『Weekly Virtual News』(2024年12月09日号)
冬の『Vket』にホロライブ・火威青が登場 企業の“解像度高め”な参入事例が相次ぐ『VRChat』
『Vket2024冬』が開幕 ホロライブ・火威青の電撃出展も
☃━━\ついに開幕!/━━☃
世界最大級のメタバースイベント
『#Vket 2024 Winter』
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2024.12.7 ~ 2024.12.22🔹クリエイターによるバーチャル空間の祭典❗
🔹企業の出展ブースも多数❗
🔹世界各地から気軽に来場❗
🔹入場は無料✨ #Vketはじまったな https://t.co/lDop8a13q5— VirtualMarket バーチャルマーケット Vket (@Virtual_Market_) December 7, 2024
12月7日から、『VRChat』にて大規模イベント『バーチャルマーケット2024 Winter(『Vket2024冬)』がスタートした。毎年夏と冬に開催される定番イベントであり、様々な企業の出展コンテンツや、クリエイターやコミュニティによる展示が楽しめる。今回は音楽即売会イベント『MusicVket 6』も同時開催されており、2つのイベントをはしごすることも可能だ。
筆者もまだ全会場を巡りきれていないが、富士山、お台場、ラスベガスをテーマにした企業出展会場は視察してきた。富士山モチーフの会場には、名前にちなんでか日本人向け集会場ワールドとして今年飛躍的に利用者数が伸びた「FUJIYAMA」の特設ブースが設けられるなど、一味違う色が垣間見えた。出展企業数は過去の開催回より抑えめにも感じたが、このくらいの展示数のほうが来場者の負担も少ないな、とも感じた。
◇━━━\緊急速報/━━━◇
ホロライブの火威青くんが
🎊#Vket に出展決定🎊
◇━━━━━━━━━━━━◇ホロライブ所属の青くん(@hiodoshiao )のお部屋をブースで再現!
なんとツーショットも撮影できちゃいます📸
棚には記念の写真集も……?#読者 のみなさん、ぜひお越しください!🙌 pic.twitter.com/AM8maiZZfQ— VirtualMarket バーチャルマーケット Vket (@Virtual_Market_) December 6, 2024
舌を巻いたのは、ホロライブ所属のVTuber・火威青の出展ブースがあったことだ。お台場テーマ会場の最初に構えるブースでは、火威青のパネルとのツーショットを撮るコーナーが設けられている。直近の『VRChat』への猛プッシュを受けたと思われる、素早いアサインのように見えるが、その上で夏の開催から見られる「思い出を持ち帰る」方向性の展示へと昇華させたのは、長年開催され続けてきたVRイベントならではの手腕を感じるところだ。
「Vket」にとどまらない、企業の『VRChat』進出が相次ぐ
『バーチャルマーケット2024 Winter』の企業出展は同イベントの花形コンテンツのひとつであるが、直近ではさらなる派生展開も垣間見える。
【トピックス】
常設のメタバース空間
「VR TRAIL(VR トレイル)」オープンhttps://t.co/lvubS44VHd… pic.twitter.com/0ciFEMfKqc— ヤマハ バイク (@yamaha_bike) December 3, 2024
まず、出展企業のひとつであるヤマハ発動機は、12月3日に常設ワールド「VR TRAIL」を『VRChat』上に公開した。静岡県周智(しゅうち)郡森町のミリオンペタルバイクパークを再現したコースを、同社のeBike(スポーツ電動アシスト自転車)に乗って走ることができる体験コンテンツだ。
写真映えする自然豊かなロケーションと、ゲーム感覚で楽しむことができる自社製品のバーチャル走行体験の組み合わせは、『VRChat』ユーザーにもうまい具合にヒットしそうな施策である。公開から5日ほどで3万人弱の人が訪れているのを見るに、ソーシャルVRを活用したPR施策として、好調なスタートを切れている印象だ。
同じく『バーチャルマーケット2024 Winter』出展企業のアサヒ飲料は、アセット販売という軸でユーザーにタッチを試みるようだ。同社の代表的な清涼飲料水であるカルピスを、様々な割り方で作ることができるギミックに、飲むだけでなく”飛ばす”こともできるウィルキンソンのギミックの2つを発売し、その展示を出展ブース側で行う形を採用している。『バーチャルマーケット』運営企業・HIKKYが有する「Vket Store」ではなく、『VRChat』関連ECのデファクトスタンダードとして名高い「BOOTH」にストアを構えているのもポイントだ。
遊び心あるこれらのアセットは、3回に渡る現役ユーザーとの企画会を通して作り出されたもののようだ。さらに、『VRChat』のグループも開設し、フォトコンテストも開催するなど、初出展らしからぬ力の入れようを感じるところだ。ブース出展で終わらない前のめりな姿勢は、メタバース事業参入における軸のブレなさにつながるはずなので、今後の展開に期待がかかる。
私たちダイアナ株式会社は12/6(金)にメタバースファッションアイテムをBOOTH•StyMoreにて販売を開始しメタバース事業に力を入れていきます👠✨
新参者ですが、よろしくお願いいたします。#ダイアナシューズ #StyMore pic.twitter.com/7Moz57dbHc— ダイアナシューズドットコム (@dianashoesmeta) December 4, 2024
『Vket』の外でも、シューズブランドのダイアナが12月6日にメタバースファッションへ参入するという展開が見られた。同社を代表する商品のパンプスを3Dモデル化し、バッグ、ドレス、ハットが付属するトータルコーデのセットが、「BOOTH」およびアダストリアの特化ECサイト「StyMore」にて発売がスタートした。
ただ発売するだけでなく、事前にアンバサダーを起用したPRを展開し、12月17日にはアダストリアと共同で試着会の開催を発表するなど、『VRChat』ファッションカルチャーをよく理解した展開が目に留まる。現地をしっかりと理解した事業進出の流れが、着実に広まりつつあるようだ。
年の瀬のライブラッシュにあらたな『VRChat』参入VTuberも
年の瀬が近いということもあってか、各所でVTuberのライブイベントが相次いだ。ホロライブ・宝鐘マリンは2Daysでライブを、にじさんじからは「さんばか」(リゼ・ヘルエスタ、アンジュ・カトリーナ、戌亥とこ)、三枝明那、不破湊らが相次いでライブを開催し、活況を迎えている。
また、ホロライブ・白上フブキは『VRChat』で単独での配信を実施した。景観のよい温泉ワールドで雑談をする配信や、MyDearestが公開した『8番出口』公式ワールドへのチャレンジなど、立て続けに2回配信を実施している。火威青から始まった流れが、宝鐘マリンに続き届いた形であり、ここからどう派生するかも注目したいところだ。
ANYCOLORへの業務妨害で逮捕者が発生
【当社に対する業務妨害容疑での被疑者逮捕に関するご報告】
日頃よりバーチャルライバーグループ「にじさんじ」・「NIJISANJI EN」を応援いただき、誠にありがとうございます。… pic.twitter.com/dkr2yaAT8L— ANYCOLOR株式会社 (@ANYCOLOR_Inc) December 4, 2024
そんな中、にじさんじ所属タレントとANYCOLORへの脅迫・業務妨害を行っていた人物が、同社への業務妨害容疑で逮捕されたとの報告があった。訴訟・示談はいくつか発生していたが、逮捕事例が明らかとなるのは初と思われる。声明を見るに、誤信に基づく犯行であったようで、なかなかに難しい事案であると推察される。
ANYCOLORとカバーはこれまで共同で誹謗中傷対策に取り組んできており、今回の一報は業界を代表する二社の努力が実を結んだとも言える。こうした事象に毅然と対応できるようになった点からは、業界の成熟を感じるところだ。
「メタバース」が2024年に“本当にバズった”理由と経緯 識者がデータを交えて徹底解説
スタンミ、ホロライブ、VAULTROOM……2024年に入ってから、予想だにしない方面から、ソーシャルVR『VRChat』へ乗り…