『西遊記』題材の世界観とは? 中国発アクションゲーム『黒神話:悟空』トレーラーを考察

中国発アクションゲーム『黒神話:悟空』トレーラーを考察

 HoYoverseの『原神』『崩壊:スターレイル』、Hypergryphの『アークナイツ』といった中国産ソーシャルゲームの人気は、ここのところ凄まじい。とくに『原神』はダウンロード数が2022年8月時点で1億を超え、X(旧Twitter)に開設されている公式アカウントのフォロワー数は約358.4万(2024年1月27時点)。任天堂株式会社公式アカウントの423.5万に迫る勢いだ。国内外に膨大なプレイヤーを抱え、いまや世界的なタイトルに成長している。

 ソーシャルゲームに沸く一方で、中国産の家庭用ゲームでは『黒神話:悟空』が最近取りざたされている。本作は中国のデベロッパー・Game Scienceが開発しているアクションゲームで、『西遊記』を題材にした中国神話の世界を舞台に、プレイヤーは「天命人」と呼ばれるキャラクターになり、古い伝説に隠された真相を究明するための旅に出る。2023年12月に開催された『The Game Awards 2023』では、同作の発売日が2024年8月20日になること、そして最新のトレーラーも発表された。

Black Myth: Wukong World Premiere Trailer at The Game Awards 2023

 本稿では、そんな『黒神話:悟空』の最新トレーラーから読み取れる情報などをピックアップしていきたい。

伝説の真相を突き止めるべく、主人公は西遊の旅路へ

 映像の冒頭では、老人が墨らしきものをつけた筆で壁になにかを描いている。なにげないシーンだが、筆は中国で生まれて以来、日本を始めとするアジア各国で使われる道具。これだけでも本作の世界観が東洋であることがわかり、シンプルながら印象深い。

 映像の前半は会話を挟んで進んでいく。40秒から1分までには、師匠と弟子と思しきふたりの問答が続いていた。世には悪人より善人のほうが多いなら、なぜいつも悪が勝つのかという弟子の問いと、力の伴わない善意は悪を増長させるという師匠の答えなどが語られている。血で世界を浄化するのがお前の「運命」だという言葉もあり、ここで言う「お前」とは、「天命」を受けた人である主人公を指しているのかもしれない。

首から生えた枝の先に提灯を吊るしたような、妖怪を思わせる不気味な敵が出てきたのも印象的だ
首から生えた枝の先に提灯を吊るしたような、妖怪を思わせる不気味な敵が出てきたのも印象的だ

 ほかにも、日本語で「運命づけられた」などを意味する「destinied」という言葉もよく出てきた。さらに主人公を指すであろう「destinied one」という単語も確認できる。前述の会話に出てきた「運命」といい、本作のストーリーでは運命がカギを握るのだろうか。

 映像の後半では巨大な生物との戦闘が中心に。巨大なクモや羽虫、竜などに挑む主人公の姿が確認できる。なお、これまでに公開された情報により、主人公は伸縮する如意棒を使った攻撃をはじめ、「奇術」や「身術」という専用の技、ローリングやジャンプによる回避、ヒョウタンを使った回復ができることが判明している。激しいアクションに大迫力のシチュエーションなど、大作らしいダイナミックな作風が期待できそうだ。

 今回のトレーラーはキャラクターや世界観、敵の紹介などがメイン。システム関連の情報はなかったが、本作の根底にある雰囲気の一端が垣間見える内容だった。今夏の発売を予定している以上、新しい情報はもちろん、体験版の配信なども期待できるかもしれない。

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