「ミュージシャンのために一つの突破口を開きたい」 大津 惇がドラマー、音楽家としてライブ配信を続ける理由

大津 惇がドラマー、音楽家としてライブ配信を続ける理由

 ライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」で行われた「あなたの音楽を発信しよう♪RealSound Techインタビュー出演権!」で、ドラマーの「大津 惇」が見事インタビュー権を獲得した。コロナ渦に多くのミュージシャンが苦境に立たされたことは記憶に新しい。その状況下で「Pococha」をスタートした大津は、活気を取り戻しつつある音楽シーンとライブ配信の活動を器用に繋ぐライバーでもある。アーティストならではの配信スタイルやミュージシャンとしての立ち位置から見たライブ配信の可能性について詳しく話を聞いた。(Nana Numoto)

――まずは、「Pococha」を始める以前の経歴について教えていただけますか。

大津 惇

大津 惇(以下、大津):コロナ渦前はドラマーとしてアーティストさんのツアーに帯同していました。『STEINS;GATE』(シュタインズ・ゲート)というTVアニメのヒロイン役の声優さんのサポートや楽曲提供をしたり、女優の高岡早紀さんの音楽活動でドラムを叩いたり、ジャズからポップスまでジャンルを問わずに叩いていましたね。ドラム以外にもバンドをまとめるバンドマスターの仕事や、作曲・編曲もしています。2020年の2月くらいまでは多いときに月20本ぐらいステージに上がっていましたが、コロナ渦に入り急にストップすることになってしまいました。

――ライブ配信を始めたのは、やはりコロナの影響が大きかったのでしょうか?

大津:大きかったというより、それだけでしたね。2020年の3月からずっとステージに立てていなかったので、やはり誰かの前で演奏したいという思いが強くなり、「Pococha」をはじめたんです。

――舞台の上とライブ配信では、演奏の見せ方が変わってくるかと思います。「Pococha」を始めて自身のスキルアップに繋がったことがあれば聞かせてください。

大津:そもそもドラマーはマイクを渡されることがほとんどないんですよね。でも最近では「ライブ配信やってるんでしょ、トークスキル見せてよ」みたいに無茶ぶりをされるようになりました(笑)。ライブ配信ではコメント欄でしかリスナーさんの感情が読み取れないので、どう思っているのかを予測しながらやっています。そのおかげで、ライブでのトークスキルは少し上がったかもしれません。

――普段の配信スタイルについてもお伺いしたいと思います。実は昨日のライブ配信を見させていただいたのですが、後ろ姿を見せながら配信していましたね。とても珍しいスタイルだなと思いました。

大津:実は昨日は、バンドメンバーのアーティストがうちのライブ配信にリスナーとして見に来てくれていて、一緒に曲のミックス、マスタリングという作業をやっていたんです。コントロールルームに入って、アーティストが要望をつけたら僕が直すという、リスナーさんが普段見ることができない作業を体験してもらおうかなと思いまして。実際にバンドメンバーには「Pococha」のコメント欄で「ちょっとベース上げて」とか「ちょっとギター上げて」といった調整依頼をテキストで打ってもらって、そのコメントを見ながら曲の修正をしました。最近はイレギュラーで、こういった制作配信を導入しているんです。普段は手前側にドラムセットが置いてあって、そこに画角を振って叩いているのですが、制作配信では僕の制作スペースを映して、一から曲ができていくプロセスを説明しています。

――「Pococha」でしゃべったり特技を披露したりするだけでなく、別のクリエイティブの様子を見せて楽しませているというのは、何か一つの可能性を切り開いてくれた感じがありますね。

大津:そうであるなら嬉しいです。せっかくならリアルのライブにも来てほしいので、普段のミュージシャンらしいところを見せながら配信していきたいと思っていて。だからこそ、大津 惇がやっているドラムや、制作スタイルを見せたいんです。ご賛同いただける方に応援してもらえたらと思ってやってきて、それが今回の「あなたの音楽を発信しよう♪RealSound Techインタビュー出演権!」への入賞で、実を結んだのかなと思っています。このようないい機会をいただけてすごく嬉しいです。

――「あなたの音楽を発信しよう♪RealSound Techインタビュー出演権!」に出ようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

大津:今回はライブ配信1周年記念イベントとして参加しています。形に残るものなので、一つの集大成として1年で一番ふさわしいと考えました。あとはプライズのインタビューでRealSound Techさんの発信力にあやかりつつ、自分の音楽や枠のことをより幅広く伝えたいと思いました。

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