「看護師あるある動画」はなぜ人気? 天才ピアニストらのヒット動画から考察
“あるあるネタ”は時代を問わず共感を呼び、人気があるコンテンツの1つだ。その中でも近ごろは、TikTokやYouTubeで「看護師あるある」「看護学生あるある」をネタにした動画が人気を呼んでいる。数ある“あるあるネタ”のなかで、なぜいま「看護師あるある」「看護学生あるある」が注目されているのだろうか。
今回は特に「看護師あるある」「看護学生あるある」人気の2組に注目し、分析していく。
まず1組目は、お笑いコンビ「天才ピアニスト」の公式YouTubeチャンネルだ。「天才ピアニスト」は吉本興業所属のお笑いコンビで、2022年の第52回NHK上方漫才コンテスト、そして『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』で優勝している実力派コンビだ。
チャンネル登録者数は現在17万人おり(2023年5月17日時点)、「【看護師あるある】夜勤ナースが100万回以上やってるやりとり他」は373万回再生、「【看護師あるある】ベッド柵外れた音したらビーチフラッグぐらいいっせいに走って見に行く他」は326万回再生など、投稿している動画のなかでも、看護師あるあるの動画は特に人気が高い。
メンバーのますみが正看護師国家資格を所持しており、10年の病院勤務経験がある。動画では、ますみの長年の看護師経験が存分に活かされており、看護師と医者のやりとりや、患者さんへの対応など、実際の現場で培ったリアルな看護師の姿が完全に再現されている。コメント欄では、同じ医療職をしている視聴者から多くの共感が寄せられている。
2組目は、「あぃりDX看護専門学校」だ。あぃりDXは現在はクリエイターとして活動しているが、以前は看護学校に通っていた経験があり、その経験を活かして看護学生あるあるを発信している。
TikTokを中心に話題になったあぃりDXだが、YouTubeのチャンネルも登録者数は31.6万人という人気ぶり。学生時代ダンス部に所属していた経験も活かして、実習あるあるから生まれた「根拠は?」というワードをもとに、「根拠」というダンスナンバーも配信した。
「あぃりDX看護専門学校」の動画では、あぃりDX1人で看護学生や看護補助員、看護主任などさまざまな役になりきり、シチュエーションごとのあるあるを再現している。また、ダンスの技術を活かしてリズムや曲に乗せ、看護学生あるあるをコミカルに発信していることも、10代から人気を集めている要因だ。
ほかには、人気YouTuber「きりまる」も、「看護実習のリアルな本音。実習ってなにするん?💉壮絶な病院実習。#看護学生あるある」という動画で実習の過酷さについてのエピソードを取り上げ、195万回再生を出している。