Appleが新チップ『M3』と新『MacBook Pro』&『iMac』刷新を発表 プレゼンはiPhoneで撮影

アップル発表会まとめ M3チップ登場など

 Appleは本日午前9時から『Apple Event』を開催、『M1』『M2』に続く新たなチップセット『M3』シリーズを発表した。同イベントでは搭載されるモデルの発表もあわせておこなわれた。

『M1』からくらべて50%以上も性能が向上した『M3』シリーズ

 2020年の『M1』を皮切りにAppleが開発を続ける「Appleシリコン」。2022年の『M2』につづいて、新たなチップセット『M3』が登場した。この『M3』では主にグラフィックス処理に関するアップデートが目立ち、「Dynamic Caching」「レイトレーシング対応」などが主な注目点となった。

 『M3』チップは「Dynamic Caching」と呼ばれる新テクノロジーにより、リアルタイムでハードウェアのローカルメモリー使用量を割り当ててくれるため、それぞれのアプリケーションやタスクごとに必要な量のメモリのみが使われる。これによってメモリー使用量がより効率化され、たとえば3D制作といった場面での快適性がより高まった格好だ。

 また、Macにおいては初となる「レイトレーシング」にも対応する。これはNVIDIA社のGeForce RTXシリーズなどではすでに利用可能な機能で、光の反射をリアルに表現するうえでは欠かせないものだ。そのうえで、Appleシリコンの特長である高い電力効率は維持されているということで、『M3』チップは『M1』と同じパフォーマンスを約半分の電力で実現するとのことだ。

 Appleいわく『M1 Max』を搭載した16インチ『MacBook Pro 』とくらべて最大で2.5倍以上も高速なレンダリングが可能になったという『M3』チップ。CPU性能の面では、『M1』ファミリーと比較したとき「高効率コア」で50%、「高性能コア」で30%の高速化がはかられている。特筆すべき点としては、処理性能の向上にくわえてユニファイドメモリの最大容量が増加したことだろう。『M2 Max』では最大96GBまでだったメモリ容量が、『M3 Max』では最大128GBとさらに増加。AI開発などのワークフローでさらに効率化が可能となる。

 なお、今回の『M3』モデルは、『MacBook Air』への搭載は発表されず、かわりに14インチ『MacBook Pro』への『M3』搭載が発表された。14インチ『MacBook Pro』には「M2 Pro」「M2 Max」のモデルしかなかったため、選択肢がさらに増えた形だ。正確には13インチ『MacBook Pro』には『M2』が搭載されていたのだが、Touch Bar搭載モデルであったために好き嫌いが分かれ、購入を控えたという方もいたのではないだろうか。また、上位モデルである『M3 Pro』『M3 Max』搭載モデルはこれまでの「スペースグレイ」が「スペースブラック」へ置き換わった。

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