『Weekly Virtual News』(2023年6月12日号)
Appleの空間コンピューター『Apple Vision Pro』到来の衝撃と、『serial experiments lain』の描いた未来図

VRChatのいまが詰まったショッピングモールと、25周年のlain
今週の「Weekly Virtual News」はこれでいいか……と思いつつも、『VRChat』に摩訶不思議でカオスなワールド「ファンタズモール」ができたことは触れておきたい。いまや代表的なVRChatクリエイターの一人となったVR蕎麦屋タナベの新作だ。
解像度の高いショッピングモールの中に、様々なクリエイターが制作・販売しているアセットが販売物のように展示された、”バーチャルショッピングモール”と呼ぶにふさわしい空間だ。ただし、時折現れる無秩序なオブジェクトやギミックは、よしもと所属にもなった氏のセンスが牙を剥くところだ。
とはいえ、様々なクリエイターやコミュニティの制作物などが集まるこのワールドは、現在のVRChat日本コミュニティの一端が凝縮されている。VRChatコミュニティの現在地を知る材料がひとつ増えた。
そして、25周年を迎える『serial experiments lain』の代替現実ゲーム「Layer 3301: De-Cipher」についても触れておきたい。アニメ版プロデューサーが監修する没入体験として、デジタルグッズを通した限定アクセスコンテンツが軸になるとのことだ。一連のコンテンツは6月中にリリースが予定されている。
ある意味では、『Apple Vision Pro』の目指す未来や、『VRChat』に広がる現在の雛形ともいえる『serial experiments lain』が、こうした形で世に出てくるのはなかなかに興味深い。過去のコンテンツが描いた「未来図」の答え合わせをしながら、我々は一歩ずつ前進していく。ときに小さく、ときに大きく。


























