小森めと移籍の動きに見る「VTuber業界の成熟」と、一週間でびっくりするほど広まったmocopiの輪

小森めと移籍に見る「VTuber業界の成熟」

 また、発売から一週間ほどたったモバイルモーションキャプチャー『mocopi』は、VTuberたちの手にも渡り始めているようだ。そして各々から様々な動画が投下されている。

忍者なので分身して動いてみた【mocopi&OptiTrack比較動画】

 朝ノ瑠璃は、自身のアバターを使った、光学式モーションキャプチャー『OptiTrack』との比較動画を公開した。業務用の高額なシステムとの比較という、実用性の高い検証動画だ。見比べてみると、細かなところで『OptiTrack』の優位性が目立つが、価格や機材の少なさを考えれば『mocopi』がいかに健闘しているかがわかるだろう。購入時の参考動画として、筆者も今後引用したい良い動画だ。

はだかモコピ

 「刀ピークリスマス」が想定外のバズを起こしているピーナッツくんは、極寒の屋外で海パン一丁と『mocopi』を装着して、雪玉や水鉄砲などの”試練”に耐える体当たり動画を投稿した。実にYouTuberらしい企画だが、屋外でも活用でき、防水性能もある『mocopi』を活用した「外ロケ」動画という、やってみたいVTuberも多そうな企画だ。ある意味では体を張った検証動画と言えよう。

 「にじさんじ」の月ノ美兎は、『mocopi』を手に入れてからいろんな「動きの小ネタ」をショート動画として投稿している。どこか愛嬌のあるぎこちない動きが多い。そして先日にはなぜか『ぼっち・ざ・ろっく』の1シーンを再現する動画を投稿した。こうした動きを活用する小ネタを、VTuberでも巨大なスタジオ不要で、気軽に作れるようになるのが『mocopi』のいいところだ。最も身近なユースケースとしてチェックしてみるとよいかもしれない。

 業界でも『mocopi』採用の動きが見え始めた。山葵音楽学校プロジェクトは、等身大アバターライブシステム「Monolis」に『mocopi』導入を発表した。「Monolis」は縦長のディスプレイにVTuberを映し、現実のステージなどに登場させるシステムだ。リアルライブイベント向けシステムに早速組み込まれるあたり、注目度の高さがうかがえるだろう。

 そして、発売時点で「VRChat」に対応している『mocopi』を、VRモードではなくデスクトップモードで使えるようにするアプリケーション/アバターギミックまで登場した。わかりやすく言えば、VRヘッドセットをかぶらずに「VRChat」でフルトラッキングを行えるようにするシロモノだ。また、自由度の高いメタバース「NeosVR」でも、個人が同様の仕組みを開発したとのことだ。VR機材なしで、VRメタバースに”身体ごと”行ける日も近いかもしれない。

 発売から一週間ほどで、『mocopi』は非常に多くの活用例が生まれ始めている。今後対応アプリケーションが増えていけば、さらに使い道の幅が広がるだろう。今後のさらなる発展に、筆者も注目していきたいところだ。

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