K/DAやaespaの事例から遂に辿り着く 仮想世界を舞台にしたサバイバル番組『少女リバース』が示した“K-POP×バーチャル文化の到達点”

『少女リバース』は“K-POP×バーチャル文化の到達点”

K/DA、aespa、APOKI、異世界アイドル……。様々な事例を重ね、遂に実現したK-POP×バーチャルカルチャーの到達点

 TWICEを生んだ『SIXTEEN』(2016年)や、日本版も誕生した『PRODUCE 101』(2016年-2019年)などK-POPカルチャーとは切っても切り離せない関係にあるサバイバル番組だが、バーチャルでの実施は初の試み。とはいえ、近年のK-POPの動きを踏まえると、このような番組の登場は異色というより、むしろ必然だと言えるのではないだろうか。

 ゲーム『League of Legends』から生まれたバーチャルK-POPグループのK/DAや、各メンバーに現実世界に対応した仮想空間上のアバターが存在する“メタバース・グループ”として活動を続けるaespa、バーチャルK-POPアーティストとしてメジャーデビューを実現させたAPOKI、韓国の著名ストリーマーWoowakgood(ワーワークグッド)のコミュニティの企画から生まれた人気バーチャルアイドルグループISEGYE IDOL(異世界アイドル)など、近年におけるK-POPカルチャーとバーチャルカルチャーのクロスオーヴァーの試みはもはや珍しいものではない。『少女リバース(RE:VERSE)』のような番組が生まれるのも、もはや時間の問題だっただろう。

 むしろ、ある種の転換点とも成りうる試みを「いかにしっかりと形にするか」が重要だ。恐らく制作側もそれを認識しており、これまでに『QUEENDOM』や『Road to Kingdom』といった人気番組を手掛けてきたカカオエンターテインメントのチョ・ウクヒョンCP(Chief Producer)を総括演出に迎えるという気合いの入れようである。

ⓒ Kakao Entertainment Corp.

 今回、実際に番組を鑑賞して、『少女リバース(RE:VERSE)』がK-POPのサバイバル番組とバーチャルアイドルのバラエティ番組の二つの要素をともに高いクオリティに仕上げ、それぞれの要素が衝突することなく見事に融合していることに驚かされた。さっきまでまったく知らなかったバーチャルアイドルたちに、わずか数十分ですっかり感情移入し、応援してしまっていたのだ。これまでに見たことのない番組であるにも関わらず、違和感なく一つのコンテンツとして楽しむことができるという完成度の高さ。まさにこの番組は、K-POPとバーチャルカルチャーのクロスオーバーにおける、一つの到達点と言えるのではないだろうか。



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