昆虫や冬虫夏草などを扱う生き物系YouTuberが人気 ニッチな動画に教育的価値が?

 昆虫や冬虫夏草などを動画で投稿する生き物系YouTuber「うごめ紀」が、いま人気を誇っていることをご存じだろうか。チャンネル登録者数は21.5万人で「教育的に価値がある」と定評のあるYouTuberだ。今回、うごめ紀の魅力について迫っていきたい。

 うごめ紀は生き物系のYouTuberで、投稿者は冬虫夏草(虫に寄生するキノコの仲間)や昆虫が好きとのこと。彼の知識はかなり深く、またふだん私たちが知ることのできないような貴重な生物や植物の動画を投稿する。たとえば執筆時点(2023年4年7日)でもっとも再生回数の多い動画「カエンタケに触れるとどうなるのか実験してみた」は、猛毒キノコであるカエンタケに実際に触れるとどうなるのか、という実験企画となっている。カエンタケは危険な猛毒キノコで、誤って食べてしまうと死に至る可能性があるほか、触れるだけで炎症を引き起こしてしまう。そのような大変危険なキノコを、彼は公園で見つけ出し、恐れもなく素手で触れて採取。そして自宅に持ち帰り、カエンタケを腕に接触させて、その後皮膚がどうなるか観察を行った。危険な状態にはならなかったが、結果についてはぜひ本動画を参照してほしい。このような社会的意義の高い動画に、コメント欄でも「炎上商法ではなく、正しい情報を伝えてくれるのが素晴らしい」「自身で実験して正しい情報を発信して感銘を受けた」といった、投稿者を絶賛する声が目立った。

 一般的に敬遠されがちな昆虫や植物などを取り扱うチャンネルであるが、チャンネル登録者数は21.5万人という人気を誇る。その1つの理由に「中毒性」が挙げられる。たとえば、2023年3月24日公開の「井戸の水をポンプで全部抜いたらすごい生き物が出てきた」という動画では、タイトルの通り井戸の水をすべて抜くことで、井戸内に住む生物を観測する動画となっている。

井戸の水をポンプで全部抜いたらすごい生き物が出てきた

 井戸の中には、クモや生物の幼虫なども見ることができた。井戸内では珍しい生き物が生息しており、コメント欄では「地下水性昆虫という、マイナーながらも魅力的なジャンルを知れたのがありがたい」「このシリーズ続けてほしい」といった、中毒性を感じているユーザーが多かった。実際に見ると嫌な生物や植物かもしれないが、動画越しに見ると、珍しいその様子に興味を寄せる視聴者が多いように感じた。動画という媒体の魅力を十分に活かし、成功したYouTuberこそ「うごめ紀」と言える。

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