ブラック企業で働くYouTuberが人気上昇中? 過酷な環境でひたむきに頑張る姿に視聴者から応援の声

 今では、ブラック企業で働きながら過ごす日々の様子を動画で投稿するYouTubeチャンネルも増えてきた。登録者数約5万人のYouTubeチャンネル「ブラック企業で生き抜く社畜を見守るチャンネル」を例に、ブラック企業にかかわるコンテンツの魅力に迫っていきたい。

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 当チャンネルの運営者である男性・玄田小鉄氏は、とあるデザイン事務所で働くデザイナー。動画は落ち着いた声のナレーションが特徴で、聞き心地がよい。しかし、動画の内容はその声とは正反対に、まったくもって“心地のよい”ものではない。「長時間労働を強いられるが薄給」「勤務中は満足に食事を取れない」「深夜0時以降も働いている」など、彼が働いているデザイン事務所はブラック企業と言っても差し支えないだろう。「有給休暇消化中に働く」「心が壊れそうで精神科を受診する」など、かなりブラックなコンテンツが多いが、なぜ視聴者に見られるのだろうか。

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 理由の1つは、同じ境遇にいる人から共感を得ているからだろう。視聴者には同業者のデザイナーもおり「自分も23時まで働いています」「私もかつてブラック企業で働いて身体を壊しました」といった声が見られた。自分の置かれた過酷な境遇を、動画で再確認しているのだろう。健全な労働環境を作るという点で、ブラック企業をテーマにした動画が人気になることはあってはならないだろうが、同じような環境にいる方にとっては、彼の動画が助けになっているのかもしれない。

 心身をすり減らしていく玄田小鉄氏を心配する視聴者も多い。「大丈夫ですか?」といった彼を心配する声がコメント欄で多く、同様に彼が働く会社を批判する声も目立つ。また、彼が元気で過ごせるように、自身の経験を活かしたアドバイスをする視聴者も多くいた。

 また、彼のコンテンツが視聴者に受け入れられている要因として、「自分の置かれた環境に愚痴を吐いていない」点も考えられそうだ。動画を視聴してみるとわかるが、ブラック企業で働く実態を動画で届けてはいるものの、ブラック企業自体を否定するような言動はしていない。それゆえに心身をすり減らしているのかもしれないが、過酷な環境の中でひたむきに頑張る様子は、視聴者の励みになっている側面もあると考えられる。本記事を見て気になった方は、この機会にぜひ「ブラック企業で生き抜く社畜を見守るチャンネル」を視聴してみてほしい。

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