ダイソン初の空気清浄ヘッドホン『Dyson Zone』 着想の原点はまさかの“バックパック”だった

ダイソンの空気清浄ヘッドホンが持つ“原点”

『Dyson Zone』の秀逸な5つの基本原則

 『Dyson Zone』は5つの基本原則に基づき、屋外でも高音質かつ、イマーシブな音楽体験を実現させたという。

①高度なノイズキャンセリング技術 
 周囲の雑音を打ち消し、クリアな音声を届けるために、ヘッドホンに搭載されている11個のマイクのうち8個を使用し、20Hzから20kHzの範囲で、最大38dBまでノイズを低減するという。

②極限まで音の歪みを抑えた設計
 スピーカードライバーや機械構造、素材などは、音の歪みを最小限に抑えるための設計がなされている。低音から中音、そして高音にいたるまでの幅広い周波数帯域で、クリアな音質を提供することにこだわったそうだ。

③忠実なフルスペクトルオーディオ
 音や言葉を確実に聞き取れるように、人間の可聴域を超えた6Hz~21kHzの周波数を再生できる設計に仕上げ、忠実なフルスペクトルオーディオ体験を可能にしているとのこと。

④より繊細な音を聞くための科学的なチューニング
 独自のイコライザー設定や周波数の最適化によって、オーディオの全領域において、明瞭で繊細な音質を実現。「人間の耳がどのように音を感じるか」を科学的に解明し、音響分析のもとで、可能な限りアーティストが意図した原音を忠実に、ピュアな音質を届けることを目指したという。

⑤快適性と没入感のあるリスニング体験
 人間の頭の形は一様ではなく、音の聞こえ方や聞き方も異なっている。パーソナルな製品だからこそ、人間工学に基づいたプロダクトデザインや品質の高いオーディオ性能に加え、遮音性と快適性を追求するため、イヤーカップの形状および素材などにもこだわり、快適な付け心地を意識したとのこと。

 ジェームズ氏は「イヤーカップはクッション性の高いマイクロスエード素材を使用しているが、これは乗馬のサドルから着想を得ている」とコメント。

 また、空気清浄の観点から両耳のイヤーカップ内に高性能コンプレッサーを搭載するのに、非常に苦労を要したそうだ。

 「空気清浄機能に関わるテクノロジーは、ダイソンによって得意分野といえるが、ウェアラブル製品への応用は初の試みで、装着性や機能性の両立や小型化など、数多くの困難に直面した。何度も試行錯誤を重ねながら、製品化に向けて尽力してきた」

空気清浄機能付きの斬新なヘッドホン体験。静粛性はかなり優れていた

ダイソン初のウェアラブル製品『Dyson Zone』コラム画像3
開発秘話などを披露してくれたジェームズ氏と筆者

 最後に、筆者が自らDyson Zoneを装着し、聴き心地やフィット感などを体験した。

 ジェームズ氏の丁寧な説明を聞いたあとだったこともあり、ダイソン初のウェアラブル製品の体験は非常にワクワクした気分で臨むことができた。

ダイソン初のウェアラブル製品『Dyson Zone』コラム画像4
静粛性に優れていてサウンドも心地良かった

 そんななか、ヘッドホンを装着した瞬間に思ったのは静粛性にとても優れているとのこと。

 スマホから、YOASOBIの楽曲『アイドル』を流して聞いてみると、クリアな音質でオーディオ体験に没頭できるような感じを味わうことができた。

ダイソン初のウェアラブル製品『Dyson Zone』コラム画像5
専用アプリで自分好みに音も気流もカスタマイズ可能

 「MyDyson」アプリを用いることで、低音を響かせるベースブーストやイコライジングなど、自分好みの設定も可能になっている。さらに、非接触型シールドを装着することで、浄化された空気を鼻と口に送ることができ、快適な呼吸も実現できるという。この『Dyson Zone』を装着し、颯爽と街中に繰り出せば、注目されること間違いなしだろう。

 ダイソンが日本に上陸して25年、これからどんな製品を世に出し、我々を驚かせてくれるのか。今後の動向に目が離せない。

◎参考情報

https://www.dyson.co.jp/headphones/dyson-zone/dyson-zone.aspx

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