『Apple Watch』最新モデルで登場した「ダブルタップ」を先行体験 あらためて考える「期待」と「気になるポイント」

Apple Watch「ダブルタップ」体験レポ

 9月22日に発売された『Apple Watch Series 9』。『Apple Watch』の最新モデルで、基本的な外観は前モデルとあまり変わらないが、新たに採用されたジェスチャー操作「ダブルタップ」や、新チップ「S9」の搭載など、いくつかのアップデートがなされた。

 今回、筆者は「ダブルタップ」を10月のアップデート予定に先駆けて試す機会に恵まれた。本稿ではその使用感やその他の新機能・変更について気になったポイントを振り返る。

新たに採用された「S9」チップで実現したジェスチャー「ダブルタップ」

 今回発売された『Apple Watch Series 9』には新たなチップ「S9」が搭載されている。これは『iPhone 14』などに搭載されているチップ「A16」をコアにしたアーキテクチャで、これまでの7nm(ナノメートル)から4nmプロセスに変更されたことで、大幅に性能が向上している。Appleによれば「60%も多い56億個のトランジスタを詰め込んだ新しいデュアルコアCPU」であるとのことだ。

 この「S9」チップを搭載したことで利用可能となったのが、注目の新機能「ダブルタップ」だ。これは親指と人差し指同士をトントンと2回タップすることで反応する新たな入力方法で、背面の光学式心拍センサー、ジャイロスコープ、加速度センサーなどの情報を組み合わせ、ニューラルエンジンを介すことで実現したもの。主に手首の動きや血流の変化などを活用しているとのことだ。

 一応、Apple Watchには以前から、「アクセシビリティ」機能の一環として「ピンチ(タップ同様の操作)」「クレンチ(手首をグーパーと握りしめる動作)」などを入力操作として活用する方法が存在する。そのため少々混乱したユーザーもいるだろう。

 しかし、実際に「ダブルタップ」を利用してみると、まったくの別物であることが実感できる。とくに反応の良さがやはり段違いで、軽くタップしただけでも反応してくれる。操作の補助としてピンチやダブルピンチをこれまでにも活用していたユーザーは、きっと反応の良さに感動するだろう。

 気になるのは、ピンチ・ダブルピンチが廃止されるのかどうか。項目のフォーカス移動をピンチで「順方向」、ダブルピンチで「逆方向」などに設定していたユーザーは単純にひとつ操作方法が減ってしまうのか、それともシングルタップにも対応するのかどうか。このあたりはアップデートが来てから確認したいポイントだ。

 実際にどんなシーンで活用できるかについて考えてみると、意外に幅が広そうだということに気が付く。荷物を持っていて手が塞がっているときや、電車でつり革に捕まっているとき、ペットの散歩中など、片手でApple Watchが操作できればうれしいという瞬間は多い。

 そんなとき、電話がかかってきた際にダブルタップで電話に応答する、ショートメッセージに対してダブルタップと音声入力を利用して返信する、スマートスタックを呼び出すなどなど、さまざまな操作がおこなえるのは便利だ。もちろん、これ以外にもさまざまな動作を割り当ててカスタマイズが可能なので、「そういえば、こういうときはいつも両手で操作しているな」と思い出したシーン・機能について考えてみると、より便利にApple Watchを使っていけそうだ。

 「ダブルタップ」は今月のソフトウェア・アップデートで使用可能になるとのことなので、『Apple Watch Series 9』を購入した人はいましばらくの辛抱だ。なお、本機能は水中では使用できないとのことなのでその点は注意が必要だ。

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