいじゃないですか! やっぱり『スト6』のブームっぷりは、コスプレイヤー業界にも何らの影響を与えているってことなんでしょうか。
望月:そうですね! ストリーマーさんやVTuberさんたちがやっているのを見て、「私もやってみたい!」となって始めたコスプレイヤーは多そうな感じがします。
歌広場淳:ちなみに、使用キャラとしてリリーを選んだきっかけというのは?
望月:最初はジュリを使いたいなと思っていたんです。コスプレすることも見据えて、ジュリをやりたいからゲーム内でも使えるようになっておきたいなと。
ただ、操作とかが全然わからないからワールドツアーから始めることにしたんですね。そうしたら、ワールドツアーでジュリに弟子入りできるようになるまで、けっこう時間がかかるということを知って。
それでジュリより先にリリーと出会ったときに、少し使ってみたら「これはリリーかもしれないな」という気持ちになったので、予定変更でリリーのコスプレの準備をやりはじめたんです。
歌広場淳:なるほど、ワールドツアーモードがいいきっかけになって、リリーと出会えたんですね。
一方の千葉さんですが、あの当時にリュウのコスプレをして人前に出るってなかなかハードルが高いことだなと思ったんですけど、周囲の反応はいかがでした?
千葉:正直、「うわ、なんか変な人がいる……」みたいな感じでしたね(笑)。
歌広場淳:やっぱりそうなりますか。でも、当然コスプレイベントやゲームイベントなどで披露すれば、また見る人の反応も変わってきますよね。
千葉:そうですね。「あ、リュウだ!」なんて言ってもらえると、自分はいまリュウとして認識してもらえているんだ、とうれしくなります。
歌広場淳:そういう意味では、コスプレする側のキャラクター愛と、コスプレを見る側のキャラクター愛が噛み合ったときこそが、コスプレイヤーとしての醍醐味をもっとも感じられる瞬間なのかもしれませんよね。
僕も以前、池袋のコスプレイイベントに参加させていただいたことがあって、そこで『遊☆戯☆王』の海馬瀬人のコスプレをやらせてもらったんです。ただ、実はたまたま海馬瀬人の衣装を持っている知り合いがいて、それを貸してもらえるから海馬を選んだに過ぎなかったんです。
だから、見てくれていた方々から「社長だ!」って言われても、「どうやら自分はいま、社長キャラのコスプレをしているらしいぞ」くらいにしか思えていなくて。せっかくコスプレさせていただくなら、もっとそのキャラクターのことを勉強しておけばよかったなと反省しました。
望月:でも、コスプレ初心者の方がいきなり大きいイベントでやるとなると、作品に詳しいお客さんも多いから大変ですよね。私が初めてやったときは、お家で、お友だちとだったので。
歌広場淳:おっ、聞いたことがありますよ。いわゆる“宅コス”ってやつですよね。
望月:そうです! 友だちとキャッキャ言いながら見せあって、お母さんも「あら、すごいね」みたいな。
“キャラクターへの愛を表現する”という魅力
歌広場淳:そうした原体験で感じた楽しさがあって、コスプレの世界にのめり込んでいかれたのだと思うのですが、おふたりが現在もコスプレを続けている理由や魅力はどんなところなのでしょうか?
千葉:やはり、自分の好きなキャラクターを自分で演じられること自体、テンションが上がりますし。そうやって自分のキャラクター愛を表現した結果、周囲の方にも「この人は本当にこのキャラクターのことが好きなんだな」と伝わる瞬間がたまらないんです。それがコスプレを続ける動機になっていますね。
望月:千葉さんと同じで、コスプレをしていて楽しいと思う気持ちは大きい気がします。あと、コスプレを通していろんな方との繋がりができて、どんどん交友関係が広がっていくのも不思議な感覚ですね。好きなことをやっていただけなのに、みたいな。
コスプレがすごく好きだったから、コスプレで好きな作品と関わらせていただけるようなお仕事もできたらいいな、というのがモチベーションとしてずっとあったので、なおさらそう思いました。
歌広場淳:コスプレを続けていくなかで、これをお仕事にできたらいいなという夢ができたわけですね。
望月:はい。上京してきたのが6年前なんですけど、周囲にも企業からお仕事をもらっているコスプレイヤーさんがけっこう多かったので、私もいつか何かに携われたらいいなという思いはありました。
歌広場淳:おふたりとも「コスプレが好き!」という気持ちが根底にあることは大前提として、それぞれのスタンスにわりと違いがあっておもしろいですね。これはなんでも格闘ゲームに例えちゃう、格ゲーマーの悪いクセなんですけど……。
言わば千葉さんは、「ゲームで飯を食っていけるわけないんだからやめなさい」と言われていたくらいのころから、「誰がなんと言おうと関係ない!」と好きなことを貫いてきた古来からの格ゲーマーのような気質があって。
かたや望月さんは、プロゲーマーのウメハラさんたちがバリバリ活躍している姿を見て育ってきていて、それに自分も憧れてプロゲーマーを目指した新世代の、いまをときめく格ゲーマーたちのような感覚があるのかなと。
望月:あぁ、言われてみればたしかにそうですね!
千葉:それこそ昔はコスプレの写真を上げてそれがバズるとか、コスプレでお仕事をもらえるなんて考えられなかったですからね(笑)。
コスプレイヤーの“キャラ選び”の基準とは?
歌広場淳:素朴な疑問なんですけれど、コスプレイヤーのみなさんは自分がコスプレするキャラをどうやって選んでいるんでしょう。「好きだから」というのはもちろんあるとして、「この子のコスプレがやりたい!」と思う基準とかってあるのかなと。
望月:リリーに関して言えば、デザインやゲーム内での操作感も決め手だったんですけど、身長や体型が似ているかどうかはけっこう大事かもって思います。ほかの方とあわせたときの身長差とかが気になったりもするので。
歌広場淳:“あわせ”というのは、同じ作品のコスプレをしている人どうしで写真を撮ることですよね。
望月:そうですね。これはあくまで個人的なポリシーで、他人に押し付けたりはもちろんしないんですけど、「原作ではこのキャラとこのキャラが並んだら、これくらいの身長差はあるんだよな」という身長差まで含めて再現してあげられたら、理想だなと思うので。
歌広場淳:なるほど! ほかのコスプレイヤーさんとあわせたときに、いかに自分の理想に近付けられるかという観点もあるというのは盲点でした。
でも、それで言ったら千葉さんは明らかに自分からかけ離れたキャラクターというか、だいぶ人間離れしたブランカのコスプレをされているわけですけど……。
千葉:あ、私の選ぶ基準は、自分の顔に似ているキャラクターです。
歌広場淳:いや、ブランカを見て「俺と似てるかも」ってならなくないですか!?
千葉:でも、表情豊かなところとかありますし、「これならいけるかも」って思いましたね(笑)。
歌広場淳:いやいやいや! ……というか、いまさらですけど千葉さんがスキンヘッドにしている理由って、ウィッグを被るときに邪魔にならないようにと考えているからだったりします?
千葉:はい。そうですね(笑)。
歌広場淳:気合の入りかたがエグい!
コスプレが日常を侵食していく
歌広場淳:千葉さんがスキンヘッドにしているところとか、まさにだと思うんですけど。おふたりが、「自分はコスプレイヤーなんだなぁ」って思う瞬間ってどんなときですか?
千葉:たとえばゲーム画面やゲームの設定資料集とかを見たときに、すぐに服の材質とか布の種類とかを考察しはじめちゃうのは「コスプレ脳だなぁ」って思う瞬間かもしれないです。こういうメイクをすれば再現できそうだな、とか。
歌広場淳:キャラクターを見た瞬間から、もうどうやって表現しようかを考え始めてしまうんですね。そういった考えかたになったのって、コスプレを始めて何年目くらいのころからでしたか?
千葉:3年目くらいだったと思います。
歌広場淳:3年目!? 早い! ……のかどうかはわからないけれど、とにかくすごい!!
望月:私も千葉さんと似たようなお話で、ジュリのコスプレをするとなったときに眉毛を剃って麻呂眉にしたりとか、ウィッグからはみ出るから、もみあげを全部剃ったりしたんです。
それでいざスッピンになって冷静に鏡を前にしたら、麻呂眉だしもみあげも消滅してるしで、「これコスプレイヤーじゃなかったら絶対やってないな」って笑っちゃったことがありました。
歌広場淳:おふたりとも、やっぱりコスプレイヤーとしての活動が日常生活の何気ない瞬間を侵食してきているなと感じたときに、「コスプレ脳になってるな」と思っちゃうわけですね。
コスプレイヤーにとって“再現が難しいキャラ”とは?
歌広場淳:2023年6月に『スト6』が発売されたわけですが、発売されるにあたって、おふたりのコスプレイヤーとしての『スト6』に対する注目度はどのくらいでしたか?
千葉:おそらく、かなり流行るだろうなとは予想していました。発表のときから盛り上がりがすごかったので、最速でブランカの資料集めを始めましたね。
望月:私はもともと格ゲーマーじゃなかったので、発売されることを知ってはいるという程度でした。ただ、発売されてからは「コスプレイヤーの女の子たちのあいだで『スト6』が流行ってきているんだな」と感じることはどんどん増えていきました。
時期によって、「いまはこれがアツい!」というゲームが移り変わっていくようなところがあるんですけど、いまは『スト6』がその位置にいるような感じがあります。
歌広場淳:僕としては、『スト6』ではジュリのコスプレをされている方をよく見かける印象があります。実際に人気なんじゃないかなと思っているのですが、コスプレイヤーさんの視点から見て人気が出やすいキャラクターの条件ってあったりするのでしょうか?
望月:実際、ジュリは人気だと思いますよ。純粋に女の子から人気が出そうなビジュアルだということもあるのかなと。
コスプレイヤーの中で人気が出やすいキャラクターとなると、やっぱり身長や体格や肌の色などをすべて加味したうえで、なるべく日本人離れしていないキャラクターですよね。それだけ再現しやすくなるので。ジュリはビジュアルの良さに加えて、このあたりの条件も満たしていると思います。
歌広場淳:再現しやすいようなキャラクターなら、それだけチャレンジする人も増えるってことですね。ゴールデンボンバーの『女々しくて』も似たような話で、あの曲が流行ったきっかけのひとつには“真似しやすさ”があったみたいなんですよね。フリが簡単ですぐに真似できるから、飲み会後のカラオケなんかに最適だったそうで。
逆に、これはちょっと再現が大変そうだなと思うキャラクターとなると、マノンやマリーザとかになってくるんでしょうか。
望月:そうですね。あとはリリーやキンバリーも、ジュリと比べると1段ハードルが上がるのかなという印象です。褐色の時点でかなり大変さが増すので。
歌広場淳:ファンデーションとか塗らなきゃいけないから。でも、そういったハードルの高さが逆に燃える、なんて人も一定数いそうな気がします。
望月:そうですね! 身長や体格の近さや、衣装の作りやすさというのはあくまで判断基準のひとつなので、それはそれとしてハードルを果敢に乗り越えていくような方もコスプレイヤーさんの中にはちょこちょこいますね。
歌広場淳:千葉さんは、まさにハードルが高いと火がついちゃうタイプなんじゃないですか? ブランカとか全身緑色ですし、相当ハードルは高かったのかなと思うんですけど。
千葉:はい(笑)。でも、ブランカコスプレ自体は『ストリートファイターIV』時代からやっていたので、『スト6』でやる際には当時のものをある程度流用できましたから、そこまでハードルは高くなかったです。
歌広場淳:いや、答えになっていないですよ!(笑) それならそれで、『ストリートファイターIV』当時に作ったときは大変だったんじゃないですか、って話じゃないですか!
千葉:あっ、そうか(笑)。ふつうは大変ですよね。
歌広場淳:もはや千葉さんはコスプレのための苦労を、“苦労”と認識できなくなるほどの境地にまで達しているんですね……。一応お聞きしたいんですけれども、おふたりがいままでに一番大変だったコスプレの思い出があったらぜひ知りたいです。
千葉:パッと思い浮かぶものだと、「鉄拳」シリーズの三島平八は大変でした。あの髪型をウィッグで再現するのにすごく苦労しました。
歌広場淳:平八といえば、“八”を上下反転させたようなフォルムの髪型が特徴的ですよね。どうやってあれを再現したんですか?
千葉:まず一般的なウィッグを半分に削ぎ落として、そこにハンガーを接着しました。ハンガーを芯材にして、そこにウィッグを縫い付けるような形で髪の毛の動きをつけていったんです。
歌広場淳:なるほど、ハンガーという手がありましたか!
望月:私は、なんだかんだでリリーがぶっちぎりで大変だったかもしれないです。
歌広場淳:平八と同じく、リリーも重力に逆らっているタイプの髪型ですもんね。
望月:はい。ただ、髪型はウィッグさえ作れてしまえばずっと使っていけるんです。それより大変なのは、毎回ファンデーションを塗って褐色肌を再現しなきゃいけないことで……。
歌広場淳:ああ、肌の色の調整が大変という。
望月:そうなんです! あと、『RAGE STREET FIGHTER』のように対戦会があるようなイベントだと、相手の方とグータッチするときとか、コントローラーを触るときとかに、手のファンデーションがついてしまわないように気を使ったりする必要もあるので。
歌広場淳:ちょっとした動きでも、つねに周囲に気を配る必要があるわけだ。めちゃめちゃ考えることが多そうですね。
そういえば、「ゴールデンボンバー」にも樽美酒研二という白塗りの男がいるんですけど、あの人は撮影とかが長くなると白塗りのせいで肌が痒くなってきちゃうみたいで。ただ、引っかいたら白塗りがよれちゃうから、対策として爪楊枝を持ち歩いているんですよ。痒くなったら爪楊枝でツンツンと突いて、なんとか耐えるという(笑)。
望月:爪楊枝ですか!? その発想はなかった……!!
歌広場淳:千葉さんはどうしていますか? ブランカコスプレをしているときに、顔が痒くなったときとか。
千葉:顔は絶対にかけないですからね。我慢です。我慢するしかない……。
望月:私もジュリのコスプレをするときは、テーピングでガッツリ目尻を上げたうえでメイクをするんですよ。頭皮が引っ張られて痛くなるし、ご飯を食べると口の動きでテーピングが取れちゃうのでお昼ごはんを抜くこともありますね。
歌広場淳:テーピングで目尻を……って、すごい力技ですね。
望月:『ファイナルファンタジーXIII』のライトニングのコスプレをしたときとか、尋常じゃないくらいのテーピングをしていました(笑)。
歌広場淳:「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラは、たしかに人間離れしていますもんね。こうも大変なことがあると、「もうコスプレなんてやってられないよ!」と心が折れそうになるようなこともたまにはあったり……?
千葉:うーん、とくに大変と感じたことがないですから。
歌広場淳:そうだった(笑)。千葉さんはそのタイプの人でしたね。望月さんも千葉さんと近い感覚をお持ちなんでしょうか?
望月:そうなんですよね。準備している最中には、「なんでこんな過酷なスケジュールを組んじゃったんだろう」とか、「こんな大変なことはこれっきりにしよう」とか思うことはあるんですけど。そんなことを懲りずに何度もくり返して、気がついたら10年以上経っていたなって感じなので。