美麗なるモンスターマシンの誕生 ランボルギーニの新フラッグシップモデル『レヴエルト』

ランボルギーニのレヴエルト』

 ランボルギーニの新型フラッグシップモデルが発表された。『レヴエルト』と名乗るこのクルマに搭載されるのは、新開発のV型12気筒エンジンとモーターを組み合わせたパワートレーン。最高峰モデルには代々V型12気筒エンジンを搭載してきた同ブランドが、ついに新たなるモンスターマシンを送り出してきたのだ。

コードネームは「LB744」

 1963年にトラクター事業からスタートしたイタリアの車メーカー「ランボルギーニ」。いまでは高級スポーツカーをてがけ、過去には『ミウラ』や『カウンタック』といった時代を超えても憧れるモデルを生み出している。そして今年、同社は新型モデル、『Revuelto(以下レヴエルト)』をワールドプレミアを実施した。先立ってランボルギーニは開発中のコードネーム「LB744」に搭載されるエンジンは新開発のV12とプラグインハイブリッドを搭載すると発表しており、ついに『Revuelto(以下、レヴエルト)』として、その詳細が明らかにされたのだ。

最も軽量でパワフルなエンジン

 『レヴエルト』に搭載されるエンジンは2011年に発売された『アヴェンタドール』から引き継がれたものではなく、まったくの新開発ユニット。「L545」と呼ばれるパワーユニットは『アヴェンタドール』よりも17kg軽い218kg。自然吸気の6.5リッターV型12気筒は825PS/9250rpm、725Nm/6750rpmの最高出力と最大トルクを誇る。

 その搭載方法は車両前方にギアボックス、エンジンユニットの歴代モデルとは異なり、エンジンユニット、ギアボックスの順になっているのも特徴だ。ギアボックスはV12モデルとしては初の8速デュアル•クラッチ•トランスミッションを横置きに収めている。ミッション横置きは同ブランドとしては1966年の『ミウラ』、2021年のサーキット専用ハイパーカー『Essenza SCV12』以来の3モデル目になる。

 そして組み合わされるモーターはフロントに2つ、リアに1つの3モーター方式で、システム最高出力は実に1015PSを叩き出す。動的なスペックは0-100km/hは2.5秒、0-200km/hは7秒、最高速は350km/hだ。その性能に対応するため、最新世代のカーボンセラミックブレーキプラスを採用。フロントは従来の6ピストンから10ピストンに強化されている。

 バッテリーの容量は3.8kWhで車体のセンタートンネル内に収まる。充電時間はV12エンジンで約6分、普通充電ならば約30分で満充電になる。フル充電時であれば10kmのEV走行が可能という。その特性を制御する走行モードは13種類。リチャージ、ハイブリッド、パフォーマンスは『レヴエルト』のみのモードだ。

シザー•ドアも健在

 エクステリアデザインは過去の12気筒モデルのイメージを取り込む最近のもの。リアには可変式のスポイラーを備えるほか、ドアは「お約束」の上方に開く、シザー•タイプ。『レヴエルト』はフロントノーズなどにY字型のデザインを取り入れているのも興味深い。このY字型デザインはインテリアにも見受けられる。

 メーターは12.3インチのデジタル仕様。その情報は助手席に設置された9.1インチのパッセンジャー用にも表示される。センターには縦型の8.4インチディスプレイがあり、ランボルギーニとしては初のスワイプ機能を持つ。またリアシート後方にはゴルフバッグが収まる収納スペースも設けられている。同車の発表ではランボルギーニ会長兼CEOのステファン•ヴィンケルマン氏は「新型『レヴエルト』はランボルギーニの歴史におけるマイルストーンである」と語った。歴代のフラッグシップカー同様に、どんな伝説を残すのか。今から楽しみである。

◎参考情報

ランボルギーニ
https://www.lamborghini.com/jp-en

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