患者側からではわからない“看護師あるある” 芸人「天才ピアニスト」の動画が秀逸だといえる理由

 寝る前にYouTube動画を見る人は少なくないだろう。筆者の場合は、吉本興業所属のお笑いコンビ「天才ピアニスト」のYouTube公式チャンネルだ。動画を見始めたのはコロナの真っ只中。ちょうど、医療従事者の活躍が話題になり、感謝の声が高まっていたころだった。

 「天才ピアニスト」は、竹内知咲とますみのコンビ。ますみは芸人になる前に看護師として6年間働いており、芸人になってからも病院に籍を置いていたという。そんな彼女たちが得意としているのが、ますみの経験をネタにした【看護師あるある】シリーズだ。自分が患者として医療従事者にお世話になることがあるし、異業種の仕事の内容が知れて面白いのだ。

笑いと学びと「へ~」が得られる

【看護師あるある】オペ出しの時、カツラ確認するの気まず過ぎる他

 【看護師あるある】シリーズの魅力は、ますみと竹内の絶妙な掛け合いと、看護師でなくても「あるある」とうなづいてしまう真実味あふれる寸劇、そして医療関係者の知られざる側面の暴露にある。

【看護師あるある】おしっこは管から出てるから大丈夫!って100回は言ってる。他

 たとえば、「おしっこは管から出てるから大丈夫!って100回は言ってる。他」は、手術を経験したことがある人なら、自分の経験と照らし合わせながら苦笑したくなるだろう。なにを隠そう、筆者も同じようなことを言われたひとりだ。ケアをしてくれた看護師の顔や名前は覚えていなくとも、その当時のやりとりを生々しく思い出してしまうあたり、この寸劇の再現クオリティがとても高いのだと思う(と、同時に自分が1/100になって看護師の手を煩わせてしまったのを申し訳なく感じる)。

【看護師あるある】夜勤にルート確保の達人がいると分かって沸く日勤メンバー他

 患者側からではわからない、ナースステーションや休憩室でのひとコマ、看護師にも得手不得手があることを知れるのも面白い。辛いことやイライラすることも赤裸々に「あるある」として共有しているのも人間臭くていい。筆者は母方の親戚に看護師が多いので、彼女たちを思い出しながら笑ってしまう。そんな【看護師あるある】シリーズは、医療現場を知る人たちからも絶大な人気を博しており、動画がアップされた次の日は必ずと言っていいほど話題になるし、看護師の仕事に嫌気がさしている人たちの励みにもなっているらしい。

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