アンチコメントを引用した動画がヒット YouTuber・オムライス兄さんが“オムライス動画を投稿し続ける理由”

オム兄が“オムライス動画を投稿し続ける理由”

 TikTokやYouTubeで、ひたすらオムライスを作る動画を投稿する独特なクリエイター「オムライス兄さん」で、YouTubeではチャンネル登録者数34.1万人、TikTokでは66万人のフォロワーをもつ、人気クリエイターだ。

 「バナナでオムライスを作ってほしい」といった視聴者の要望に応じた独特なオムライスを作る発想力と実行力はもちろん、何よりオムライスを作る動画を一貫して投稿し続けたことが人気を獲得してきた要因だ。今回はそんな彼に、動画投稿を始めたきっかけやオムライス関連の動画を投稿し続ける理由を聞いた。

オムライスを作り続ける理由

――動画投稿を始めたきっかけを教えてください。

オムライス兄さん(以下、オム兄):もともと僕はずっと動画制作の裏方をやっていたんですけど、21歳のときに自分でビジネスを始めたんです。ブログの執筆や動画編集をしていたら、自分でも動画配信をできるなと気づいたのがきっかけでした。

――そのときは、どのような動画を制作したのですか?

オムライス兄さん

オム兄:料理だったら継続できるなと思ったのと、海外向けに発信したかったこともあって、和服を着て和食を作る動画をアップしていました。そこでは炊飯器レシピとかを紹介していたんですけど、その後、“オム兄”になりました。

――オムライスを作ってみようと思ったのは、ザ・洋食屋キチキチの店長である幸村元吉さんのYouTubeチャンネル「Kichikichi Omurice motokichi」のオムライス作りの動画をご覧になったことがきっかけだそうですね。

オム兄:はい。YouTubeを見ていたときに、たまたまキチキチさんの動画が“おすすめ”に上がってきたんですけど、そのときに見た動画が1000万回再生を超えていたんですよ。加えて、「オムライス」でInstagramのハッシュタグ検索をしたら230万以上出てきたので、オムライスというのは需要があるんだと確信しました。

 次に、オムライスを“食べる”ことに需要があるのか、“作る”ことに需要があるのかを知りたかったので、YouTubeで「オムライスの作り方」で検索したら、それも200万回ぐらいの再生数が出ていたんです。でも、そのなかでオムライスに特化している人がひとりもいなかったから。じゃあ、この市場を狙おうということでオム兄になりました(笑)。それが2021年の7月のことなので、もうすぐ丸2年が経ちます。

――オム兄として動画を投稿したときは、反応はどうだったのでしょうか?

オム兄:いや、そこまで反応はありませんでしたね。だから、当時漫画『100日後に死ぬワニ』の影響で“100日後に〇〇する〇〇”というフォーマットがめちゃくちゃ流行っていたので、そこに乗っかろうとしました。そして、「100日後に完璧なふわふわオムライスを作るお兄さん」という動画を毎日投稿してみたら、徐々にバズっていった感じです。

――ちなみに、オムライス兄さんという名前の由来は?

オム兄:今となってはちょっと恥ずかしいんですけど、和食の料理動画をアップしていたときは「SAMURAI Cooking」という名前やったんです。やっぱり海外に向けて発信していたので、キャッチーな名前のほうがいいだろうと思って。でも、オムライスの動画は日本向けに発信しようと切り替えたので、名前をどうするか考えたんです。おすすめ動画に出てきたときに、普通の名前やと一発で覚えてもらえないから、まず「オムライス」という単語を入れようと決めて。「オムライス王子」とか候補はいろいろあったんですけど、そのなかで親しみやすくて子どもウケもするのが“兄さん”かなって。あと、この先僕が有名になったら、「オムライス」で検索すると「オム兄」が候補に出てくるようになるじゃないですか。そこも狙いました。

――動画制作をするうえで、こだわっていることはありますか?

オム兄:最初に企画をめっちゃ練ります。「いいね」の多い動画は絶対に需要があるということなので、まず自分の最近の動画で「いいね」が多いものを探して。なぜ、「いいね」が多いのかを咀嚼して、次の動画を作る際の参考にしますね。

 編集に関しては、フォーマットをしっかり作るようにしています。そのほうが、企業からの案件を受けやすいんですよ。というのも、企業側からすると、再生回数に関しては絶対にはずしたくないと思うんです。だから、“このフォーマットでやると、これぐらいの再生数が担保できますよ”ということを企業側に提示できるようにしています。今、僕はフォーマットを2、3個持っているんですけど、「この商品にはこのフォーマット」「オムライスを再現する動画にはこのフォーマット」というふうにはめています。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる