連載:カップルYouTubeクリエイターと○○(第三回)
夫婦でありビジネスパートナーでもある ともかほちゃんねると考える“仕事とプライベートの切り替え方”
誰にとってもYouTubeはもはや手放せない存在だ。多種多様なYouTubeクリエイターが人気を集めるなか、男女の恋模様を動画にして共有する“カップルYouTubeクリエイター”というジャンルも盛り上がりを見せている。リアルな男女の恋愛の様子から、友達のような関係のビジネスカップルまで、まるで友達の恋愛談を聞くような感覚で楽しめるカップルチャンネルは、若い世代を中心に人気を博している。
普通の大学生と会社員だったカップルから、登録者数25万人を誇る人気クリエイターへと転身した「ともかほちゃんねる」が、自らカップルYouTubeクリエイターにまつわるアレコレを語るエッセイ連載『カップルYouTubeクリエイターと○○』をスタートした。
ルーティン・料理・旅行・同棲の悩みなど、生活感に溢れた同棲カップルの日常コンテンツを中心に投稿し、その等身大の姿が視聴者からも共感を集めている2人は、カップルYouTubeクリエイターをどのように考えているのか。第三回は夫婦でありビジネスパートナーでもある2人に、「カップルで仕事を共にするということ」というテーマを投げかけてみた。
特殊? ともかほちゃんねるの編集スタイルが確立するまで
ともや:僕たちは、1本の動画を時間で区切ってふたりで編集をしています。たとえば40分の動画だったら、20分とか区切りのいい場所で切って、前半の編集は僕、後半はかほとそれぞれに振り分けて。各自の担当部分にテロップやBGMを入れたり、カットしたりという感じで作業をしていきます。
かほ:動画によって、ふたりのどちらかに「前半のこのシーンが好き」というところがあったりするので、「今回は前半を担当したい」と手を挙げる形で決まることが多いですね。
ともや:YouTubeを始めたころは、多くのクリエイターの方がやっているように、1本の動画編集をひとりが全部担当するというやり方でした。当時は毎日投稿がトレンドだったので、実は僕たちもよくわからないまま毎日投稿をしていた時期があって。一日で撮影して、その日のうちにアップするという生活を半年くらい続けていたんです。当然、時間が全然足りないので、「1本の動画編集を半分ずつに分けようか」となったのが、今の形になった始まりでした。
かほ:一日のスケジュールとしては、その日中にやるべきことは決めますけど、“何時までにこれをやる”みたいに細かくは設定していません。朝起きるのが遅くなっちゃったら、そのぶん後ろにズレていくイメージですね。ただ、編集作業はひとりで行うから問題ないんですけど、撮影はふたり一緒じゃないとできないじゃないですか。ともやは一日のタスクを早めに終わらせて夜ゆっくりしたいタイプで、私は朝ゆっくり過ごしたい派なので、お互いに急かし合ったりとか。ふたり同時に元気な時間を合わせるのはなかなか難しいですね。そういうコンディションは視聴者さんにもバレるので。「かほちゃん、今日元気ない?」みたいなコメントをいただくこともあります(笑)。
ともや:最初のころは、準備時間を含めたら撮影に2時間以上かかっていましたね。さらに、ひとりで編集を全部やるとなると6〜7時間かかるんですよ。ショートカットとかも全然わかっていなかったし。今は、撮影にかかる時間はそこまで変わらないけど、編集は3時間くらいでできるようになりました。長時間パソコンに向かい続けるにはかなりの集中力が必要で、昔は途中で集中力が切れてしまうことも多かったんですけど。ふたりで分担するようになってからは必然的にかかる時間も半分になるので、集中力が続くようになりました。
かほ:最初のころは、それぞれが編集したものを一緒にチェックして、全体的に統一感があるかとか、「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」みたいに直したりしていましたけど。いまはもう、完全に担当者に任せています。
カップルが仕事を共にすることのメリット・デメリット
ともや:普通に雑談しているとき……だいたい寝る直前のことが多いんですけど、「あっ、こういう動画を撮りたいね」みたいな感じでネタを思いつくことが多いので、そこはメリットですかね。ただ、日常会話をしていたはずが、いつの間にか仕事の話になっていたりするので、無意識のうちに疲れてしまうこともあるんでしょうね。かほが体調を崩してしまうことが、たまにあります。
かほ:私は精神的なものが体に出やすいので、意識してオフの時間を作るようにしています。たとえば、カメラを持たないで旅行をするとか。ただ、どうせ外出するなら動画にしたいという気持ちもあるんですよね。それに、なんだかんだで動画を撮っているときは楽しいので、結局撮影しようってなることも多いです(笑)。
ともや:撮影のために外出するのと、プライベートで出かけるのとでは、“楽しもう”とする気持ちの度合いが全然違うんですよね。
かほ:遠出をして動画を撮るときは、撮影したらおもしろそうなスポットを探したり、下調べをいっぱいするんですけど。プライベートで出かけるときはゆっくり過ごすことが多いので、とりあえず現地に行って、見つけたお店に入って……みたいな感じです。
ともや:あとは、お互いのペースを合わせるのも意外に大変ですね。僕には、一日のなかで絶対になにもしたくない“無の時間”というのがあって。そのときに、かほが「この動画のことなんだけど」みたいに話しかけてきたら、「今は考えられなさそうだから、明日時間作って一緒に話そう」って言ってしまうこともあります。
かほ:私としては、話し合いレベルの会話をしたいわけじゃなくて、「これどうするー?」ぐらいの軽いノリなんですけどね。でも、ともやは“ここから仕事スタート”“いまから話し合いスタート”みたいにキチンと時間を区切って行動したいタイプなので。そこのズレを感じることは結構あります。