関わるすべての人が「ゲームを好きで良かった」と思えるように――GLOE株式会社・谷田優也&VTuber・渋谷ハルが語る“ゲームと寄り添う人生”

GLOE・谷田優也氏&VTuber・渋谷ハル対談

「“渋谷ハル”は演者の枠を超えた優秀な経営者さん」(谷田)

――渋谷ハルさんは以前、ご自身のnoteにてセルフブランディング戦略を詳細に公開されていましたよね。2~3年前と現在とで、セルフブランディング戦略などに変化やアップデートはありましたか。

渋谷ハル:VTuberとして駆け出しの時期には、自分の生活をすべて削ってでも成し遂げようと思うようなビジョンがあったんですけど、最近は「考えすぎても疲れちゃうよな」と思うところもありまして。自分自身を追い込みすぎて倒れてしまったら元も子もないので、ある程度のペースを維持しながら走り続けることがテーマですね。

――谷田さんも、そうした渋谷ハルさんの戦略家的な一面をご存知のことと思いますが、どのような印象をお持ちですか。

谷田:ハルくんのnoteを読んだときは衝撃を受けましたね。これほどまでに物事を戦略的に考えて実行できる演者の方が世の中にはいるのかと。もはや僕は、ハルくんのことをイチ演者さんを越えた優秀な経営者さんのひとりだと思っていますし、心から尊敬しています。

 こういうことを僕が言うと、ハルくんは「そんな考えてやっていないですよ。その場のノリです(笑)」と謙遜するんですけれど、時流やトレンドに合わせて戦略的にビジネスを構築しようとする経営者的な思考と、視聴者を魅了してしまう天性のエンターテイナーっぷりとのバランスが完璧なんですよね。

 そんなハルくんとお仕事をしていると、我々もアウトプットの質が引っ張られるというか、より良いモノを生み出そうとするエネルギーをわけてもらえるような感覚になります。

 『V最協』の運営を担当している弊社の制作メンバーたちも、「ハルくんの要望をどうにかして叶えたい!」というバイタリティが半端じゃないので、「これは軽く見積もっても大会配信が10時間超えの長丁場になりそうだ」と判明したときも、「それくらいトコトンやったほうが“渋ハルの大会”らしいよね!」と、むしろ腕まくりをしていたくらいでした(笑)。

――お互いにリスペクトし合う間柄なのだということが伝わってきます。渋谷ハルさんは、『V最協』を通じてGLOEの運営スタッフの方々から刺激を受けていることなどはありますか。

渋谷ハル:刺激を受けるかどうかと聞かれたらそれはもう、刺激受けっぱなしですね(笑)。『V最協』では、ほぼ毎回、試験運転を兼ねて前夜祭をやっているんですけれど、前夜祭の雰囲気を見たうえで、僕と運営プロデューサーさんとのあいだでは「明日の本大会ではこんなことをやってみたらどうでしょう?」と提案の応酬が始まるのがお決まりのパターンなんです。

 本番直前になって言い出した僕のわがままを、GLOEのスタッフさんたちは「それなら技術的に可能だからやりましょう!」と聞き入れてくださいますし。逆にイマイチなアイデアだった場合には、「それはそもそもイケてないから、もう一度考え直しましょうか」とハッキリ言ってくださるところも、相談相手として信頼できて本当にありがたいなと。

 僕もそうですけど、スタッフさんたちも同じように、ビジネスうんぬんを抜きにして純粋に「自分たちの好きな『V最協』をより良いモノにしたい」という熱量を持って動いてくださってる。それが毎回ひしひしと伝わってくるので、頭が上がらないです。

谷田:『V最協』制作メンバーたちの行動原理は、「渋谷ハルをニヤニヤさせたい!」なんですよね(笑)。ハルくんは大会終了後の振り返り配信の中で、たびたび運営サイドについても触れてくれるわけなんですが、現場のスタッフたちは目ざとくそのシーンを見つけてきて、タイムスタンプ付きで社内チャットで共有しているんです。「ハルくんが運営スタッフに対してこんなうれしいことを言ってくれているよ!」、「いやもう、ハルくん最高やん……」というように。

 変な話ですが、我々はハルくんのような、クライアントさんから何か特別なご褒美が欲しいわけではなくて、とにかく彼らを“気持ちよくさせたい”というか。「おもしろい!」「楽しい!」と思ってもらえることにこそ、やり甲斐や生き甲斐を感じるタイプの人間なんだと思います。

ゲームに関わる人々にとっての“便利ツール”として

――GLOEとして、渋谷ハルさんをはじめとするVTuberの方々を「このような形でサポートしていきたい」といった構想がありましたら教えてください。

谷田:たとえばゲームメーカーさんとお仕事をするとなったときに、我々は「ゲームメーカーさんが魂を込めて命がけで作ったゲームを、1人でも多くの人に、1秒でも長く遊んでもらいたい」という思いを出発点に、「そのために我々は何ができるのか?」を考えていきます。それは、ゲームメーカーさんに「このゲームを世に送り出して良かった」と思ってもらいたいからです。

 言ってしまえば、そんな思いは僕らのエゴかもしれないし、「何様のつもりだよ」というお話かもしれない。ですが、プロゲーマーさんのマネジメントや、ハルくんのようなVTuberさんをサポートする際にも、根底には同じような思いがあるんです。

 彼らもまた命がけでゲームをプレイし、プレイを見てくれた人たちを楽しませることに心血を注いでいる人たちなので、彼らにも「ゲームを続けていて良かったな」、あるいは「この活動を続けていて良かったな」と思ってもらいたい。さらに言えば、彼らになるべく長いあいだ活躍し続けてもらいたい。「この活動を続けていきたい」と、思い続けられるようにしてあげたい。

 たとえるならば、我々は彼らにとっての“便利ツール”になりたいんです。個人の力だけでは実現が難しそうな取り組みに挑戦したいと思ったときや、独力では解決できないような悩みに直面したときに、「ひとまずGLOEに相談してみるか」と思っていただけるように。

――おそらく渋谷ハルさんは、そうした思いに端を発するGLOEのサポートの心強さを肌身で感じている立場にあると想像するのですが、いかがでしょう。

渋谷ハル:実際、『V最協』を開催するなかでGLOEさんに実現していただいたことは無数にありますね。『V最協』は毎回少しずつ進化を遂げていて、前回大会ではパブリックビューイング会場を設けさせていただけることになりました。

 しかも、僕が本番直前になって「本配信のキャスター陣とパブリックビューイング会場とで、コールアンドレスポンスがしたい」とわがままを言ったにもかかわらず、GLOEさんが完璧に環境を構築してくださって。本番もトラブルなく進行できましたし。もちろん、他の協賛企業各社様のお力添えもありますけど、GLOEさんには本当に毎回、夢を叶えていただいているなと感じます。

――VTuberの視点から、渋谷ハルさんが「いま、世の中のVTuberはこういったサポートを求めているのではないか」と思い浮かぶことがあれば教えてください。

渋谷ハル:昨今は、基本的にある程度著名なVTuberさんとなると企業に所属していらっしゃる方が多いので、個人でサポートを求めているVTuberさんはそもそも少ないと思います。

 ただ、なんとなくVTuberさんがフワっと「ゲームを絡めたイベントや大会をやりたい!」と思った場合、何もかもひとりでやろうとしたら絶対に限界はあるので、「どこに相談すべきか?」と考えたときにはGLOEさんが第一候補になり得るでしょうね。eスポーツの領域でたくさんノウハウをお持ちですし、プロフェッショナルなお仕事をしてくださるのも間違いないので!

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