“独身OLの日常”伝える動画、なぜYouTube上で人気? 「社畜OLちえ丸」らの例から考える

 独身OLの悩みや日常を見られるコンテンツが、YouTube上でトレンドになりつつあるのをご存知だろうか。この記事では「独身OL」と名乗る女性たちによるコンテンツがなぜ人気を集めているのか、その理由を探っていきたい。

ゴミ 休日の朝編

 YouTubeで「独身女性 OL」と検索すると多くのチャンネルが表示されるほど、女性の“おひとり様”コンテンツがブームとなっている。今回は人気クリエイターの「にゃんたこ」と「社畜OLちえ丸」の2つのチャンネルをピックアップし、彼女たちの動画が視聴者の心を掴む理由を深掘りしていく。

 「にゃんたこ」は、料理やお酒を楽しんだり、パチンコをしたりなど、「独身OLの何気ない日常Vlog」を日々投稿する、チャンネル登録者数が36.4万人を誇るYouTuberである(2023年6月18日時点)。動画内ではマスクを着用しており素顔は公開していない彼女だが、なぜ36万人を超えるファンがいるのだろうか。

 2018年10月に公開された「ゴミ 休日の朝編」は、「にゃんたこ」の休日の過ごし方を撮影した動画なのだが、視聴回数はなんと131万回を超える。犬と朝散歩に行ったり、簡単な朝ごはんを作ってお酒を飲んだり。一見飾り気のないVlogにも見えるが、この作り込まれていない等身大の姿が視聴者の日常とリンクし、憧れや共感を集めているのだと推測する。コメントでも「なんかみんなの求めてるものがにゃんたこの動画には詰まってるよな」「くっそ適当で草。でも堪らなく好き」とあり、がんばりすぎない彼女の姿に好印象を抱く視聴者が多いことがわかる。

【社畜OLの1日】限界突破「学生たちよ、これが現実だ 」

 また「社畜OLちえ丸」も登録者39.4万人を誇る人気チャンネルである。(2023年6月18日時点)概要欄には「世間で言うブラック企業に勤めてます。時には、5時起き&深夜帰り&休日出勤&パワハラ上司…でもなるべく楽しく過ごせるよう、工夫しています」と記載されており、ブラック企業のOLとYouTuberという二足のわらじ生活を送っていることが垣間見える。

 2021年3月に投稿された「【社畜OLの1日】限界突破「学生たちよ、これが現実だ 」」は、彼女の1日を動画にしており、555万回を超える再生数を叩き出している。「先月は残業が約130時間で『少なっ!』と言われた」「2週間ぶりに終電に間に合った」など、社畜の壮絶な日常が動画越しに伝わる内容となっていた。視聴者からは「2時間しか寝てないのに寝起きで『よしっ!』って起きられるってマジリスペクト」「辛くなったときにこの動画を見ています」と、尊敬や共感のコメントが多く見られた。

 「にゃんたこ」や「社畜OLちえ丸」の動画から、彼女たちの飾らないリアルな日常への共感や憧れが、独身OLによるコンテンツが人気になる理由だと推測する。また、顔出しなし&Vlogスタイルで気軽に動画投稿でき、会社で働きながら副業として続けやすいことも独身OLクリエイターが増えている理由なのだろう。

 1人でも強く生きる女性たちの姿を見たい方は、ぜひ“独身OLクリエイター”の動画をチェックしてみてほしい。

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