『Weekly Virtual News』(2023年1月2日号)
2023年に期待したい、4つの「バーチャルなトピック」たち
年が明けて2日目で未来の展望を語るというのも気が早すぎると思うが、一日先はどうなってるかわからないのも、バーチャルな界隈のおもしろいところである。なので今回は、後々の答え合わせの楽しみを仕込むことも兼ねて、2023年に期待したいトピックについて触れてみる。
インタラクティブなキャラクター
「実在するように動くキャラクター」はVTuberだけではない。アニメやマンガなどのキャラクターが、YouTubeの画面を通して生き生きと動くコンテンツが着実に増えつつある。
2022年の代表例は、『ONE PIECE FILM RED』からNHK紅白歌合戦まで羽ばたいたウタだろう。映画公開までの期間に「ファンに向けた配信」というフォーマットで動画を投稿し、実世界と映画の世界をつなぐ役割を担った。さらに、佳境を迎えた『ONE PIECE』本編のプロモーションも兼ねているであろう、AR技術も見られるライブパフォーマンス動画も公開した。
そして、2022年の年の瀬には『アイドルマスター』も動き出した。「3.0 VISION」として発表された新展開の中で、ライバー(配信者)が動画配信を通してアイドルデビューを目指す新プロジェクト「PROJECT IM@S vα-liv」が発表されたのだ。まだ全容こそ不明だが、ゲーム中心に展開してきた『アイドルマスター』が、ライブストリーミングというインタラクティブな領域に進出しようという動きは特筆すべきものがある。
まったくの偶然か、『ラブライブ!』シリーズからも同じタイミングで、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の天王寺璃奈がVTuberにチャレンジするという動画が、年末年始にかけて3本投稿される動きがあった。そして『ラブライブ!』シリーズでは、「バーチャルスクールアイドル」と称した新プロジェクトが動き出そうとしている。
こうしたキャラクターのあり方自体は、2018年からVTuberのように活動していた『ウマ娘』のゴールドシップや、さらにさかのぼればいくつかの先例があるはずだ。しかしながら、VTuberが浸透したことにより、VTuberのように「フィクションのような存在が現実にいる」というあり方が根付き始めているのではないだろうか。ビッグタイトルのバーチャルへの参入が、”定着”をさらに加速させる可能性は十分にあるだろう。
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