『VALORANT』日本の頂点に立ったFENNELに、ファンの気になる“質問”をぶつけてみた

FENNELにファンの“質問”をぶつけてみた

 我々メディアは、eスポーツ大会では必ずと言っていいほど「優勝チームの囲み取材」というものに参加する。

 ここで「投げかける質問」を考えるのがメディアの仕事ではあるのだが、ふと「現地でファンから『選手に聞きたいこと』を募ってみよう」と考えた。

 今回はそんな感じのドキュメンタリー風レポート記事である。

類を見ない大激戦、そして消滅する終電

 取材したのは、3月31日にポートメッセなごやにて開催された『VALORANT Challengers Japan 2024 Split 1』決勝のREJECT対FENNEL。まず結論から書くと、今回は非常にタフな取材になった。5マップ中の3マップがオーバータイムに突入する大激闘。特に4マップ目は、来場者や関係者たちがいろいろな意味で注目する戦いになった。

 2-1でリードしていたFENNELが勝つと、その時点で雌雄が決していたが、両者一歩も譲らず、38ラウンドに達した末にREJECTが勝利を収めた。この瞬間、我々関係者たちの「東京への終電」は消滅。私もその場でスマホから名古屋駅周辺のビジネスホテルを予約した。

試合の合間に会場を散策

 試合後の優勝チームインタビューに備えて、会場内を歩きながらFENNELやREJECTのファン(※この時点ではまだ結果が出ていないため)を探してみることに。

いつもの飲食エリア。最終的に9時間に及ぶイベントになったので、非常に助かった
いつもの飲食エリア。最終的に9時間に及ぶイベントになったので、非常に助かった
いつものエナジードリンク、購入列に並んでいる人たちも試合結果が気になる様子
いつものエナジードリンク、購入列に並んでいる人たちも試合結果が気になる様子

 人気ストリーマー(mittiii、善悪菌)による公開ウォッチパーティも開催された。MOTHER3、SurugaMonkeyの姿もあり、各ストリーマーのファンも多く会場に駆けつけていて、すごい人だかりだった。

 初の名古屋開催だったが、ポートメッセ名古屋でのVCJはとても快適だった。会場内のどの場所からも大型スクリーンを見られる設計になっていて素晴らしかったので、またいつかここで開催してほしい。

 ではここからは、会場のファンたちに「あなたなら優勝チームに何を質問する?」を聞いてみることにしよう。

来場者に「あなたなら何を質問する?」を聞いてみた

──このあと優勝チーム(FENNEL)にインタビューしてくるのですが、何か聞いてみたいことはありますか?

左側女性:えーと……「試合前のルーティン」とか!

右側女性:それYouTubeで言ってたよ!

左側女性:え! じゃあ止めよう(笑)。何かあるかな。

右側女性:そうだ! GON選手に「Dep選手(ZETA DIVISION)のコラボのマウスパッドを使っていた理由」を聞いてほしいです!

左側女性:それめっちゃいいね!「Dep選手からもらったのか」「買ったのか」とか聞いてほしい。

GON選手が使用していた赤いマウスパッド(Pulsar ES2 Dep Edition)
GON選手が使用していた赤いマウスパッド(Pulsar ES2 Dep Edition)

 早速、ファンからとても良い質問をいただいた。たしかに気になっていたところではある。ただ、この質問は各方面から、掲載NGが出そうというか……。残念ながら、こちらは筆者の判断で自重することとなった。

 追加でほかのファンにも聞いてみる。

──このあと優勝チーム(FENNEL)にインタビューしてくるのですが、何か聞いてみたいことはありますか?

右側男性:オーバータイム後、FENNELが負けちゃった後のチーム内の雰囲気がどうだったのか知りたいです。すぐ気持ちを切り替えられたのかが気になります。

──4マップ目で接戦の末、負けてしまった直後ですね。「控室でどんな話をされたのか」とかでしょうか。

右側男性:そうです、そうです! ぜひ聞いてほしいです。

4マップ目では逆転を許すも最終的には勝利したFENNEL
4マップ目では逆転を許すも最終的には勝利したFENNEL

 これも良い質問である。ただ、似たような質問が他メディアから出そうではあるので、念のため追加でファンに聞いてみる。

──このあと優勝チーム(FENNEL)にインタビューしてくるのですが、何か聞いてみたいことはありますか?

左側女性:えぇ! やばっ!!

右側男性:どっちのチームも応援しているのですが、まずはFENNEL側への質問を。以前はhiroron選手がチームの中核だったと思っていて、その枠がDerialy選手なのかと思います。Derialy選手の強みを知れるとさらに応援しやすくなる気がします!

──これはほかのメンバーに聞くのが良さそうでしょうか?

右側男性:はい! 一緒にやられているCLZ選手かSyouTa選手に聞いてほしいです!

試合中のDerialy
試合中のDerialy

 これもかなり良い質問である。本当に日ごろから『VALORANT』をプレイしているファンならではの質問だ。戦略にも関わるセンシティブな質問ではあるが、優勝というこのタイミングであれば聞けるだろう。

囲み取材のはじまり

 報道関係に詳しくない読者のために、囲み取材の流れについて少し説明をすると、多くの囲み取材では、冒頭に「代表者質問」という、運営側が基本的な質問を聞くフェーズが存在する。代表者質問が終わると、各メディアが挙手してオリジナルの質問をしていくことになる。私は代表者質問、および各メディアの質問がひと通り終わってから質問をすることにした。

代表者質問フェーズ

──優勝おめでとうございます。

CLZ:ありがとうございます!

──試合の振り返りをお願いします。

CLZ:めちゃめちゃ長いラウンドをプレイして、本当に疲れた試合だったんですが、みんな頑張ってくれて勝てたと思うので、良かったと思います。

他のライターさんの質問フェーズ

──大変な試合だったと思います。実際に戦ってみてどうだったのか。またチーム内でどういった声掛けをしていたのかをお聞かせください。

SyouTa:昨日に引き続き、今日もとてもタフな試合でした。特に4試合目で、自分も含めみんなの体力が持っていかれてて「(メンバーも)しんどいんじゃないかな」と思っていました。でも、自分ひとりでも寿命を削って燃え尽きようと思い頑張りました。

 GONさんから「お前は後悔しないプレーを出せばいい」、Xdllからは「行けると思ったときに行け」という言葉を掛けてもらい。みんな僕のことを信じてくれているのを感じました。

 そこでなんでもできるような自信が湧いてきて、すでに体力は残っていないはずなのに、最後のマップでは疲れは感じませんでした。

──Day1準決勝もDay2決勝ともに接戦だったかと思いますが、そこで相手を上回ることができたのはどういった要因があるのでしょうか。

Eulerコーチ:僕の視点では、どちらの試合も「練習でやったこと」がそのまま反映されていると感じました。

 勝ったラウンド、負けたラウンド、勝ったマップ、負けたマップ、各々のパフォーマンスも含めて、前日それぞれがどう過ごしたか、それらがすべてつながっているように思います。

 僕らが相手よりも一歩上回れたのは、周りのサポート含めて、これまでやってきたことが少しだけ上回っていたからだと感じます。

いよいよファンからの質問をぶつけてみる

──会場でファンから質問を募りまして、そのなかから一つお伺いさせてください。CLZ選手とSyouTa選手に質問です。以前はhiroron選手がチームの中核でしたが、現在はその役割がDerialy選手に移っているかと思います。彼のチーム内での役割や強みをお聞かせください。

CLZ:Derialyくんは「すごく練習に真面目」というのが一番いいところだと思っていて。プロ選手にとって、真面目に取り組むことが一番大事であり、一番難しいことだと思うんですが、(Derialyは)そこが欠けていないんです。

 チームの雰囲気が悪いときも、率先して自分から声を出してくれます。チームの雰囲気をガラッと変えてくれる選手なのかなと思います。あとフィジカル(撃ち合い)が強いです。

SyouTa:最初にメンバー全員が揃ってからの練習でも感じましたが、メンバーの中でも一番落ち着いてコールを出している選手です。

 敵の状況と味方の状況を冷静に伝えることができるので、そこはhiroronn選手にも負けていないのかなと思います。

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