『ルックバック』『葬送のフリーレン』など人気コミックが多数受賞 「楽天 Kobo 電子書籍 Award 2023」初開催

「楽天 Kobo 電子書籍 Award 2023」初開催

 スマートフォンやタブレットを使い、時間や場所を問わずにさまざまな本を読める電子書籍。とりわけ、コロナ禍で加速したデジタル化によって、電子書籍の需要も増えているような状況だ。

 そんななか、楽天が運営する『楽天 Kobo 電子書籍ストア』は、2023年5月9日に「楽天 Kobo 電子書籍 Award 2023」を初開催した。

 同アワードは「Empower e-reading」をコンセプトに、出版業界のさらなる発展や活性化を図ることを目的に設立。

 出版各社よりエントリーされた作品数は1,087作品に上り、その中からコミック部門、テキスト・写真集部門、および各部門の特別賞を発表した。

“デジタルの本屋さん”として出版業界の発展に貢献したい

 会の冒頭では、楽天グループ株式会社 エンターテインメントコンテンツ事業 ヴァイスプレジデントの高橋宙生氏が登壇。初めて「楽天 Kobo 電子書籍 Award 2023」を開催した経緯について説明した。

 「幼い頃から両親の蔵書を読み漁るなど、とにかく本が好きだった。あれから何年も経ち、出版業界を取り巻く環境は大きく変化した。

 本を読む体験ひとつとっても、人によって慣れ親しんだ紙の本を読んでいたり、インターネットの台頭によって登場した電子書籍に触れていたりと、読み手の好みや場面などによって変わってきている。

 『楽天 Kobo 電子書籍ストア』は10年にわたって、コミック、小説、ビジネス書などの多様な電子書籍を取り扱ってきたが、“デジタルの本屋さん”としての立ち位置で何かできることはないか。そう考えたのが、アワードを開催するきっかけとなった」

 また当日は、多くの謎解き・脱出ゲームを作るタレント・謎解きクリエイターの松丸亮吾がゲストに登場。

 「今まで本を出版し、賞をいただく機会はあったが、今回のようなアワードでプレゼンターとして呼んでいただくのは初めての経験。しっかりと役を務めていきたい」とコメントした。

2023年秋にアニメ化を控える『葬送のフリーレン』、注目コミックには『黄泉のツガイ』などが受賞

 ここからは各部門における受賞作品の発表がなされた。

 まず、コミック部門における3つの受賞作品は以下の通りである。

一巻完結!読み切りコミック

第1位
作品: ルックバック
著者: 藤本タツキ
出版社: 集英社

第2位
作品:人生最大の失敗
著者: 野原広子
出版社:オーバーラップ

第3位
作品:君の夜に触れる
著者: もりもより
出版社:シュークリーム

世界に届けたい!一押コミック

第1位
作品: 葬送のフリーレン
著者: 山田鐘人/アベツカサ
出版社: 小学館

第2位
作品:数学ゴールデン
著者:藏丸竜彦
出版社:白泉社

第3位
作品:踊る千年家族
著者: 春日井晶
出版社:少年画報社

今読んでおきたい!注目コミック

第1位
作品: 黄泉のツガイ
著者: 荒川弘
出版社: スクウェア・エニックス

第2位
作品: ひかえめに言っても、これは愛
著者: 藤もも
出版社:講談社

第3位
作品: 片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~
著者: 乍藤和樹 / 佐賀崎しげる / 鍋島テツヒロ
出版社:秋田書店

楽天Kobo特別賞

作品: 今夜すきやきだよ
著者: 谷口菜津子
出版社: 新潮社

 『葬送のフリーレン』の担当デスクは「2023年秋からアニメ公開が控えており、このタイミングで今回受賞できたのはとても嬉しく思っている。作品の魅力が世界に届くよう、これからも頑張っていきたい」と述べた。

 また、『黄泉のツガイ』の担当者は著者・荒川弘氏のコメントを代読。

 「今年からアワードが新設されたと聞き、その記念すべき第1回目の1位に選んでいただき、大変嬉しく感じている。ここ数年、私の作品も電子書籍の読者がものすごい勢いで増えており、それに伴って紙版でも意識している『画面作りの見やすさ』を電子書籍でも反映できるように試行錯誤している。これからも、さまざまな著者から生まれる良作に埋もれてしまわないよう精進していきたい」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる