あのキャラは、ゲームスピードは、操作性はどうなる? 10年ぶりのシリーズ新作『アーマード・コア6』への個人的な要望

10年ぶりの新作、アーマードコア6への要望

 2022年12月に開催された『The Game Awards 2022』では、その年の優れたゲームタイトルにさまざまな賞が贈られる一方で、今後発売される新しい作品の新情報が多数発表された。

 『ファイナルファンタジーXVI』の発売日決定や、『デス・ストランディング2』(仮題)のお披露目など、多くの新情報が出てきた本イベントだが、そのなかでも個人的に印象深かったのは、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、AC6)の発表だ。同作はフロム・ソフトウェアの看板タイトルのひとつである「アーマード・コア(以下、AC)」シリーズの、じつに10年ぶりの最新作となる。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON アナウンスメントトレーラー【The Game Awards 2022】

 2013年にPS3で『アーマード・コア ヴァーディクト デイ』(以下、ACVD)が発売されてからというもの、「AC」シリーズには目立った動きがなかっただけに、今回の発表は衝撃だった。とはいえ、惑星ルビコンという新しい場所が舞台になることくらいしか具体的な情報はなく、バトルシステムや武器などの詳細はいまだにわからない。数少ない情報を頼りに、本作の中身を推理している人もいるだろう。

  本稿では、そんな『AC6』に筆者が個人的に希望するポイントを、いくつかピックアップして紹介していく。

パッチを出してほしい

 “ハイエナ”に“鉄板”、“フーテン”など、ときにさまざまな二つ名を冠して、『デモンズソウル』、『ダークソウル』シリーズ、『ブラッドボーン』、『エルデンリング』に登場している、パッチというキャラクターがいる。いまやフロム・ソフトウェアのゲームのお約束ともいえる存在だが、じつはパッチという名前が初めて出たのは、『デモンズソウル』よりも少し前、2008年に発売された『アーマードコア・フォーアンサー』(以下、ACfA)なのだ。

『エルデンリング』に出てくるパッチ

 厳密に言うと、『ACfA』に出てくる彼の名前はパッチ“、ザ・グッドラック”。同作のミッション“不明ネクスト+ノーカウント撃破”のターゲットで、ミッション名にもある“ノーカウント”という機体の搭乗者だ。

 所属不明のアーマードコア・ネクスト1機とタッグを組んでプレイヤーを襲うが、相方が撃破されると降伏し、自分を見逃すよう交渉をもちかけてくる。命乞い中のパッチを攻撃するかどうかはプレイヤーの自由で、手をだすと交戦状態へ。放っておくとどこかへ消えていき、ミッションはクリアとなる。

 裏切りや加勢がおなじみの「AC」シリーズだが、降伏はまず見られない。なにかと覚悟を決めたキャラクターが多いなか、命乞いに必死なパッチの存在は、なかなかの衝撃だった。『ACfA』が初出だからこそ、原点回帰という意味でも彼をぜひ『AC6』にも出してほしい。『ACfA』と同様に命乞いをしてもいいし、あるいは僚機としてともに戦い、主人公が不利と見るや敵に寝返るくらいのことはしていいと思う。

スピード感は「AC4」あたりがちょうどいい?

 「AC」シリーズといえば、スピード感がタイトルによって大きく異なることも特徴のひとつだ。

 たとえば、移動する際はブースターを小刻みに出し、小さなジャンプをくり返す手法がメインだった『アーマード・コア ラストレイヴン』(以下、ACLR)以前の系列。常時ブースターを起動し、さらにクイックブーストを使った瞬間的な加速が可能だった『アーマード・コア4』(以下、AC4)の系列。そして、『AC4』と似ているが全体的にスピードをやや落とし、建物などの地形も利用するのが重要だった『アーマード・コアV』(以下、ACV)系列などがある。

『アーマード・コア ラストレイヴンポータブル』

 どれがいいというわけではないが、昨今の時代に求められるスピード感を反映するなら、『AC6』における速さは『AC4』あたりを目安にするといいのではないかと思う。

 ブーストでの通常移動とクイックブーストによる急加速を織り交ぜた高速戦闘は、爽快感が格別であり、ただブーストを吹かして飛び回っているだけでも、アーマードコア・ネクストという機体を使いこなしている優越感があった。ブーストを常時使うのが基本のためか、エネルギー残量の管理もそれなりに簡単で、ほかの作品と比べて操作がしやすかったのも大きい。

 続編である『ACfA』のスピード感は『AC4』以上だが、“目にも留まらぬ速さ”をそのまま表現したような作品(ゲームバランスの基となる“レギュレーション”の設定にもよるが)で、あまりに速いために目が追いつかないことも多かった。

『ACfA』

 『アーマード・コア サイレントライン ポータブル』、『アーマード・コア ラストレイヴンポータブル』、『AC4』、『ACfA』、『ACV』、『ACVD』の順に「AC」シリーズを遊んできた筆者だが、スピード感のバランスは『AC4』が一番しっくりきていた。もちろんこれは主観だが、『AC6』から「AC」シリーズに入る人にとって、ほどよく速いスピード感のバトルはとっつきやすいと思うし、戦闘のテンポが良ければ継続して遊ぶ意欲にもつながるのではないだろうか。

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