VRChat「有料サブスク」導入でメタバース経済圏は本格化? 識者が徹底解説

VRChat「有料サブスク」導入でどうなる?

「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」に見るメタバース住人の経済活動

 私とスイスの人類学者ミラが実施した大規模公開アンケート調査「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」では、メタバース住人の経済活動に関しても調査しています。こちらでその一部を紹介しましょう。

収入額 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023
収入額 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023

 現在収入を得ている人の割合は26%とまだ多くなく、特に「年間10万円以上」はわずか7%でした。一方で「将来的にVRの収入で生きていきたい」人は34%と一定数が意欲をもっています。このあたりはVRChatのクリエイターエコノミー導入で今後激動することが予想されます。

 収入の内訳のトップ2は「3Dモデル制作」と「VRイベント」でしたが、利用サービスによって極端な差が見られました。clusterやNeos VRでは3Dモデル制作が突出しており、バーチャルキャストではVRイベントが突出していました。

収入種別 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023
収入種別 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023

 収入金額をサービス別で分析すると、VRChatは支出が大きいにも関わらず収入は少なく、バーチャルキャストは支出・収入共に高いです。男女別では、女性の方が収入が多いという結果になりました。地域別では(そこまで極端ではないですが)北米が高めで、日本は低めとなりました(※5)。

収入額 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023
収入額 - ソーシャルVRライフスタイル調査2023

 このように、現時点では限定的であるものの、すでにメタバースにおける経済活動の萌芽が見られます。今回のVRChatの動きを受けて、これがどう変化していくのか目が離せません。

〈出典・参照〉
※1:Paid Subscriptions: Now in Open Beta! — VRChat
※2:Introducing the Creator Economy — VRChat
※3:Introducing Paid Subscriptions | Dev Update - YouTube(4:30~)
※4:Apple対Epic訴訟、最高裁での係争中は「反ステアリング規則」は有効との決定 - ITmedia NEWS(2023/8/10)
※5:ソーシャルVRライフスタイル調査2023

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